海水シャワー装置による投棄魚の生残率向上試験


大分県海洋水産研究センター浅海研究所

[連絡先]0978-22-2405

[推進会議]瀬戸内海ブロック

[専門]漁業生産技術

[研究対象]魚類、甲殻類

[分類]普及


[ねらい・目的と成果の特徴]

・周防灘の小型底びき網漁業において、不合理漁獲され、投棄される幼稚魚等の生残率を向上させるため、漁獲物に海水を散水しながら選別するシャワー装置の普及に必要なデータを収集する。なお、山口、福岡、大分の3県でデータを収集しこの装置の普及を推進している。
・(1)甲板上での選別作業中に、漁獲物に対して海水のシャワー散水を行うと、シャワー散水を行わない場合と比べて、4時間後の生残率が2〜7倍(魚種により多少異なる)向上した。
・(2)夏期に海水を3〜5℃冷却して散水すると、通常の海水を散水するよりもさらに生残率が向上(1.1〜2.0倍)した。

[成果の活用面等]

・この海水シャワー装置を用いた選別が普及することにより、これまでほとんどが死亡していた投棄魚の多くを生かしたまま再放流することが可能となり、未利用資源の保護につながると考えられる。

[具体的データ]

 シャワー式装置の概要図
船の生け間からポンプでくみ上げた海水を甲板上の漁獲物にシャワー状に散水するものである。(海水を冷却する場合は生け間に氷を投入する。)

 海水シャワー装置による魚種別の生残率変化
(大分県の平成13年5〜8月の合計)
※漁獲された個体全体を100%とした場合の生残数の割合
選別中にシャワー装置で海水を散水したグループは散水しなかったグループに比べて生残率が2〜7倍向上した。
特に小型エビ類の生残率が大幅に向上した。
この装置は投棄魚の生残率向上のほかに、出荷する商品の鮮度向上にも寄与するものと思われる。