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        おさかな通信 (水研センターメールマガジン)
 
          第 11 号     平成17年8月10日                      
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 読者の皆様、残暑お見舞い申し上げます。
 夏休みシーズンですが、皆様はこのメールをどちらでご覧になってい
るのでしょう?
 高原の避暑地で・・・。う〜ん、うらやましい! 海外で・・・。すっ、すごい!
 帰省先で・・・。お帰りはくれぐれもお気を付けてお帰りください。
 夏休みがこれからの方、今週末から来週初めにかけて、高速道路の渋
滞予測がピークとなっておりますので、時間と心に余裕を持ってお出掛
ください。
 
 
  
【目次】
 
 ◆シリーズ        「栽培漁業のさかなたち」を連載中
 ◆調査船運航状況   今回は水研センター船4隻の紹介です
 ◆イベント情報       成果発表会や研究所一般公開のお知らせ  
 ◆ローカル便り      各部・各研究所の最新情報です
 ◆編集後記        担当者のひとりごと
 ◆配信手続き       配信停止・配信先変更等
 
 
 
【シリーズ】
 
 栽培漁業のさかなたち−3  クルマエビ
 
 シリーズ第3回は、エビ天やエビフライ、刺身、塩焼きなど、いろい
ろな料理にして美味しいクルマエビです。腹にある縞模様のため、腰を
曲げた姿が車輪のように見えることから「車えび」と呼ばれるようにな
ったと言われています。英語では、この縞模様を虎に見立ててJapanese
Tiger Shrimpとも呼ばれます。
 
 クルマエビは日本にしかいないと思っている人も多いかも知れません
が、西は地中海・紅海・東アフリカから東は東南アジア全域までの広い
範囲に生息しています。日本では、日本海側の青森県以南、太平洋側の
仙台湾以南の主に砂地の浅い海に生息しています。夜行性で、昼間は砂
の中に潜ってじっとしており、夜になると這い出してゴカイや貝などの
小動物を食べます。寿命は3年程度とされていますが、主に漁獲される
のは1年〜2年物で、養殖の場合はほぼ1年以内に出荷されています。
 成長は水温に大きく左右されますが、通常1歳で平均体長が16cm、
2歳で21cm、3歳で24cmとなります。また、雌の方が大きくなり、
体長20cmを超えるエビはほとんどが雌です。
 
 クルマエビは主に底引き網や刺し網で漁獲されますが、漁業とともに
塩田の跡地などを利用した養殖も盛んです。あまり知られていないこと
ですが、クルマエビは日本で唯一、商業ベースで養殖が行われているエ
ビなのです。また、養殖物と天然物の味が余り変わらず、外見での区別
もつきにくいことから、天然物と養殖物の価格差がほとんど無い数少な
い水産物のひとつです。
 
 全国の漁獲量は、平成10年までは2,000トン以上ありましたが、
現在は1,000トン余りまで減少しています。漁獲量としては決して
多い量ではなく、全国のエビ類の漁獲量の1割以下に過ぎません。養殖
エビも含めた生産量は3,000トン前後となり、エビ類全体の生産量
の1/7ほどになります。
 
 クルマエビの種苗生産の技術は、昭和30年代の終わりに確立され、
100万尾単位の種苗を生産することが可能となりました。その後、種
苗量産の技術開発が水産総合研究センター栽培漁業センターの前々身で
ある社団法人瀬戸内海栽培漁業協会で主に行われ、45年には生産量が
1億尾を超えることができました。これを契機に種苗生産を行う機関が
増加して生産量も増加し、現在、全国の放流用種苗の生産量は2億尾近
く、放流量は1.5億尾ほどで推移しています。種苗生産量・放流量と
も近年減少傾向にあり、その原因は様々ですが、放流効果が十分に解明
されていないことも原因の一つと考えられています。エビ・カニなどの
甲殻類は標識を付けても脱皮によって外れてしまうため、放流後の調査
が難しいことや、クルマエビが意外に広い範囲を移動することが放流効
果の解析を困難にしていました。しかし近年では尾肢切除(尻尾の一部
を切り取る)標識という効果的な標識が開発されるとともに、複数の府
県がまとまって共同放流調査を行っており、成果が期待されます。
 
 クルマエビの漁獲量は減少傾向にあるところが多く、今後も種苗放流
の充実が望まれています。そのために、各地域で放流効果を明らかにし、
関係者が一丸となってクルマエビ資源の維持・増大を目指すことが必要
なのです。
 
 
 
【調査船運航状況】   
 
 ◆探海丸(北海道区水産研究所)は、8月19日から9月8日まで、
  北海道から三陸太平洋海域において、スルメイカ・アカイカ等の北
  上回遊群を対象として、分布・回遊経路・成長を把握し、資源評価
  及び漁海況予測の精度向上を目的に調査航海を行います。
 
