大型クラゲ情報

令和2年9月7日
国立研究開発法人水産研究・教育機構
大型クラゲの出現状況(国内フェリー調査結果等)について-第2報-

1.大型クラゲの出現情報

(1) 東シナ海における調査船による目視調査結果※1

1) 実施期間 令和2年7月21日~23日
2) 結果 東シナ海西部の9地点での出現量(平均密度)0個体/100m2
 昨年同時期の結果(0.011個体/100m2)より少ない。

(2) 対馬海峡における国内フェリー(博多-対馬航路)による目視調査結果※1

1) 実施期間 令和2年8月31日~9月1日
2) 結果 対馬海峡東水道で1個体(傘径60cm)を目撃した。東水道における出現量(平均密度)は0.00003個体/100m2
 対馬海峡東水道の分布密度は、前回(前回(8月18~19日)の結果は0個/100m2
※1.国立研究開発法人水産研究・教育機構及び国立大学法人広島大学・東京海洋大学により構成される「大型クラゲ国際共同調査共同研究機関」が実施。

(3) 日本沿岸水域における出現の確認※2

  • 令和2年6月16日に長崎県対馬市豊浦町志多浦定置網で未同定個体を確認した(2個体、傘径20cm)。その後、6月23日~29日にかけて対馬各地の定置網で少数の未同定個体を確認した(合計7個体、傘径15~40cm)。
  • 令和2年7月6日に長崎県対馬市豆酘埼定置網で出現を確認した(20個体、傘径20~40cm):対馬の定置網で今年初めての出現。
  • 令和2年7月15日に島根県隠岐の島町定置網で出現を確認した(2個体、傘径50cm):隠岐の島の定置網で今年初めての出現。
  • 令和2年7月26日に島根県松江市美保関町定置網で出現を確認した(3~4個体、傘径50~60cm):本州の定置網で今年初めての出現。
  • 令和2年8月5日に石川県輪島市定置網で出現を確認した(1個体、傘径50cm):今年初めて能登半島に到達。
  • 令和2年8月20日に秋田県男鹿市定置網で出現を確認した(1個体、傘径35cm):秋田県の定置網で今年初めての出現。
  • 令和2年8月24日に岩手県久慈市定置網で出現を確認した(8個体、傘径50cm以下):太平洋側の定置網で今年初めての出現。
    • ※2.NPO法人水産業・漁村活性化推進機構の委託を受けて、一般社団法人漁業情報サービスセンターがとりまとめた情報による。
      過去に対馬の定置網で確認された日  
      平成21年 6月30日 日本沿岸水域で大型クラゲが大量出現した年
      平成22年 9月17日 日本沿岸水域で大型クラゲの大量出現がなかった年
      平成23年 9月29日
      平成24年 7月24日
      平成25年 7月26日
      平成26年 8月 6日
      平成27年 9月15日
      平成28年 6月28日
      平成29年 7月 5日
      平成30年 6月12日
      令和元年 6月13日

2.今後の調査計画等

 現在、新型コロナウイルス感染予防対策の一環として東シナ海・黄海及び対馬海峡における国際フェリーが運行されておらず、目視調査が実施できないため、当該海域の分布情報が例年と比べ大きく不足しています。東シナ海中西部においては昨年よりもやや少ない状況ですが、韓国沿岸では黄海起源と考えられる大型クラゲが大量に出現しており※3、黄海における発生量は大きいと考えられます。対馬海峡の東水道(博多~対馬間)においては7月上旬に20個体程度の目撃が報告されましたが、その後増加せず、現在ほぼ収束しています。一方、対馬海峡の西水道(対馬~韓国間)の韓国沿岸では近年最大級の出現が報告されており、大量の大型クラゲが日本海に流入しているものと考えられます。移動予測計算によると、それらの多くが韓国沿岸を北上し日本海の沖合域を通過するため、日本沿岸に接近するものは少ないと考えられます。しかしながら、現在丹後半島北方~佐渡島北方にかけての沖合域にまとまった量の大型クラゲが分布していると推定され、今後の流況の変化によっては日本沿岸域に接近してくる可能性がありますので、今後の推移に注意が必要です。
 今後、引き続き日本周辺海域における大型クラゲの出現状況をモニタリング※4し、出現状況に関する情報提供※5を行ってまいります。

※3.韓国国立水産科学院公開情報
※4.主な大型クラゲ出現状況調査の実施予定(9月~10月)
(調査船による分布調査)
令和2年9月上旬~下旬 日本海中部海域大型クラゲ分布調査

(国内フェリーによる目視調査)
令和2年 9月 中旬 博多−対馬間の国内フェリーによる目視調査
令和2年10月 上旬 博多−対馬間の国内フェリーによる目視調査
令和2年10月 中旬 舞鶴−小樽間、苫小牧-新潟国内フェリーによる目視調査

※5.大型クラゲ出現状況調査の結果については、以下でお知らせしております。
国立研究開発法人 水産研究・教育機構 URL:http://www.fra.affrc.go.jp/kurage/
大型クラゲ関連情報         URL:http://jsnfri.fra.affrc.go.jp/Kurage/kurage_top.html

本件照会先:
国立研究開発法人 水産研究・教育機構
水産資源研究所 企画調整部門 森永・児玉 TEL 045-788-7970/7964
水産資源研究所 水産資源研究センター 海洋環境部 渡邊 TEL 025-228-0587