まぐろ供給モデルの開発とインド洋メバチマグロ資源減少要因の解明


中央水産研究所・経営経済部

[連絡先]045-788-7676

[推進会議]中央ブロック

[専門]水産経済

[研究対象]魚類

[分類]研究


[ねらい・目的と成果の特徴]

・1980年代後半からのインド洋メバチマグロ資源の減少要因を解明するため、資源と漁獲のフィードバックを含む供給モデルを開発し、為替レートの変化やIOTC(インド洋まぐろ類委員会)非加盟国による漁獲の影響を分析した。
・その結果、インド洋メバチマグロの漁獲量の急増と資源減少は円高による日本市場への輸入圧力が要因であるが、資源管理が十分になされていれば資源の減少は予防されたとのシミュレーション結果が得られた。

[成果の活用面等]

・分析結果は、極端な円安(約180円/ドル)による日本の輸入減少よりも生産面における漁獲の直接規制の方が資源の保全に有効であることを示している。
・この結果を、漁獲規制が有効に機能している西大西洋クロマグロや非加盟国漁獲が増加してきたミナミマグロのケースと比較することによって、漁業管理体制と資源保全との関連を分析することができる。

[具体的データ]

 漁獲量が資源量に及ぼす影響を説明する[1]式(余剰生産モデルを過去の漁獲量の累積量で近似したもの)と、資源量と価格が漁獲量に及ぼす影響を説明する[2]式を連立させ、さらに、漁獲量QをIOTC加盟国による漁獲量と非加盟国の漁獲量に分割し、非加盟国の漁獲量をゼロとおくことにより、非加盟国の漁獲が完全に規制された場合の結果を予測することができる。また、ドル建てメバチ価格Pに含まれる為替レートを可変的に設定することによりその影響を予測することができる(図1図2)。

 S=−1.561Σ(Qt−3+Qt-4+・・・・+Qt−7)+定数項 ・・・・・[1]
  lnQ=0.40 lnS+1.07 lnPt-1−0.29 ln Pot+定数項 ・・・・・・[2]
  漁獲量:Q、資源量:S、ドル建てのメバチ価格:P、原油価格:Po

図1 漁獲量のシミュレーション結果
図2 資源量のシミュレーション結果