  探海丸の詳細 → http://hnf.fra.affrc.go.jp/youran/tankai-w.html
 
 
 ◆蒼鷹丸(中央水産研究所)は、8月19日から9月1日まで、本州
  南方黒潮域において、黒潮内外域の海洋構造等や温暖化がプランク
  トン生態系に及ぼす影響の把握などを目的に調査航海を行います。
 
  蒼鷹丸の詳細 → http://nrifs.fra.affrc.go.jp/intro/sosiki/soyo.htm
 
 
 ◆陽光丸(西海区水産研究所)は、8月24日から9月12日まで、
  九州西岸域から対馬海峡において、イワシ類・アジ類・サバ類など
  の浮魚類の分布と現存量の把握や、それらの稚仔魚及び動物プラン
  クトンの分布を把握する目的に調査航海を行います。
 
  陽光丸の詳細 
   → http://snf.fra.affrc.go.jp/cont01/yokomaru/yokomaru.html
 
 
 ◆俊鷹丸(遠洋水産研究所)は、8月23日から9月12日まで、房
  総沖から三陸沖において、マッコウクジラを対象に鯨類探知用パッ
  シブソナー及び船底搭載型水中マイクによる音響調査を行い、高精
  度な資源量を把握し、適切な資源評価に役立てることを目的に調査
  航海を行います。
 
  俊鷹丸の詳細 → http://fsf.fra.affrc.go.jp/sosiki/sosiki.htm
 
 
 
【イベント情報】  
 
 ◆水産総合研究センター第3回成果発表会
 
  今年は皆様の関心が高い「さかなの安全、安心」をテーマに、以下
 のとおり第3回成果発表会を開催します。
  当センター第一線の研究者が、水産物の生産から消費までを対象と
 して進めている調査研究の成果をわかりやすくご紹介いたしますので、
 皆様お誘い合わせの上ご参加頂きますようご案内いたします。   
  なお、入場は無料ですが、座席の都合により定員になり次第、また
 8月17日にてお申し込み受付を終了いたしますので、ご興味のある
 方はお早めにお申し込みください。
 
  日 時  平成17年8月30日(火) 13:00〜16:00
  場 所  津田ホール(東京都渋谷区千駄ヶ谷:JR総武線千駄ヶ谷駅前)
 
   詳細はこちら →  http://www.fra.affrc.go.jp/seika/index.html 
 
 
 
★平成17年度水研センター「一般公開」のご案内
 
  今回も、一般公開をご案内します。(10月以降開催される研究所
 は、次号以降でご案内いたします)
  もちろん入場は無料です。お近くの水産研究所が、日頃どんな仕事
 をしているのか、百聞は一見にしかず! ぜひお越し下さい。
 
  ◆日本海区水産研究所一般公開
 
 開催日  平成17年9月17日(土) 10:00〜15:00
 場 所  日本海区水産研究所(新潟県新潟市水道町1-5939-22) 
 アクセスマップ  http://jsnfri.fra.affrc.go.jp/newtrafic.html
 入場料  無料
 テーマ  「日本海のなぞを探る・・・日本海をおやつにお茶しませんか・・・」
 概 要 ★スルメイカの解剖
      ★日本海の魚
      ★海洋観測測器,プランクトン採集具の展示
      ★すいさん 小ネタ パラダイス
      ★ロープワーク教室
 お問合せ 電話 025-228-0469  メールアドレス fra-jki@ml.affrc.go.jp
 
 
 夏休みの宿題はもうお済みですか? 前号でもご案内しましたが、今
からでも間に合う研究所もございますので、何か宿題のヒントになるも
のがそこにはあるかも!
 
  ◆養殖研究所南勢庁舎一般公開
 
 開催日  平成17年8月27日(土) 10:00〜15:00
 場 所  養殖研究所南勢庁舎(三重県度会郡南勢町中津浜浦422−1)  
 アクセスマップ  http://nria.fra.affrc.go.jp/nansei.html
 入場料  無料
 テーマ  「地球環境とさかな」
 概 要 ★海藻のしおり作り
      ★顕微鏡観察
      ★金魚すくい
      ★タッチプール
      ★ミニ水族館
      ★五ヶ所湾クルージング(天候により中止の場合あり)
 詳細はこちら →  http://nria.fra.affrc.go.jp/koukai05.html
 お問合せ 電話 0599-66-1830  メールアドレスkiren-nria@ml.affrc.go.jp
 
 
 
【ローカル便り】  
 
 ◆ズワイガニ稚ガニの生産尾数の最多記録を更新(栽培漁業センター)
 
  越前ガニや松葉ガニなどとも呼ばれ、高級食材として珍重されるズ
 ワイ ガニの稚ガニ生産に取り組んでいる小浜栽培漁業センターでは、
 平成17年度に従来最多記録であった平成15年度の1.3倍に当た
 る8,886尾の生産に成功しました。
  しかし、稚ガニに育つまでの生残率を向上させる課題が残っていま
 すので、今後とも安定生産に向けて技術開発に邁進します。
 
