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        おさかな通信 (水研センターメールマガジン)
 
          第 18 号     平成18年3月8日                      
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 読者の皆様、いかがお過ごしでしょうか。
 
 この前お正月を迎えたと思ったらもう3月も中程、時の過ぎゆくのは早いも
のですね。
 平成13年4月に独立行政法人として発足した水研センターも、丸5年目が
過ぎようとしています。
 この4月からは、独立行政法人さけ・ます資源管理センターを統合し、新
たな中期計画のもと再出発します。
 広報部門では「双方向コミュニケーション」というテーマで、一方的な情報
の発信で終わるのではなく、皆様からのご意見やご要望を頂きやすい環境
作りに努め、意見交換をしながら業務運営に反映させて参りたいと考えてお
ります。
 今後とも水研センターをよろしくお願いいたします。
 
 
 
【目次】
 
 ◆シリーズ          「栽培漁業のさかなたち」を連載中
 ◆調査船運航状況     今回は水研センター船3隻の紹介です
 ◆お知らせ          おさかな瓦版第9号刊行案内
 ◆イベント情報       3月に開催するイベントの情報です
 ◆プレスリリース報告   2月7日リリース
 ◆編集後記         担当者のひとりごと
 ◆配信手続き        配信停止・配信先変更等
 
 
【シリーズ】  
 
 栽培漁業のさかなたち−10 アカアマダイ
 
 アカアマダイは、本州中部以南から東シナ海を経て南シナ海に生息する
アマダイ科の魚です。日本近海で獲れるアマダイ類は、主にアカアマダイ、
シロアマダイ、キアマダイの3種あり、シロ、アカ、キの順に深い場所に棲ん
でいます。アカアマダイは最大で全長約60cm、2kgほどになりますが、
大きいものはすべて雄で、雌は最大でも全長35cm、500g前後にしかな
りません。すんでいるのは砂と泥が混じった水深20〜150mほどの海底
で、そこに巣穴を掘ってなわばりを作り、危険が迫ると巣穴に潜り込むとい
う習性を持っています。そしてなわばりに入ってきた他のアカアマダイには、
体当たりをして追い払うと言われます。また近年の調査で、昼間は巣穴か
ら出てもごく近くで捕食行動し、夜になると巣穴に潜るというように、巣穴を
中心とした生活を送っていることが明らかになってきました。
 
詳しくはこちら →
 http://ncse.fra.affrc.go.jp/00kenkyu/001topics/060topics_042.html
 
 餌は主に海底にすむ甲殻類(エビ、カニ、シャコなど)、多毛類、イカ類、
クモヒトデ、貝類や魚類と多岐にわたっています。
 
 アカアマダイは地方名が少なく、静岡県で興津鯛(キアマダイも含む)、
関西では「くじ」、「ぐじ」などと呼ばれます。興津鯛は徳川家康が好んで食
べたことで知られ、「興津」とはアカアマダイを家康に献上した駿府城の奧
女中「興津の局」から名付けられたとも言われています。また、「くじ」とは
「屈頭(くず)」がなまったものと言われ、中国では「馬頭魚」、英語でも同じ
意味の「ホース・ヘッド・フィッシュ」と呼ばれます。いずれも、アカアマダイ
の特徴的な頭の形を名に表したものといえます。
 
 最近、アカアマダイは長崎県対馬で「紅王」、島根県で「小伊津アマダイ」、
山口県で「萩のアマダイ」、福井県では「若狭ぐじ」、京都府では「京丹後
ぐじ」と名付けられ、美味しいアカアマダイをさらに美味しく食べて貰おうと、
漁獲方法や魚体の大きさ、取り扱い、鮮度保持などに一定の基準を設けて、
ブランド化への取り組みが進められています。旬は脂がのる秋から春で、
京料理の「ぐじの酒蒸し」が特に有名です。また一夜干しの塩焼きも美味で、
うろこを付けたまま焼くので「松かさ焼き」と呼ばれています(若狭焼きとも
言います)。また、上記のブランドアカアマダイは鮮度が良いため、刺身や
お造りでも食べられます。その他にも、唐揚げ、昆布〆、碗物、煮物、西京
漬け、松かさ揚げなど美味しい料理法がたくさんあります。和食の他にも、
清蒸馬頭魚という中華料理やムニエルなどにも使われます。
 
