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        おさかな通信 (水研センターメールマガジン)
 
          第 14 号     平成17年11月9日                      
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 読者の皆様、いよいよ秋も深まり、日が沈むのが早くなったとしみじみ
感じる季節となりましたが、いかがお過ごしでしょうか?
 
 気が付けば今年も残すところあと2カ月足らずとなり、時の経つのがこ
んなに早いものだったのかとあらためて感じますね。
 
 12月になれば年末の行事が目白押しとなり、今以上に気ぜわしくなり
ますので、「これをやろう!」と思ったことは今のうちに片付けてしまいま
しょうね。
 
 
 
【目次】
 
 ◆シリーズ          「栽培漁業のさかなたち」を連載中
 ◆調査船運航状況     今回は水研センター船2隻の紹介です
 ◆お知らせ          おさかな瓦版第7号刊行案内ほか
 ◆イベント情報         各種イベントのご案内です 
 ◆ローカル便り       各部・各研究所の最新情報です
 ◆プレスリリース報告   10月26日リリース
 ◆編集後記         担当者のひとりごと
 ◆配信手続き        配信停止・配信先変更等
 
 
 
【シリーズ】  
 
 栽培漁業のさかなたち-6 ヒラメ
 
 今号は、身近な高級魚となったヒラメを紹介します。
 
 ヒラメは、カレイ類と同じく体の片側に目が寄っており、異体類と呼ばれ
ます。しかし、生まれたときから目が寄っているわけではなく、生まれて
から約2週間、全長が8mmぐらいまでは、普通の魚と同じように体の両
側に目があり、体を立てて泳いでいます。それから徐々に目が移動し始
め、全長18mmぐらいで完全に片側に寄るとともに、海底に張り付いて
生活するようになります。その後はホシガレイの回で書いたように雄より
も雌の方が成長が早く、雌は1年で30cm、2年で48cm、3年で60cm
に達します(九州南西海域)。また、最大で雌が110cm(14歳)、雄は
84.5cm(16歳)になったという記録があります。
 
 ヒラメというと北の魚というイメージがあるかも知れませんが、北は千島
列島から南は南シナ海まで、北海道太平洋岸を除く日本列島ほぼ全域
に分布しています。漁獲量は全国で5千〜8千トン程度で推移し、最も多
いのは茨城県〜青森県の太平洋側で2千トン前後、北海道や瀬戸内海
ではそれぞれ千トン前後が漁獲されています。また、ここ十数年ほどは
養殖も盛んに行われており、漁獲量と同等の6千〜8千トン前後が生産
されています。
 
 ヒラメと言えば白身魚の代表のように言われ、刺身の盛り合わせには
欠かせない食材となっています。ヒラメの旬は産卵期の前で関東地方で
は12月〜1月ぐらいですが、旬のヒラメは淡泊な中にも適度な脂肪分が
含まれ、身が飴色となってもっちりとした舌触りは、高級魚の名と値段に
恥じません。また背びれや腹びれの付け根にある通称「縁側」と呼ばれ
る部分は、コリコリして美味しいばかりでなくコラーゲンをたくさん含んで
いるので、美容や健康にも良い食品です。
 刺身の他にもムニエルや塩焼き、揚げ物、吸い物など、何の料理にで
も合うのが白身魚の良いところです。
 
 ヒラメは栽培漁業の代表選手の一つで、ふ化から全長3cmぐらいまで
の生残率が70%を超えるなど、種苗生産技術もほぼ確立されています。
 しかし、種苗の体色異常や疾病の防除などについての技術開発と、
種苗生産過程での省力化、コスト削減が問題点として残されています。
 また、魚類の中では一番放流量が多い種で、平成15年度には36県
で放流が行われ、総放流量は2千5百万尾に上りました。漁獲量も増大
傾向にあり、海域によっては漁獲されたヒラメのうち放流魚が20%〜30
%を占めるなど、放流の効果が目に見えるようになってきています。
 しかし、ヒラメはそのイメージとは裏腹に広範囲を移動する魚種なので、
必ずしも放流した場所で漁獲量が増加するとは限りません。そのため、
近年は複数の府県が連携・協力して放流効果を調査するような事例も増
えてきました。
 
 このような取り組みはまだ端緒に付いたばかりですが、調査が進む
につれて放流効果がより明らかになることと思います。
 
 
 
【調査船運航状況】    
 
 ◆北光丸(北海道区水産研究所)は、11月30日から12月7日まで、
  北海道道東から東北太平洋海域において、微量栄養塩の動態把
  握などを目的に、親潮域における海洋観測とプランクトン調査等の
  調査航海を行います。
 
  北光丸の詳細 → http://hnf.fra.affrc.go.jp/youran/hokko.htm
 
 
 
 ◆蒼鷹丸(中央水産研究所)は、11月21日から12月6日まで、九州
  南東沖から遠州灘沖において、黒潮流路の実態把握や、イワシ・ア
  ジ・サバなど水産資源の卵や仔稚魚輸送や漁場形成などに影響を
  及ぼす黒潮前線域の流動構造解明等を目的に調査航海を行います。
 
