2014.3.12

理事長からのメッセージ「東日本大震災から3年を経て」

 平成23年3月11日に巨大地震が発生し、想像を絶する大きな津波により東日本の太平洋沿岸が被災してから、3年が経過しました。震災によりご親族を失われたご遺族の皆様に衷心より哀悼の意を捧げます。また、家屋や施設が被災し未だにご不便を強いられている皆様に心よりお見舞いを申し上げ、迅速な復興が成し遂げられることを心より祈念しております。

 さて、東日本大震災の被災地域は、日本の沿岸、沖合、遠洋漁業において重要な役割を担うとともに水産の加工流通においても中核であり、養殖業も重要な地位を占めるなど水産業が盛んな地域でした。このため、水産業の復興なくして東日本、中でも東北地方太平洋岸の復興を語ることは不可能です。

 水産総合研究センターは、震災後ただちに理事長を中心とする「東日本水産業復興・再生のための研究開発推進本部」と東北区水産研究所長を本部長とする現地推進本部を設置し、「この地域の水産業の復旧・復興に役立つことなら、できることは何でもやる」との決意のもと、センター一丸となって震災対応の活動を機動的に行ってきました。

 この間、救援物資の輸送や各県による水産物の放射能検査支援、効率的ながれき回収技術の開発と普及、さけますふ化場の復旧支援から、漁場調査、海域や内水面の放射能挙動調査、養殖種苗の発生調査等をはじめとして、その活動内容は多岐にわたります。

 この3年間で漁港や冷蔵庫等のハード面の復旧は徐々に進みつつあるものの、圧倒的な津波の被害と、東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う放射能汚染により、人と物流は震災前の状態に回復しておらず、東北の水産物を市場を通じて食卓に届けるには道のり遠く、復興の兆しの見えない地域が沿岸各地に存在します。

 3年を経た今、水産総合研究センターはこれまでの活動を総括し、東日本太平洋岸の水産業の復興と新展開に必要な調査・研究開発を引き続き鋭意推進するとともに、既存の先端技術や研究成果の現場適用のための取り組みを強化・加速します。

 また、水研センターの研究者と、産学官を連携する社会連携部門、震災による水産資源への影響や放射能調査結果など科学的な情報を迅速に公表する広報部門が一体となり水産業の現場と連携して復興対応活動と成果の普及を進めます。

 さらに、復興に大きな影を落とす福島第一原子力発電所事故による風評被害を防ぐために科学的調査研究を一層充実させる所存です。これらを進めるに当たっては、水産庁はじめ関係県や関係機関と連携してまいります。

 当センターへのご要望等がありましたら積極的にお寄せ下さるようお願いいたします。

 改めて、お亡くなりになった方々のご冥福とご遺族の皆様のご平安を心よりお祈り申し上げます。

平成26年3月12日
独立行政法人水産総合研究センター
理事長 松里壽彦