大型クラゲ情報

平成24年10月4日
独立行政法人水産総合研究センター
大型クラゲの出現と予測について(第6報)

1.大型クラゲの出現状況

 日本-中国間を航行する国際フェリーを使った目視調査により、9月22日~25日に黄海、東シナ海および対馬海峡で大型クラゲの出現が認められました。黄海では大型クラゲが依然として広範囲に分布するものの、分布密度(百平米あたり平均密度0.07個体)は低下しています(9月8日~10日における平均密度は0.16個体、ただし調査区間は異なる)。9月25日に実施した対馬海峡での国際フェリーによる目視調査では、東水道中央部および韓国沿岸付近を中心に大型クラゲの出現が認められましたが、出現量は9月11日の調査と同様少ない状況です。また、大型クラゲ採集用トロール網を用いた水産庁・開洋丸による調査では、採集数は多くはないものの対馬海峡~山口県沖で出現が確認され、対馬海峡では他海域より多くの個体が目視されました。一方、漁業情報サービスセンター(JAFIC)情報1)によりますと、9月下旬に北海道渡島半島沿岸および青森県津軽半島沿岸において大型クラゲの出現が確認されるとともに、能登以西海域では引き続き出現が認められています。しかし、これまでのところ1000個体レベルのまとまった出現は報告されていません。


2.大型クラゲの移動予測について

 9月下旬に対馬海峡~日本海西部で実施した大型クラゲ分布調査で、対馬海峡への大型クラゲの流入が引き続き確認されたことから、日本海沿岸での大型クラゲの出現は今後も継続すると考えられます。

 また、9月下旬に津軽海峡で大型クラゲの出現が確認されたことから、今後は三陸沿岸においても大型クラゲが出現する可能性があります。

 大型クラゲ国際共同調査共同研究機関2)では、大型クラゲによる漁業被害の低減を図るため、大型クラゲの出現状況調査3)を引き続き実施するとともに、関係の皆様に迅速な情報提供を行います。10月中旬~11月上旬にも複数の調査船調査と国際フェリー目視調査を実施し4)、これらの調査結果をもとに新たな情報を提供していく予定です。また、これらの調査結果にもとづいて、適宜、出現予測を試みます。

(参考)

1)漁業情報サービスセンター(JAFIC)の大型クラゲ出現情報:

  http://www.jafic.or.jp/kurage/index.html

2)大型クラゲ国際共同調査共同研究機関について

 平成24年度水産庁補助事業「大型クラゲ国際共同調査」を共同連携して実施することを目的に、独立行政法人水産総合研究センター、独立行政法人水産大学校、国立大学法人広島大学、国立大学法人山形大学、国立大学法人名古屋大学の5機関から構成されています。

3)大型クラゲ出現状況調査について

 東シナ海~日本海において調査船による大型クラゲ分布調査を実施するとともに、国際フェリー航路(日本-中国間、日本-韓国間、韓国-中国間)における大型クラゲ目視調査を実施します。また、大型クラゲによる漁業被害が頻発する夏季から秋季にかけて、大型クラゲ出現情報の的確な提供を行うため、日本海沿岸各府県の協力を得て、日本海における大型クラゲ出現状況調査を行う予定です。

4)平成24年10月中旬~11月上旬に予定されている大型クラゲ出現状況調査について
(調査船による分布調査)
  • 平成24年10月5日~29日:第五開洋丸(日本海洋株式会社)による大型クラゲ分布調査(太平洋三陸沖~津軽海峡~日本海)
  • 平成24年10月6日~22日:天鷹丸(水産大学校)による大型クラゲ分布調査(東シナ海~日本海南西部)
  • 平成24年10月9日~23日:陽光丸(西海水研)による大型クラゲ分布調査(東シナ海~対馬海峡)
  • 平成24年10月下旬~11月上旬:越路丸(新潟水研)、最上丸(山形水試)、千秋丸(秋田水セ)、青鵬丸(青森産セ)による大型クラゲ分布一斉調査
(国際フェリーによる目視調査)
  • 平成24年10月中旬:日本-中国間の国際フェリーによる目視調査
  • 平成24年10月下旬:日本-韓国間の国際フェリーによる目視調査
  • 平成24年11月上旬:日本-韓国間の国際フェリーによる目視調査

本件照会先:
独立行政法人水産総合研究センター
研究推進部研究主幹 中田 TEL 045-227-2646
日本海区水産研究所 資源環境部長 加藤 TEL 025-228-0587
西海区水産研究所 特任部長 渡邉 TEL 095-860-1650