ウニ・アワビ漁場造成に係わる事前評価法の開発


水産工学研究所 水産土木工学部 開発システム研究室

[連絡先]0479-44-5937

[推進会議]水産工学

[専門]水産土木

[研究対象]うに・あわび・こんぶ

[分類]普及・行政


[ねらい・目的と成果の特徴]

目的:近年、効果的、効率的な公共事業を執行するために評価制度が導入され、漁場造成や種苗放流の効果を定 量的に評価する手法が必要となっている。本研究の目的は、餌料となるコンブなどの海藻、ウニ・アワビなどの水産 有用種に関する個体群動態モデルを作成し、水産有用生物の好適環境を定量的に評価することにある。

成果:キタムラサキウニの摂餌とホソメコンブの成長が表現できる個体群動態モデルを開発した。
    このモデルを用いることにより、ウニやアワビの成長・成熟を効果的に促進するための適地選定や施設構造、設置後の漁獲量など漁場造成に関する事前評価が可能となる

[成果の活用面等]

・ウニ・アワビを主とする漁場造成,種苗放流,漁場管理等

[具体的データ]

は,本モデルを用いた解析結果の一例である。
構造物未設置の場合(case-0)、コンブ現存量は,沖側で磯焼け状態にあるが岸側は高い.ウニは,岸側では約3才で漁獲対象サイズの殻径5cmに達するが、沖側では10才以上でも漁獲できない状況にある。一般に、北海道南西部の磯焼け海域は、浅海域(水深約5m以浅)では海藻群落が形成しウニの成長も比較的良いが、深みではサンゴモ平原に殻径の小さいウニが高密度に分布しており、この解析結果は、この様な海域の状況を良く表している。潜堤を設置した場合(case-4),潜堤上ではコンブ群落が形成しウニは4才で漁獲されるが,その背後域で磯焼けが広がっている.これは,潜堤の天端を高くしたため背後域での底面波浪流速が低下し,ウニの食圧が増加したためと考えられる.このように新たに造成する構造物のみでなく,その影響を被る周辺海域を含め面的に評価を行う必要がある.リーフを設置した場合(case-7)、コンブ群落とウニの漁獲は共に増加し良い漁場が形成されている.リーフを沖に出すほど良い漁場が広がるが、断面積も大きく増大し費用は高くなるため経済的な検討が必要である。