大型クラゲ情報

令和3年9月21日
国立研究開発法人水産研究・教育機構
大型クラゲの出現状況(国内フェリー調査結果等)について-第2報-

1.大型クラゲの出現情報

(1) 東シナ海における調査船による目視調査結果※1

① 実施期間 令和3年7月26日~8月1日
  結果 東シナ海西部の9地点での出現量(平均密度)0.018個体/100m2
 昨年同時期の結果(0個体/100m2)より多い。

(2) 対馬海峡における国内フェリー(博多-対馬航路)による目視調査結果※1

① 実施期間 令和3年7月6日~7日
  結果 対馬海峡東水道で50個体(傘径20~60cm)を目撃した。東水道における出現量(平均密度)は0.00126個体/100m2

 昨年同期の結果(東水道で0.00053個体/100m2)より多い。
② 実施期間 令和3年7月20日~21日
  結果 対馬海峡東水道で26個体(傘径50~150cm)を目撃した。東水道における出現量(平均密度)0.00066個体/100m2
 昨年同期の結果(東水道で0.00005個体/100m2)より多い。
③ 実施期間 令和3年8月17日~18日
  結果 対馬海峡東水道で7個体(傘径40~60cm)を目撃した。東水道における出現量(平均密度)0.00018個体/100m2
 昨年同時期の結果(東水道で0個/100m2)より多い。
④ 実施期間 令和3年8月17日~18日
  結果 対馬海峡東水道で29個体(傘径30~80cm)を目撃した。東水道における出現量(平均密度)0.00071個体/100m2
 昨年同時期の結果(東水道で0個/100m2)より多い。
⑤ 実施期間 令和3年8月31日~9月1日
  結果 対馬海峡東水道で9個体(傘径60~80cm)を目撃した。東水道における出現量(平均密度)0.00023個体/100m2
 昨年同時期の結果(東水道で0.00003個/100m2)より多い。
⑥ 実施期間 令和3年9月11日~12日
  結果 対馬海峡東水道で1個体(傘径60cm)を目撃した。東水道における出現量(平均密度)0.00003個体/100m2
昨年同時期の結果(東水道で0.00159個/100m2)より少ない。

(3) 隠岐海峡における国内フェリー(七類-西郷航路)による目視調査結果※1

① 実施期間 令和3年7月20日
  結果 隠岐海峡で13個体(傘径30~70cm)を目撃した。隠岐海峡における出現量(平均密度)0.00093個体/100m2
 隠岐海峡の調査は今年度から開始した。
② 実施期間 令和3年8月4日~5日
  結果 隠岐海峡で29個体(傘径30~60cm)を目撃した。隠岐海峡における出現量(平均密度)0.00209個体/100m2

③ 実施期間 令和3年8月20日
  結果 隠岐海峡で336個体(傘径30~100cm)を目撃した。隠岐海峡における出現量(平均密度)0.0237個体/100m2

④ 実施期間 令和3年8月31日
  結果 隠岐海峡で107個体(傘径40~100cm)を目撃した。隠岐海峡における出現量(平均密度)0.00762個体/100m2

⑤ 実施期間 令和3年9月12日
  結果 隠岐海峡で73個体(傘径50~100cm)を目撃した。隠岐海峡における出現量(平均密度)0.00522個体/100m2