  蒼鷹丸の詳細 → http://nrifs.fra.affrc.go.jp/intro/sosiki/soyo.htm
 
 
 
【お知らせ】 
 
 ◆「おさかな瓦版」第7号を刊行しました
 
  このたび、当センターのニューズレター「おさかな瓦版」第7号を刊行し
 ました。
  シリーズ「海草[アマモ]」や、表層にいる魚を効率的に採集する新型ト
 ロール網の開発、おさかなクイズやおさかな一口メモなどのさかなに関
 する豆知識などをわかりやすく掲載しています。
 
  第7号はこちら
   →  http://www.fra.affrc.go.jp/bulletin/letter/no7.pdf
 
 
 ◆イメージキャラクターの愛称を募集
 
  当センターでは、皆様に親しんで頂けるような(?)イメージキャラクター
 を作ってみましたが、まだ名前がありません。
  そこで、愛称を広く公募し、よりよい名前を付けてあげようということで
 お知恵を拝借したいと思いますので、可愛い名前を付けてくださいね。
 
 詳細はこちら  →  http://www.fra.affrc.go.jp/new/kyara1.html
 
 
 
【イベント情報】  
 
 ★第6回地域水産利用加工技術セミナーのご案内
 
  釧路市、水産庁との共催により、第6回地域水産加工技術セミナー
 を開催します。本セミナーは水研センター等が有する水産利用加工に
 関する研究成果を、全国各地域の水産加工業者等に普及するとともに、
 現場のニーズを把握し水産加工に関する技術向上を図ることを目的と
 しております。入場は無料ですので、お近くの方は是非この機会にお
 越しください。
 
  日   時 平成17年11月24日(木) 13:00〜17:30
  場   所 釧路市生涯学習センター2階多目的ホール
  お問合せ 釧路市水産加工振興センター
         TEL 0154-31-1405 
 
 
 ★第25回全国豊かな海づくり大会(かながわ大会)に出展します
 
  全国豊かな海づくり大会は、魚や貝などの水産資源を保護し増やすこ
 とと、海の自然環境を守ることの大切さを、みんなで考える大会です。
  昭和56年から海のある都道府県で毎年開催されています。
  大会第25回目にあたる今回は、横浜市のみなとみらい21地区(パシ
 フィコ横浜及び臨港パーク)で開催され、水研センタ−も昨年に引き続き
 出展することとなりました。
  会場では、見て、さわって、体験してと、楽しいイベントを用意いたしま
 したので、ご近所皆様お誘い合わせの上、ぜひお越しください。
 
  日  時  平成17年11月19日(土)11時〜16時
         平成17年11月20日(日) 9時〜16時
  場  所  メイン会場 パシフィコ横浜(水研センターブース出展)・臨港パーク
         サテライト会場 新港埠頭(蒼鷹丸一般公開)・赤レンガパーク・
         日本丸メモリアルパーク
  詳細はこちら 
   →  http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/suisan/umidukuri/top.htm
 
 
 
【ローカル便り】  
 
 ◆スナメリ航空目視調査(水産庁委託事業)の実施(遠洋水研)
 
  小型ハクジラの1種スナメリは、ペルシャ湾から我が国にかけてのごく
 沿岸海域に分布しています。我が国では、仙台湾−東京湾、伊勢湾・
 三河湾、瀬戸内海−響灘、大村湾、有明海・橘湾の5海域に主に分布し、
 生態・形態・遺伝組成の違いから、それぞれ異なる系群に分かれている
 ものと考えられています。
 
  この調査は、系群ごとに生息数・分布状況を把握することを目的に、水
 産庁からの委託により遠洋水研鯨類生態研究室が各地の水族館の協
 力のもと、海域を変えながら毎年実施しています。本年度調査は8月29
 日と9月1日に仙台湾〜東京湾において、10月17日と21日に西部瀬
 戸内海において実施されました。
 
  調査では4人乗りセスナ機を各日2機用い、各機に観察者2名と記録
 者1名が搭乗し(他1名は操縦者)、高度150m・速度90ノットで洋上
 を航行しスナメリの発見に努めます。そして、得られた発見情報をもとに
 ライントランセクト法により生息数を推定します。
 
  今までの成果概要は、水産庁遠洋課捕鯨班のホームページの資料
 集に「北西太平洋に生息するスナメリに関するワークショップレポート」
 として紹介されています(英文)。
 
 詳細はこちら →
 http://www.jfa.maff.go.jp/whale/document/57IWC%20Report%20on%20FP.pdf
 
 
 ◆CLIOTOP(海洋高次捕食者に対する気候の影響)作業部会へ出席
  (遠洋水研)
 
  マグロ類の資源変動と環境との関係を探るための国際研究プロジェク
 トCLIOTOPの第1作業部会(初期生活史研究グループ)第1回会合が、
 10月9日〜14日にスペインのマラガで開催されました。本プロジェクト
 のねらいは、エルニーニョなど世界的に注目される大規模な海洋環境
 変動が、マグロ類を中心とした外洋表層生態系の構造と機能にどのよ
 うな影響を及ぼすのか、またそれがどのような過程で起こるのか、を明
 らかにすることです。そのために、本作業部会以外に4つの作業部会が
 研究分野別に設けられています。
  今回はスペインの海洋研究所が世話役を務め、日本から遠洋水研の
 3名と奄美栽培漁業センター1名が参加し、イタリア、アメリカからの参
 加者を併せて合計18名により、研究成果の発表や討論が行われまし
 た。
 