 アカアマダイの漁獲量は、漁獲統計上「あまだい類」として集計され、単
独では計上されていませんが、90%以上はアカアマダイが占めています。
「あまだい類」の漁獲量は近年減少傾向にあり、平成14年の全国の漁獲
量は1,804トンと、10年前と比べると1/10以下に減少してしまいました。
このため当センター宮津栽培漁業センターでは、アカアマダイの稚魚を育て、
それを放流して資源を増やす栽培漁業の取り組みを行っています。
 
 アカアマダイの種苗生産技術開発は、旧日本栽培漁業協会宮津栽培
漁業センターが開所した昭和59年から開始されましたが、受精卵の確保
や仔魚の飼育が難しく、長い間、種苗の量産は出来ませんでした。
 アカアマダイは産卵期に雄が中心となってハーレムを作るため、マダイや
ヒラメのように、水槽に雌雄をたくさん入れて産卵させることが出来ません。
また、アカアマダイは水温が25℃以上になると死んでしまうため、親魚を
水槽で周年飼育することも困難です。そのため漁獲されたアカアマダイの
卵巣卵の成熟を促進させてから人工授精することにより、平成9年度以降
には大量の受精卵を得ることが出来るようになりました。さらに仔魚の飼育
が困難なのは、卵からふ化した仔魚が約2mmと小さく、マダイやヒラメに
用いられている初期の生物餌料であるワムシでは大きすぎて十分摂餌で
きないことによるものでしたが、センターではタイ産の小型ワムシを与える
ことでこの問題を克服できるようになりました。
また、この間の水中照度や通気の調節などの技術開発も行い、平成15
年度には19.2万尾、平成16年度には49万尾(全長2cm)の生産に成
功しました。
 
詳しくはこちら →
 http://ncse.fra.affrc.go.jp/00kenkyu/001topics/060topics_048.html
 
 この技術は府県の水産試験場などへ移転・普及されつつあり、現在では
長崎県総合水産試験場や山口県水産研究センターなどでも種苗生産が可
能となっています。
 現在はいくつかの府県と共同で地場産品の資源を維持するため、宮津市
近辺海域はもとより、対馬、島根県、山口県などで放流試験を行い、放流
技術の開発を行っています。また、東シナ海では資源評価に基づく漁獲量
規制も行われています。
 
 近年は高価でなかなか庶民の口には入りにくいアカアマダイですが、資
源管理と稚魚放流との相乗効果で資源が回復し、気軽に食べられるように
なることを期待しています。
 
 
 
【調査船運航状況】  
 
 ◆探海丸(北海道区水産研究所)は、3月2日から15日までの予定で、
  太平洋道南から道東海域において、スケトウダラ卵・仔魚の分布状態
  の把握と海洋環境把握を目的に、調査航海を行っています。
 
  探海丸の詳細 
   →  http://hnf.fra.affrc.go.jp/H-jouhou/kokaidayori/kokaidayori.htm
 
 
 ◆若鷹丸(東北区水産研究所)は、3月1日から20日までの予定で、北海
  道道東から東北太平洋海域において、混合・親潮海域の海洋物理構造
  及び低次生物生産過程のモニタリングなどを目的に調査航海を行ってい
  ます。
 
  若鷹丸の詳細 →  http://tnfri.fra.affrc.go.jp/tnf/wakataka/index.htm
 
  
 ◆しらふじ丸(瀬戸内海区水産研究所: 調査担当:中央水産研究所)は、
  3月10日から19日までの予定で、土佐湾において、春季のマイワシ親
  魚及び卵仔稚を採集するとともに海洋環境を調査し、マイワシ太平洋系
  群の資源構造の変化過程の解明を目的に、調査航海を行います。
 
  しらふじ丸の詳細 →  http://feis.fra.affrc.go.jp/intro/shirafuji.html
 
 
 
【お知らせ】  
 
 ◆「おさかな瓦版」第9号を刊行しました 
 
  このたび、当センターのニューズレター「おさかな瓦版」第9号を刊行し
 ました。
  新シリーズ「北の海の魚たち」や、同じく新シリーズ「書籍で知る日本
 の水産」と、前号までとは内容を一新しました。また「おさかなクイズ」で
 さかなに関する豆知識などもわかりやすく掲載しています。
  次号は、平成18年4月10日刊行予定です。
 
  第9号はこちら
   →  http://www.fra.affrc.go.jp/bulletin/letter/no9.pdf
 
  その他、水研センター発行の刊行物はこちら
   →  http://www.fra.affrc.go.jp/bulletin/bull-index.html
 
 
 
