大型クラゲ情報

平成24年8月30日
独立行政法人水産総合研究センター
大型クラゲの出現と予測について(第4報)

1.大型クラゲの出現状況

 日本-中国間を航行する国際フェリーを使った目視調査により、8月22日~26日に黄海中央部~西部および済州島南沖において大型クラゲの出現が認められました(台風の影響により黄海中央部~東部では欠測)。黄海中央部~西部での出現量は、前回の調査時(8月8日~10日)より多く(百平米あたり平均密度:前回0.28個体、今回0.50個体)、黄海には依然として多くの大型クラゲが分布している模様です。また、8月中・下旬に実施した対馬海峡での国際フェリーおよび調査船による目視調査では、対馬北部周辺海域を中心に大型クラゲの出現が認められました。一方、漁業情報サービスセンター(JAFIC)情報1)によりますと、8月8日に隠岐北沖、8月16日に能登西岸で大型クラゲの出現が確認され、8月中旬以降対馬および隠岐周辺で出現量が増加するとともに、九州西方の底曳漁場でも大型クラゲの出現が認められています。なお、九州北岸~山陰西部沿岸域では、大型クラゲの出現は現在のところ非常に少ない状況です。


2.大型クラゲの移動予測について

・黄海~東シナ海で出現している大型クラゲの移動予測
 8月中旬に、九州西方の底曳漁場で大型クラゲの分布が確認されていることに基づき、水産総合研究センターおよび気象庁の海況予測モデル2)3)の流況結果を用いて、これらの分布群の移動予測計算を行いました。その結果、当海域に分布している大型クラゲは、9月上旬以降、対馬海峡西水道に加えて東水道からも日本海に流入する可能性が示されました。一方、8月下旬に黄海中央部~西部で確認された大型クラゲについては、今後引き続き黄海内部に滞留する可能性が示されました。

・対馬海峡で出現している大型クラゲの移動予測
 7月中旬以降、主に対馬海峡西水道で大型クラゲの出現が確認されていることに基づき、日本海海況予測システム(JADE)4)を用いて、日本海における大型クラゲの移動予測計算を行いました。その結果、同海峡西水道から日本海に流入した大型クラゲのうち、8月中旬に能登西岸周辺に分布したものについては、その後沖合域を北上し、9月上旬頃に男鹿半島西方の沖合に達する可能性が示されました。

 大型クラゲ国際共同調査共同研究機関5)では、大型クラゲによる漁業被害の低減を図るため、大型クラゲの出現状況調査6)を引き続き実施するとともに、関係の皆様に迅速な情報提供を行います。9月上旬~9月下旬にかけて複数の調査船調査および国際フェリー目視調査を実施し7)、これらの調査結果により新たな情報を提供していく予定です。また、これらの調査結果に基づいて、移動予測を適宜試みます。

(参考)

1)漁業情報サービスセンター(JAFIC)の大型クラゲ出現情報:

  http://www.jafic.or.jp/kurage/index.html

2)水産総合研究センターの海況予測モデル(FRA-ROMS):

 http://fm.dc.affrc.go.jp/

3)気象庁の海洋大循環モデル(MOVE/MRI.COM):

 http://www.data.kishou.go.jp/db/kaikyo/knowledge/model.html

4)日本海海況予測システム(JADE):

 http://jade.dc.affrc.go.jp/jade/

5)大型クラゲ国際共同調査共同研究機関について

 平成24年度水産庁補助事業「大型クラゲ国際共同調査」を共同連携して実施することを目的に、独立行政法人水産総合研究センター、独立行政法人水産大学校、国立大学法人広島大学、国立大学法人山形大学、国立大学法人名古屋大学の5機関から構成されています。

6)大型クラゲ出現状況調査について

 対馬海峡~日本海において調査船による大型クラゲ分布調査を実施するとともに、国際フェリー航路(日本-中国間、日本-韓国間)における大型クラゲ目視調査を実施します。また、大型クラゲによる漁業被害が頻発する夏季から秋季にかけて、的確な大型クラゲ出現情報の提供を行うため、日本海沿岸各府県の協力を得て、日本海における大型クラゲ出現状況調査を行う予定です。

7)平成24年9月上旬~9月下旬に予定されている大型クラゲ出現状況調査について
(調査船による分布調査)
  • 平成24年9月7日~23日:開洋丸(水産庁)による大型クラゲ分布調査(対馬海峡~日本海西部)
  • 平成24年9月下旬~10月上旬:たじま(但馬水セ)、平安丸(京都水セ)、福井丸(福井水試)、白山丸(石川水セ)、立山丸(富山水研)による大型クラゲ分布一斉調査
(国際フェリーによる目視調査)
  • 平成24年9月中旬:日本-韓国間の国際フェリーによる目視調査
  • 平成24年9月中旬:日本-中国間の国際フェリーによる目視調査
  • 平成24年9月下旬:日本-韓国間の国際フェリーによる目視調査

本件照会先:
独立行政法人水産総合研究センター
研究推進部研究主幹 中田 TEL 045-227-2646
日本海区水産研究所 資源環境部長 加藤 TEL 025-228-0587
西海区水産研究所 特任部長 渡邉 TEL 095-860-1650