 
 ◆ICCAT(大西洋まぐろ類保存条約)統計調査常設委員会(SCRS)に
  出席(遠洋水研)
 
  10月3日〜7日にSCRS全体会合がマドリッドで開催され、21の加
 盟している国・地域からの代表ら約120名の参加がありました。日本
 からは前週に行われた魚種別小委員会に引き続いて遠洋水研の研
 究者4名と業界から1名が出席しました。まず、各国および地域からま
 ぐろ漁業の動向およびまぐろ類・かじき類関連の調査・研究活動の報
 告がなされ、各魚種別作業部会、各小委員会のほか、2005年に行
 われた中間会合からの報告があり、これらの報告をもとにコミッショナ
 ー(行政官)会合への勧告が作成されました。クロマグロについては
 昨年来から計画を策定していた新しい調査計画を実施するよう勧告さ
 れました。また、生態系アプローチを取り扱う生態系小委員会を設立
 すること、およびサメを混獲対象種というよりは資源として取り扱う独
 立した魚種別作業部会を設立するよう勧告されました。
 
 
 ◆水産庁漁業調査船開洋丸による日ア(アルゼンチン)共同の若齢
  マツイカ採集調査 −船上からの報告その2−(遠洋水研)
  
  開洋丸による日ア共同の若齢マツイカ調査も終盤を迎えようとして
 います。調査前半は南緯37度から46度にかけての広大なアルゼン
 チンEEZ内の陸棚を中心に調査を終了し、1989年に旧開洋丸で行っ
 た中層トロール調査結果とほぼ同様に、広範囲にわたって若齢イカ
 が分布していることがわかりました。一方、現在行っている調査後半
 では、水深1000mを超えるアルゼンチンの外洋域に「はたして若齢
 マツイカが分布するのかどうか」を調べる目的で実施しています。現
 在調査途中にあり、サンプル整理と併せて今後の詳細な海洋構造
 データ等の解析が待たれるところです。
 
 調査船の開洋丸については国際漁業資源調査HP → 
  http://www.jfa.maff.go.jp/kokushi_hp/SUB3chousasen.HTM
 を参照ください。
 
 
 
【プレスリリース報告】   
 
 ◆ 大型クラゲ洋上駆除実証試験調査の結果について(速報)
     10月26日リリース
 
  大型クラゲが、今年は日本海側のみならず東京以南の太平洋沿岸にも現わ
 れ、世間を騒がせています。
  水研センターは、9月29日から10月16日までの間、駆除用の漁具(表中層
 用トロール網に格子状のワイヤーを仕掛け、クラゲが通過する際に細かく切断
 する漁具)を製作し日本海において洋上試験を行いました。
  その結果、格子状にしたワイヤーをトロール網に列状に張ることにより、大型ク
 ラゲを細かく切断できることやこの網の実用性が高いことが確認されました。沖
 合域においては既存の表中層トロール網を改良することにより、比較的容易に
 洋上駆除が可能ですが、沿岸域については、今回開発した技術を応用して小
 型漁船で操業可能な駆除漁具の開発を図る必要があります。
 
  詳細はこちら
   →  http://www.fra.affrc.go.jp/pressrelease/pr17/171026/kurage1.htm
 
 
 
【編集後記】 
 
 今日は11月9日。語呂合わせで119番の日だそうです。
 1987年(昭和62年)に消防庁が制定しました。
 
 119番と言えば、火災など災害と、急病などの救急で利用する番号ですが、いず
れのシチュエーションでも一刻を争う緊急事態!そんな時にちゃんと電話で正確な
情報を伝えることは結構大変です。
 
 そこでポイントを3つほど。
 
 1つ目は「火事です!」または「救急です!」の要請目的をはっきり伝えること。
 2つ目は住所・場所・目印を分かりやすく伝えること。いくら要請しても場所が分か
らなければなかなか目的地にたどり着けず、間に合うものも間に合わなくなります。
 3つ目は起こっている状況を正確に伝えること。
 そして、最後に通報者の名前、連絡先を伝えてとりあえず到着を待つことになりま
す。
 
 落ち着いて聞いていると簡単に出来そうですが、世界各地で地震など災害が発
生している現在、いざというときに備え自宅の電話機のそばや財布の中に、住所や
電話番号などを書いたメモを貼っておくなど心がけておくとベストです。
 
 
 
【配信手続き】
 
 配信停止、配信先変更等は下記URLにて手続き願います。
 また、ご意見・ご感想等も、どしどしお寄せください。
  
  配信解除、配信先変更等 
    → http://www.fra.affrc.go.jp/mail/index.html
 
  ご意見・ご感想等  → www@fra.affrc.go.jp
 
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