【イベント情報】  
 
 ◆第7回地域水産加工技術セミナーのご案内
 
  ひたちなか市、水産庁との共催により、第7回地域水産加工技術セ
 ミナーを開催します。本セミナーは水研センター等が有する水産利用
 加工に関する研究成果を、全国各地域の水産加工業者等に普及する
 とともに、現場のニーズを把握し水産加工に関する技術向上を図ること
 を目的としております。
  入場は無料ですので、お近くの方はぜひこの機会にお越しください。
 
  日   時 平成18年3月14日(火) 13:00〜17:00
  場   所 ワークプラザ勝田 多目的ホール(茨城県ひたちなか市)
  お問合せ ひたちなか市経済部水産課
         TEL 029−262−4124
         
  詳細はこちら 
   →  http://www.fra.affrc.go.jp/pressrelease/pr17/180221/kakou1.htm
 
 
 ◆「ふるさとの食 にっぽんの食 全国フェスティバル」に出展します
 
  水産総合研究センターでは、3月18日〜19日の2日間、NHK放
 送センター前広場(東京都渋谷区)で開催される本イベントに、昨年
 に引き続き出展します。
  当日は、かつお一本釣り体験コーナーやミニ水族館、タッチプール
 などをご用意し、皆様のお越しをお待ちしています。
  ぜひ、この機会にご近所お誘い合わせの上、お立ち寄りください。
 
  日 時  平成18年3月18日(土)〜19日(日) 10:00〜16:00
  場 所  NHK放送センター前広場ほか(東京都渋谷区)
  入場料  無料
 
  詳細はこちら → http://www.nhk.or.jp/shokuryo/
              の「全国フェスティバル」へ
 
  昨年の様子 →  http://www.fra.affrc.go.jp/new/nhk.html
 
 
 
【プレスリリース報告】    
 
 ◆簡便な魚類用麻酔剤の開発技術を確立(2月7日リリース)
 
  養殖業や栽培漁業の現場では、麻酔剤が標識装着や測定など、様々
 な局面で使用されています。現在麻酔剤として1種類の薬剤が動物用医
 薬品として承認されていますが、麻酔時に魚が暴れると泡が発生して、
 魚の状態が観察しにくい等の問題があります。
 
  一方、炭酸ガスが魚類に対する麻酔効果があることは以前から知られ
 ていますが、直接炭酸ガスを麻酔に使用することは、ボンベの移動・保管
 などの点で多くの労力を要します。
 
  そこで古満目栽培漁業センターでは、手軽に利用できる麻酔剤を開発
 することを目的として、数種類の炭酸塩、有機酸、固形化促進剤を組み
 合わせて炭酸ガス発泡剤を試作し、魚類の麻酔効果を検討しました。
 
  その結果、食品添加物である重曹、食添コハク酸、食添グリセリンで作
 製した固形発泡剤(錠剤)が麻酔剤として有効であることが明らかとなりま
 した。また、試作品では、市販麻酔剤の10分の1以下のコストで同様の
 麻酔効果が得られました。
 
  詳細はこちら 
  →  http://www.fra.affrc.go.jp/pressrelease/pr17/180207/masui1.htm
 
 
 
【編集後記】  
 
 今日は3月8日。「エスカレーターの日」だそうです。
 
 今から92年前の1914年(大正3年)の3月8日に、東京上野の「大正
博覧会」の会場に日本初のエスカレーターが設置されたそうです。
 
 水研センター本部事務所があるクイーンズタワービルでは、地下3階の
「みなとみらい駅」からオフィスビル用エレベーターがある地上6階まで、
4台のエスカレーターを乗り継いでたどり着きます。
 
 高所恐怖症の小生は、地下3階から地上4階まで吹き抜けになっている
長いエスカレーターには、毎回ビビりながら手摺りにしっかりと掴まって乗り
継いでいます。
 
 ちなみに11月10日は「エレベータの日」だそうで、1890年(明治23年)、
東京浅草の「凌雲閣」に日本初の電動式エレベーターが設置され、一般
公開された日だそうです。
 
 当然小生はデパートや複合商業施設などによく設置されている、ガラス
張りで景色がよく見えるエレベーターが、大の苦手です。
 
 
 
【配信手続き】
 
 配信停止、配信先変更等は下記URLにて手続き願います。
 また、ご意見・ご感想等も、どしどしお寄せください。
  
  配信解除、配信先変更等 
    → http://www.fra.affrc.go.jp/mail/index.html
 
  ご意見・ご感想等  → www@fra.affrc.go.jp
 
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