低塩分に強いノリ株の作出


[要約]バイテク技術によってノリの葉から取ったプロトプラストを低塩分海水の中で数回選抜することで低塩分耐性株を作出した。この株は室内試験および野外試験によって生長が優れていることが確認された。

福岡県水産海洋技術センター有明海研究所のり養殖課

[連絡先]0944−74−0530 

[推進会議]西海ブロック

[専門]水産遺伝・育種

[対象]のり

[分類]普及


[背景・ねらい]

 有明海のノリ養殖では、昔から生長の良い品種が選抜されてきたため、その生産は数量的には安定している。しかし、筑後川河口のような河川水の影響を大きく受ける漁場では、低塩分により生長が鈍ったり、ノリの葉が変形したりするため収量や品質が低下する。

 そこで、この研究ではバイテク技術によって低塩分耐性株を開発した。

[成果の内容・特徴]

・ノリの葉体から作出したプロトプラストを低塩分中で2回選抜を繰り返し、フリー糸状体として固定した。

・室内試験の結果、これらの作出株のうち60%の海水で2回選抜した株が(図1で60-60と示した。)低塩分条件下で高生長を示すことがわかった。

・今回開発された低塩分耐性株を、昨年若手漁業者に委託して筑後川河口の低塩分漁場で野外試験をした結果、従来株の約1.5倍の生長をすることが確認された。ただし、通常の塩分を示す漁場では生長に差異は認められなかった。

[成果の活用面・留意点]

 本株はフリー糸状体が安定供給できる段階で、低塩分漁場でノリを生産している生産者に対して配布する予定である。

[具体的データ]

図1 室内培養における各系統の生長(60%海水)

図2 室内培養における各系統の生長(70%海水)

図3 野外試験における低塩分耐性株の生長(低塩分漁場)

写真1 冷凍出庫後10日間養殖後の低塩分耐性株(左)と対照株(右)


[その他]

研究課題名:先端技術等地域実用化研究促進事業

予算区分:国庫補助

研究期間:平成9〜14年度

研究担当者:福岡県水産海洋技術センター有明海研究所 福永 剛

発表論文等:特になし