※1.国立研究開発法人水産研究・教育機構及び国立大学法人広島大学・東京海洋大学により構成される「大型クラゲ国際共同調査共同研究機関」が実施。

(4) 日本沿岸水域における出現の確認※2

  • 令和3年6月15日に長崎県対馬市豊玉町廻定置網で未同定個体を確認した(1個体、傘径40cm)。その後、6月16日~18日にかけて対馬各地の定置網で少数の未同定個体を確認した(合計5個体、傘径20~30cm)。
  • 令和3年6月24日に長崎県対馬市美津島町高浜定置網で同定個体を確認した(1個体、傘径35cm):対馬の定置網で今年初めての出現。
  • 令和3年6月27日に長崎県壱岐市芦辺町箱崎定置網で出現を確認した(1個体、傘径30cm):壱岐の定置網で今年初めての出現。
  • 令和3年6月28日に長崎県対馬市豊玉町志多浦定置網で出現を確認した(50個体、傘径30cm):今年初めての50個体以上の出現。
  • 令和3年7月2日に長崎県対馬市対馬町西泊定置網で多数の出現を確認した(300個体、傘径30~60cm):今年初めての100個体以上の出現。
  • 令和3年7月23日~25日に島根県隠岐郡西ノ島定置網で出現を確認した(2~3個体、傘径70cm):隠岐の島の定置網で今年初めての出現。
  • 令和3年8月12日に島根県隠岐郡五箇定置網で多数の出現を確認した(150個体、傘径60cm):隠岐の島の定置網で今年初めての100個体以上の出現。
  • 令和3年8月27日に石川県輪島市門前定置網で出現を確認した(3個体、傘径不明):今年始めて能登半島突端に到達。
    • ※2.NPO法人水産業・漁村活性化推進機構の委託を受けて、一般社団法人漁業情報サービスセンターがとりまとめた情報による。
      過去に対馬の定置網で確認された日
      平成21年 6月30日 日本沿岸水域で大型クラゲが大量出現した年
      平成22年 9月17日 日本沿岸水域で大型クラゲの大量出現がなかった年
      平成23年 9月29日
      平成24年 7月24日
      平成25年 7月26日
      平成26年 8月 6日
      平成27年 9月15日
      平成28年 6月28日
      平成29年 7月 5日
      平成30年 6月12日
      令和元年 6月13日
      令和2年 6月16日

2.今後の調査計画等

 現在、新型コロナウイルス感染予防対策の一環で東シナ海・黄海及び対馬海峡における国際フェリーが運行されておらず、目視調査が実施できないため、当該海域の分布情報が例年と比べ大きく不足しています。その代替として、対馬海峡東水道(博多~対馬間)及び隠岐海峡(七類~西郷)における国内フェリー目視調査を実施しています。
 東シナ海の7月の調査船調査においては、昨年よりも増加しましたが平年並みの出現量でした。対馬海峡東水道においては、7月~8月に20個体を超える出現が何度か見られましたが、9月にはほぼ収束しています。一方、対馬沿岸においては、7月から9月にかけて断続的に数100個体を超える大量出現が確認されており、韓国の情報によると韓国沿岸では昨年とほぼ同様の大量出現が7月~8月に見られていることから、対馬海峡西水道を中心に大量の大型クラゲが日本海に流入していると考えられます。
 日本海沿岸域においては、8月上旬までそれほど多くの出現は確認されませんでしたが、8月中旬に隠岐海峡・隠岐諸島周辺海域に数100個体を超える大量の大型クラゲが出現しました。これらのクラゲは、対馬暖流沖合分枝などの流れにより韓国沿岸域から接近したものと推測されます。その後、対馬暖流沿岸分枝に沿って丹後半島、若狭湾などの日本沿岸を東進し、8月下旬に能登半島突端に達しています。今後は、富山県以北の日本海沿岸域、青森県、岩手県などの津軽暖流域、北海道西岸域などにクラゲが出現する可能性があり、今後の推移に注意が必要です。
 8月中旬の隠岐諸島周辺での目撃情報を基に日本海における移動予測計算を行った結果では、大型クラゲの分布の先端はその後実際に確認されたとおり8月下旬に能登半島に到達し、9月下旬に津軽海峡に達することが予測されています。また、若狭湾内には長期間にわたりクラゲが留まる可能性があります。
 今後、引き続き日本周辺海域における大型クラゲの出現状況をモニタリング※3し、出現状況に関する情報提供※4を行ってまいります。

※3.主な大型クラゲ出現状況調査の実施予定(9月中旬~10月下旬)
(調査船による分布調査)
令和3年9月中旬~下旬 日本海中部海域大型クラゲ分布調査

(国内フェリーによる目視調査)
令和3年9月 下旬 舞鶴−小樽間の国内フェリーによる目視調査
令和3年10月 上旬 博多−対馬間の国内フェリーによる目視調査
令和3年10月 上旬 舞鶴−小樽間の国内フェリーによる目視調査
令和3年10月 下旬 舞鶴−小樽間の国内フェリーによる目視調査

※4.大型クラゲ出現状況調査の結果については、以下でお知らせしております。
国立研究開発法人 水産研究・教育機構 URL:http://www.fra.affrc.go.jp/kurage/
大型クラゲ関連情報         URL:http://jsnfri.fra.affrc.go.jp/Kurage/kurage_top.html

本件照会先:
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水産資源研究所 企画調整部門 亀田・児玉 TEL 045-788-7970/7964
水産資源研究所 水産資源研究センター 海洋環境部 渡邊 TEL 025-228-0587