パヤオ漁場の流況特性


[要約]効果的なパヤオの配置計画に資するため、耐久性浮魚礁が設置されている沖縄周辺のパヤオ漁場において長期間流向流速を測定し、卓越流向等各漁場の流況特性を把握した.

沖縄県水産試験場漁業室

[連絡先]098-994-3593

[推進会議]西海ブロック

[専門]海洋構造

[対象]海流

[分類]研究


[背景・ねらい]

 海洋構造の変動パターンを解明するには観測ブイを使った長期連続観測が効果的である.また、あるパヤオにマグロ類が多く蝟集するかどうかは設置位置に左右されると言われ、設置位置の決定に流れの情報は有用である.さらに、パヤオ漁業の漁況は流れに大きく影響されため、漁況と海況の関係を解明するには、まず流れを調べなければならない.沖縄周辺主要パヤオ漁場に設置された耐久性浮魚礁(ニライ)は、観測機器の搭載が可能な構造である.このため、各ニライに流速計を取り付け、長期間観測を実施した.

[成果の内容・特徴]

(1)1995年6月〜2001年6月、14基のニライで、78-1325日、延べ5825日間流向流速を測定した.測定層は水深約4m、測定間隔は大部分1時間に1回、一部20分間に1回だった.

(2)パヤオ漁場の流れは、潮流、吹送流、中規模渦、黒潮・黒潮反流の4つに大きく影響されていた.

(3)各ニライ、各年の日平均流を東方・北方成分に分解し図化した(図1にニライ1号の 1995-2000年のデータを合成した図を示した).各ニライ漁場で卓越する流向があることがわかった.

(4)日平均流の流向を8方位に分類し、それぞれの頻度、平均流速を求めた.図2にニライ1号の1995- 2000年の図を示した.

(5)図3表1に、各ニライ漁場の最多流向とその平均流速を示した.ニライ9、12、15号は黒潮、3、7、13、14号は黒潮反流、2、6号は中規模冷水渦、1、8号は黒潮反流と中規模暖水渦の影響を大きく受けていたと想定される.

[成果の活用面・留意点]

(1)ニライ12、13、14、15号では、流向流速・水温・風向風速測定データを通信衛星を使って1時間ごとに研究室で収録しているため、ほぼリアルタイムの海況情報発信が可能である.

(2)各パヤオ漁場の卓越流向・流速は、漁協が新規にパヤオを設置する際有効な情報となる.また、平成13年度より沿岸漁場整備開発事業で設置を開始する中層浮魚礁の配置計画の参考となる.

(3)ニライ5、7、11号等観測日数の短い漁場では、流向流速観測を継続し、より精度の高い情報を得る必要がある.

[具体的データ]

図1 ニライ1号日平均流東西・南北成分

図2 ニライ1号8方位流向頻度・平均流速

図3 ニライ位置と各ニライでの最多流向・その平均流速

表1 観測日数・平均流速・最多流向


[その他]

研究課題名:パヤオ漁場調査・海洋 構造変動パターン解析技術開発試験

予算区分:県単、国庫補助

研究期間 :平成13年度(平成7年〜12年)

研究担当者:鹿熊信一郎・太田格

発表論文等:平成12年度沖水試事報掲載予定