ホシガレイ養殖技術開発試験


[要約] 高級魚であるホシガレイ養殖技術を開発するため、継続的な飼育により成長の推移を明らかにするとともに、養殖の効率化を図るため、成長期の適正給餌率等について検討した。

愛媛県中予水産試験場増殖室

[連絡先]089-983-5378 

[推進会議]瀬戸内海ブロック

[専門]水産・養殖

[対象]ホシガレイ

[分類]研究


[背景・ねらい]

 ホシガレイは全長60cm(体重6kg)にまで成長する大型種であり、東京築地市場における天然魚の活魚単価は希少価値、美味等の点から、天然ヒラメの数倍にあたる10,000円〜20,000円/kgで取り引きされることもある。しかし、飼育事例は極めて少なく養殖に関する知見はほとんど無い。そこで新たな養殖魚種としての普及性を検討するため、ホシガレイの養殖特性について調査した。

[成果の内容・特徴]

(1)成長

 体重は1,2歳の冬期に成長の停滞がみられた(図1)。これは、1,2歳魚になると冬期に生殖腺が急激に発達すること、及び生殖腺が発達しない0歳魚が冬期にも順調に成長していることから成熟の影響であると考えられる。

 肥満度は0歳の冬期に急激に上昇し、1歳の11月まで緩やかに上昇した後、翌年1月まで減少傾向に転じた。以後は春〜秋期に増加し冬期に減少する傾向をみせた(図2)。肥満度が減少した要因も、体重の推移と同様に成熟の影響によるものと考えられる。

 日間増重率は、春期から上昇を始め、夏期をピ−クとして秋期以降は低下する傾向を示し、水温の推移とほぼ同調していた(図3)。

 以上の結果から、0歳魚では、冬期にも良好な成長を示すものの、1,2歳魚の成長期は春〜秋期であり、冬期には成熟の影響により停滞することが判明した。また、冬期には肥満度が低下し肉付きが悪くなるため、冬期以外に出荷する事が望ましいと考えられる。10gから養殖を開始し、ヒラメと同様に出荷サイズを600g以上と仮定すると、2年程度の養殖期間が必要である。なお、飼育中の観察結果から雄に比べ雌の方が早く成長することが判明し、雌雄の成長差が大きいことが明らかとなった。

(2)成長期の適正給餌率

 成長期には摂餌量が大幅に増加するため、適正給餌率を把握することが、効率的な成長と、無駄なコストを削減するうえで重要なポイントとなる。そこで、0,1,2歳魚の成長期を中心に、配合飼料を用いて給餌率の違いによる成長差を調査した。0歳魚では、1.5%が最も良好な成長を示し、2.0%と2.5%では大差はなく1.0%が最も低い成長を示した(図4)。1歳魚では、1.0%と1.5%がほぼ同様な結果となり、0.5%は低い成長を示した(図5)。2歳魚では、0.75%が最も良好であり、0.5%, 1.0%の順であった。

 以上の結果から、成長期では0歳魚が1.5%、1歳魚が1.0%、2歳魚が0.75%を目安として給餌することで効率的な養殖が実施できることがわかった。

 また、カレイ類が一般的に高水温に弱いといわれることから、昇温飼育による影響を調べた結果、摂餌状況等から25℃ 前後がホシガレイ飼育の上限であると考えられた。

[成果の活用面・留意点]

 雌雄選別による出荷時期の調整や雌性化技術の開発が必要と考えられる。

[具体的データ]

図1 体重の推移

図2 肥満度の推移

図3 日刊増重量率の推移

図4 給餌率の違いによる成長差(0歳)

図5 給餌率の違いによる成長差(1歳)

図6 給餌率の違いによる成長差(2歳)


[その他]

研究課題名:ホシガレイ養殖技術開発試験

予算区分:県単

研究期間:平成9〜13年度

研究担当者:八木秀志

発表論文等: