アサリ人工種苗の網被せ放流


[要約]網被せ方式によるアサリ人工種苗の放流試験を底質が転石帯砂地で行った。転石帯では、10mmサイズの種苗を放流した場合、放流1年後、31.5mmに成長し、歩留まり、収量からも効果的な放流方法であることが示唆された。

大分県海洋水産研究センタ−浅海研究所

[連絡先]0978-22-2405

[推進会議]瀬戸内海ブロック

[専門]増養殖技術

[対象]アサリ

[分類]研究


[背景・ねらい]

アサリは全国的な減少傾向にあり、大分県についても漁獲量はピ−ク時の数%に落ち込んでいる。本県では増殖対策として種苗生産研究に取り組んでおり、現在生産可能な殻長10mmサイズの人工種苗の放流方法として網被せ方式の検討を行った。

[成果の内容・特徴]

(1)平成11年秋に採卵、飼育した平均殻長10.5mmの人工種苗を、平成12年4月に網被せ方式による放流試験を行った。放流1年後に全量を回収し、効果を評価した。放流密 度は2,000個/m2とした。

(2)網被せ方式とは種苗を撒き付けた後、防風網で放流域を覆い、さらに縁辺を鉄杭を打ち込むことによって押さえつける方法である。

(3)転石帯では放流1年後に平均殻長31.5mmに成長し、歩留まりは47.6%であった。4m2の試験区から24.5kgのアサリが回収された。

(4)平成11年度放流試験から網被せ方式は砂地では減耗が大きく、砂地に石が混在する転石帯で効果が高い結果が得られた。(図1

(5)種苗の成長は春から夏にかけて最も良く(図2)、放流月の異なる試験結果(図3)から水温上昇期に当たる4月放流が最も良いと考えられる。

[成果の活用面・留意点]

(1)人工種苗による母貝集団の形成

(2)天然稚貝の生残率向上への応用

[具体的データ]

図1 砂地と転石帯における網被せ放流の歩留まり(平成11年度試験)

図2 平成12年度放流群の成長

図3 年度別放流群の放流1年後の歩留まり


[その他]

研究課題名(研究期間):アサリ大型稚貝生産技術開発研究(平成7〜9年度)

               アサリ大型種苗放流技術開発事業(平成10〜12年度)

予算区分:県単

研究担当者:木藪仁和

発表論文等:大分県海洋水産研究センタ−浅海研究所事業報告(平成9〜12年度)