衛星画像からみた紀伊半島沖における春季カツオ漁場


和歌山県農林水産技術総合センター水産試験場・沿岸沖合資源部

[連絡先]0735-62-0940

[推進会議]遠洋漁業

[専門]計測・調査方法

[研究対象]カツオ

[分類]研究


[ねらい・目的と成果の特徴]

・ひき縄漁ではカツオ漁場の探索手段として、近年、人工衛星画像が重要な情報となっている。漁場探索技術の向上を図るため、紀伊半島沖の春季カツオ漁場を詳しく調べ、衛星画像にみられる特徴的な現象とカツオ漁場との関係を整理した。
・2000〜2002年のNOAA衛星画像から、ひき縄カツオ漁場は次の5つの特徴的な場所にできることがわかった(図1の模式図、漁場は(1)、(2)、(3)、(4)、(5))。
・(1)黒潮の南縁部、(2)東へ移動する小さな冷水渦(C4)の周辺部の黒潮暖水域、(3)遠州灘沖の冷水域(C2)西端部、(4)熊野灘沖の暖水進入域、(5)熊野灘沖の 小暖水渦(W)周辺部
・これら5つの漁場は、黒潮を挟んで南側A((1))と北側B((2)〜(5))に大きく2つに分けられる。南側Aは水温がゆるやかに低下する潮目にあたる。北側Bでは、黒潮北縁を東へ移動する小冷水渦とそれに伴って沿岸域へ進入する黒潮暖水が重要である。
・黒潮を斜めに横断する冷水ストリ−マが観察されることがあり、この場合その先端が黒潮北縁に接する付近に漁場が形成されていた。カツオ群は黒潮を乗り越える回遊ル−トとして、この冷水ストリ−マを利用している可能性が示唆された。

[成果の活用面等]

・紀伊半島沖におけるカツオ漁場の事例を蓄積することで、衛星画像による漁場探索技術の向上が期待できる。冷水ストリ−マは、カツオ以外にも卵稚仔魚などの生物を黒潮の南側から北側〜紀伊半島沿岸へ輸送する機能をもつ可能性が想定された。今後、これらのことを検証できるよう研究を進めたい。

[具体的データ]

図1:カツオ漁場の模式図