大型クラゲ情報

平成24年7月18日
独立行政法人水産総合研究センター
大型クラゲの出現と予測について(第2報)

1.大型クラゲの出現状況

 7月16日に石川県七尾市鹿渡島の定置網で、大型クラゲの入網が確認されました。今年度に我が国周辺水域で大型クラゲが確認されたのは、今回が初めてとなります。
 日本-中国間を航行する国際フェリーを使った目視調査により、7月4日~10日に黄海(済州島北沖~中国青島沖)および東シナ海北部(済州島南沖)を中心に大型クラゲの出現が認められ、韓国南西沖~済州島北沖では高密度の分布を確認しました。現時点での出現量は、我が国沿岸で大型クラゲが大量出現した平成21(2009)年に比べると少ないものの(黄海全域での百平米あたり平均密度:平成21年2.29個体、今年0.44個体)、昨年(平均密度0.05個体)および一昨年(同0.0006個体)よりは非常に多い状況です。


2.大型クラゲ出現予測について

 7月8日~10日の黄海における国際フェリー目視調査の結果を初期条件として,水産総合研究センターおよび気象庁の海況予測モデル1)2)の流況結果を用いて、大型クラゲの出現予測計算を行いました。その結果、韓国南西沖~済州島北沖で確認された濃密群は、7月20日前後に対馬海峡を通過し始め、その後も継続して出現する可能性が示されました。
 大型クラゲ国際共同調査共同研究機関3)では、大型クラゲによる漁業被害の低減を図るため、大型クラゲの出現状況調査4)を引き続き実施するとともに、関係の皆様に迅速な情報提供を行ないます。7月下旬~8月中旬にかけて複数の調査船調査および国際フェリー目視調査を実施し5)、これらの調査結果により新たな情報を提供していく予定です。また、これらの調査結果に基づいて、出現予測を適宜試みます。

(参考)

1)水産総合研究センターの海況予測モデル(FRA-ROMS):

 http://fm.dc.affrc.go.jp/

2)気象庁の海洋大循環モデル(MOVE/MRI.COM):

 http://www.data.kishou.go.jp/db/kaikyo/knowledge/model.html

3)大型クラゲ国際共同調査共同研究機関について

 平成24年度水産庁補助事業「大型クラゲ国際共同調査」を共同連帯して実施することを目的に、独立行政法人水産総合研究センター、独立行政法人水産大学校、国立大学法人広島大学、国立大学法人山形大学、国立大学法人名古屋大学の5機関から構成されています。

4)大型クラゲ出現状況調査について

 東シナ海において、調査船による大型クラゲ分布調査および国際フェリー航路(日本-中国間、日本-韓国間)における大型クラゲ目視調査を実施します。さらに、大型クラゲによる漁業被害が頻発する夏季から秋季にかけて、的確な大型クラゲ出現情報の提供を行うため、日本海沿岸各府県の協力を得て、日本海における大型クラゲ出現状況調査を行う予定です。

5)平成24年7月下旬~8月中旬に予定されている大型クラゲ出現状況調査について
(調査船による分布調査)
  • 平成24年7月11日~27日:陽光丸(西海水研)による東シナ海大型クラゲ分布調査
  • 平成24年7月15日~31日:用船による対馬近海域大型クラゲ分布調査(水工研)
  • 平成24年7月18日~28日:長崎丸(長崎大学)による対馬近海~九州西方海域大型クラゲ分布調査
  • 平成24年7月27日~8月3日:豊潮丸(広島大学)による対馬近海域大型クラゲ分布調査
  • 平成24年7月下旬:くろしお(山口水セ)、島根丸(島根水セ)、第一鳥取丸(鳥取水試)による大型クラゲ分布一斉調査
(国際フェリーによる目視調査)
  • 平成24年7月下旬:日本-中国間の国際フェリーによる目視調査
  • 平成24年8月上旬:日本-中国間の国際フェリーによる目視調査
  • 平成24年7月下旬:日本-韓国間の国際フェリーによる目視調査
  • 平成24年8月中旬:日本-韓国間の国際フェリーによる目視調査

本件照会先:
独立行政法人水産総合研究センター
日本海区水産研究所 資源環境部長 加藤 TEL 025-228-0587
研究推進部研究主幹 中田 TEL 045-227-2646
西海区水産研究所 特任部長 渡邉 TEL 095-860-1650