対馬北東海域におけるアカアマダイの年齢・成長および成熟について


[要約]対馬北東海域におけるアカアマダイの資源管理を行うため、年齢成長および成熟について検討した。満年齢時の全長は、雄では2歳24cm、3歳29cm、4歳33cm、雌では2歳23cm、3歳26cm、4歳29cmと推定された。また、雌の成熟期は7〜11月(盛期は9月)と推察された。

長崎県総合水産試験場 漁業資源部 海洋資源科

[連絡先]095-850-6304

[推進会議]西海ブロック

[専門]資源生態

[対象]アカアマダイ

[分類]研究


[背景・ねらい]

 近年対馬北東海域におけるアカアマダイは漁獲量が減少し(図1)、漁獲物のサイズが小型化している。本種の持続的利用のためには、生物学的知見に基づいた資源量推定を行い、資源管理を実施することが必要と考えられる。

 Lim and Misu(1974)は、7〜11月の耳石標本で対馬周辺海域における本種の年齢と成長を検討しているが、耳石の年齢形質としての妥当性および輪紋の形成時期は検証していない。また、当海域では本種の成熟時期を検討した報告がない。精度の高い資源量推定には年齢と成長および成熟等が必要とされるが、これらは資源状態や環境変動等により変化する場合がある。そこで、最近の当海域における本種の年齢と成長および成熟時期を明らかにするため本研究を行った。

[成果の内容・特徴]1998年10月〜1999年10月および2001年10、11月において、毎月当海域で漁獲されるアカアマダイを銘柄別に購入し、全長、体重、生殖腺重量を測定後、耳石を摘出して年齢査定を行い、以下の結果を得た。

(1)耳石輪紋の形成時期・・・縁辺成長率は12〜2月に急激に減少し、3月には最低値を示し、その後は増加傾向を示した。以上より、輪紋は年1回、2〜3月に形成される年輪と推定した。

(2)成熟時期・・・雌のGSIは7〜11月(ピークは9月)に高い値を示し(図2)、この時期には熟卵を有する個体が漁獲された。以上より、成熟時期は7〜11月(盛期は9月)と推察した。

(3)年齢−成長の関係・・・満年齢時における年齢と全長の関係を雌雄別に図3および4に示した。成長は雄の方が早い、その差は成長に伴い増大した。また、本研究とLim and Misu(1974)では成長が相違し、雄は5才まで、雌は4才まで、本研究の成長が上回っていた。また、本研究の成長は、林(1976)による東シナ海産とほぼ一致していた。

[成果の活用面・留意点]

・年齢と成長および成熟に関する知見が得られたことにより、当海域における本種の資源量推定および再生産関係の検討を実施する予定である。

・高齢群(7歳以上)の標本数が少ないことから、雌雄の極限全長が若干小さめに推定された可能性があり、高齢個体に関してより詳細な検討を行う必要がある。

[具体的データ]

図1 上対馬西泊地区のアカアマダイの漁獲量の年変化

図2 雌GSIの経月変化

図3 アカアマダイ雄の全長比較

図4 アカアマダイ雌の全長比較


[その他]

研究課題名:地域資源管理予測技術開発試験

予算区分:県単

研究期間:平成13年度

研究担当者:水田浩二・安元 進・山本憲一

発表論文等:長崎県総合水産試験場研究報告書第28号に投稿予定