 詳細はこちら → 
 http://ncse.fra.affrc.go.jp/00kenkyu/001topics/060topics_072.html
 
 ◆今年もサワラの量産に成功し、放流を行いました(栽培漁業センター)
 
  西京漬け等でお馴染みのサワラですが、1986年のピーク時には
 6千トン以上の水揚げ量がありました。しかし、高性能な漁具の普及
 や、未成魚を漁獲する秋漁が始まったことなどから乱獲が進み、
 1998年にはわずか196トンまで漁獲量が減少しました。そのた
 め1998年から屋島栽培漁業センターで、2002年から伯方島栽
 培漁業センターで、それぞれサワラの種苗生産技術開発を開始し、今
 年度は6月22日に9〜12cmに育った種苗を、瀬戸内海東部海域で
 10.1万尾、西部海域では4.1万尾の放流を行いました。
 
 詳細はこちら → 
 http://ncse.fra.affrc.go.jp/00kenkyu/001topics/060topics_073.html
 
 
 ◆第3回国際漁業者フォーラム・国際漁業者会議で報告(遠洋水研)
 
  当センター遠洋水産研究所混獲生物研究室の研究者が、7月25日
 〜28日に横浜グランドインターコンチネンタルホテルで行われた
 「第3回国際漁業者フォーラム」および「責任あるまぐろ漁業に向け
 た国際漁業者会議」で、サメ・海鳥・海亀のまぐろはえ縄漁業での混
 獲の実態や混獲を回避する手法に関する日頃の研究成果を発表しまし
 た。
  会議には28カ国から2,433名の漁業者・消費者・科学者・行
 政官・民間会社・地域及び国際機関などの関係者が参加し、世界中の
 マグロとその漁業を取り巻くいろいろな問題について発表・論議が行
 われました。最後には、ルールにのっとった責任のあるまぐろ漁業を
 行っていくための「横浜宣言」が発表されました。主催は、米国西太
 平洋漁業管理委員会(http://www.wpcouncil.org/) と社団法人責任あ
 るまぐろ漁業推進機構(OPRT) (http://www.oprt.or.jp/)でした。
 (両機関の説明は各HPをご覧ください)
 
 
 ◆有明海奥部の貧酸素水塊の発生状況をリアルタイムで配信中!!(西海水研)
 
  水産総合研究センター西海区水産研究所は、有明海における貧酸素
 水塊の発生機構解明、発生予察及び漁業被害防止対策のため、16年
 度から水産庁委託調査及び環境省請負調査として、「有明海貧酸素水
 塊広域連続観測」を実施しています。17年度は6月1日から9月末
 まで連続観測中で、ホームページを設けて観測データをリアルタイム
 に公表中です。
  なお、本観測は九州農政局の観測とも共同して実施中です。
 
  データ公表のホームページは 
        → http://www.ariake-do.jp/ariake/top.html
  携帯電話では → http://ariake-do.jp/ariake/i_mode/
 
 
 ◆クロマグロ産卵場調査とあわせて大型クラゲ調査を行っています(遠洋水研)
 
  遠洋水産研究所では、太平洋クロマグロ調査を西海区水産研究所の
 陽光丸により実施しています(7月29日〜8月8日)。
  クロマグロはホンマグロとも呼ばれ、まぐろ類の中でも最高級とさ
 れる種です。本種については日本が漁獲の中心となっており、また沖
 縄周辺に主要産卵場があり、さらに近年では養殖にも成功し、日本が
 資源・生態研究の主導的立場を担っています。
  今回は島根県から富山県沖の日本海で、クロマグロの産卵生態と生
 まれた仔稚魚の栄養状態等を調査しています。同時に、今年も出現す
 る兆しの見えている大型クラゲについて、急遽、目視やクラゲ採集を
 実施することとし、今後の大型クラゲ来遊状況の把握に役立たせる調
 査を行っています。
 
 
 
【編集後記】 
 
 今日は8月10日。8(ハッ)10(ト)で帽子の日だそうです。
 この時期の外出に帽子は必需品ですね。小生も若かりし頃から帽子の
愛用者で、休日はどこへ行くにも被っております。
 髪の資源が豊富だった頃は、整髪する手間を帽子でカバーしておりま
したが、資源管理を怠った現在では、違う意味でお世話になってます。
 昔のコマーシャルで、髪は「なが〜いお友達」とのフレーズで漢字を
覚えたものですが、今では帽子がなが〜いお友達になっています。
 
 
 
【配信手続き】
 
 配信停止、配信先変更等は下記URLにて手続き願います。
 また、ご意見・ご感想等も、どしどしお寄せください。
  
  配信解除、配信先変更等 
    → http://www.fra.affrc.go.jp/mail/index.html
 
  ご意見・ご感想等  → www@fra.affrc.go.jp
 
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