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おさかな通信 (水研センターメールマガジン)

第 19 号     平成18年4月12日
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 読者の皆様、いかがお過ごしでしょうか。

 水研センター本部事務所のある横浜近辺では、桜の季節も終わり、初々しい背広姿のサラリーマンや、制服姿の子供達の通勤・通学する様子を見かけるようになり、いよいよ平成18年度がスタートしたと実感するこの頃です。
 水研センターも、5カ年の新中期計画がスタートし、独立行政法人さけ・ます資源管理センターを統合、組織も新たに、より効率的な業務運営を目指すとともに、研究開発成果を迅速に公表・普及し、今後とも皆様のご期待に応えるべく、役職員一同、心を新たに邁進いたします。 

【目次】

 ◆シリーズ          「栽培漁業のさかなたち」を連載中
 ◆調査船運航状況     今回は水研センター船4隻の紹介です
 ◆お知らせ          FRAニュース第6号刊行案内
 ◆イベント情報       3月から始まったイベントの情報です
 ◆イベント報告       3月に開催したイベントの報告です
 ◆プレスリリース報告   3月17日・4月4日リリース
 ◆編集後記         担当者のひとりごと
 ◆配信手続き        配信停止・配信先変更等


【シリーズ】

  栽培漁業のさかなたち −第11回 ガザミ−

 ガザミはワタリガニとも呼ばれ,函館から九州の太平洋側、日本海側と韓国,中国,台湾の,内湾または内湾近くの砂・砂泥底に生息しています。日本では,東京湾,三河湾,伊勢湾,瀬戸内海,有明海,八代海などが有名な産地として知られています。産卵期は,4月上旬(伊勢湾東部)〜10月下旬(日本海北部)で,1年の間に1〜6回産卵します。1回の産卵量は60〜420万粒にも及びます。成長は海域,ふ化時期によって差がありますが,初期(4月)にふ化したガザミでは1歳で甲幅が17〜19cm,2歳で約22 cm,4歳で約27 cmとなります。寿命は,雄は2〜3年,雌は3〜5年です。

 主な産地が西日本に片寄っていることもあり,関東地方ではガザミ(ワタリガニ)はあまりポピュラーな食材ではありません。東京でカニと言えば,北海道のタラバガニやズワイガニを思い浮かべる人が多いと思いますし,スーパーで見かけるガザミといえば,2つ割りにした冷凍物であることがほとんどです。しかし,瀬戸内海や九州でカニと言えばガザミのことを指すことが多く,ごく一般的に家庭の食卓に乗せられている食材です。料理方法は,ゆでガニ,焼きガニ,鍋,カニ飯,みそ汁などが有名ですが,ソフトシェルクラブのように脱皮直後の柔らかいガザミを,唐揚げや天ぷらにしても美味しく食べられます。

 ガザミの全国の漁獲量は近年2,600〜4,200トンで推移し,約半分の1,200〜2,500トンが瀬戸内海で漁獲されています。有明海では昭和60年の1,781トンをピークに平成12年には142トンまで激減してしまいました。その後やや回復して14年には337トンとなっていますが,それでもピークの1/5程度しか獲れなくなっており,資源の回復が期待されています。

 ガザミは栽培漁業の黎明期から取り組まれてきた種の一つで,昭和48年には100万尾単位での種苗量産が出来るようになりました。現在でも病気や脱皮時の死亡,コストの低減などの課題は残っていますが,種苗量産技術はほぼ確立したと言えます。ちなみに平成15年は放流用種苗の生産が12県(15機関)で行われ,生産尾数は5,186万尾となっています。放流は20県(81機関339ヵ所)で実施され,放流尾数は3,544万尾で,甲殻類の中ではクルマエビに次いでたくさんの種苗が生産・放流されています。しかし放流に関しては有効な標識が無いという甲殻類に共通する問題があり,このために放流の効果を十分把握できていません。
 今後は種苗生産技術をさらに高度化するとともに,適切な標識を開発して,放流効果を明らかにしていくことが大切です。

【調査船運航状況】

◆北光丸(北海道区水産研究所)は、4月14日から28日までの予定で、噴火湾周辺海域において、資源評価の精度向上を目的に、スケトウダラ仔稚魚の分布状態を把握するための調査航海を行います。

 北光丸の詳細 
 →  http://hnf.fra.affrc.go.jp/H-jouhou/kokaidayori/kokaidayori.htm


◆蒼鷹丸(中央水産研究所 調査担当:西海区水産研究所)は、4月11日から29日までの予定で、九州西岸海域から対馬海峡域において、海洋観測及びプランクトン調査を行うとともに、近年問題となっている大型クラゲの分布の把握を目的に、調査航海を行っています。

 蒼鷹丸の詳細 
 → http://nrifs.fra.affrc.go.jp/intro/sosiki/soyo.htm


◆陽光丸(西海区水産研究所)は、4月11日から5月2日までの予定で、九州西岸から東シナ海において、アジ・サバ・イワシなど浮魚類の産卵水域や産卵状況などを把握する目的で、調査航海を行っています。

 陽光丸の詳細 
 →  http://snf.fra.affrc.go.jp/cont01/yokomaru/yokomaru.html 


◆俊鷹丸(遠洋水産研究所)は、4月7日から28日までの予定で、仙台湾周辺海域において、海洋観測及びキタオットセイや鯨類など高次捕食者の分布等のデータ収集を目的で、調査航海を行っています。

 俊鷹丸の詳細 
 →  http://fsf.fra.affrc.go.jp/sosiki/newsyunpg.htm


【お知らせ】

◆「FRAニュース」第6号を刊行しました 

 このたび、当センターの広報誌「FRAニュース」第6号を刊行しました。
 今号は、特集として平成18年4月から始まった第2期中期計画を中心に、これから水研センターが取り組む課題などについて分かり易く解説しています。
 FRAニュースは季刊号で、次号は7月1日刊行予定です。お楽しみに!

 第6号はこちら
 → http://www.fra.affrc.go.jp/buelltin/news/fnews06.pdf

 その他、水研センター発行の刊行物はこちら
 → http://www.fra.affrc.go.jp/buelltin/bull-index.html


【イベント情報】

◆「つくばリサーチギャラリー企画展示」のご案内

 平成18年3月22日〜平成19年2月28日まで、茨城県つくば市にあるつくばリサーチギャラリー内(農業技術発達資料館)において、「企画展示2006 森の力 〜生きものを育み、海へ、人へとつながる〜」に独立行政法人森林総合研究所と共同で出展しています。
 この企画展示では、生命を育む森林の多様な働きをご紹介しています。ぜひお立ち寄りください。

 詳細はこちら 
 → http://trg.affrc.go.jp/tokubetsu.html


【イベント報告】

◆「ふるさとの食 にっぽんの食 全国フェスティバル」出展報告

 平成18年3月18日〜19日の2日間、NHK放送センター前広場等(東京都渋谷区)にて「ふるさとの食 にっぽんの食 全国フェスティバル」が開催され、当水研センターも屋内外の2箇所に出展いたしました。
 初日は天気に恵まれましたが、2日目は朝から強風のため屋外のブースは撤収となり、屋外で唯一残った「かつお一本釣り体験」も午後には撤収と残念な結果となりましたが、たくさんの方にご訪問頂き、おさかなについて興味を持って頂けたことと思います。

 当日の様子はこちら
 → http://www.fra.affrc.go.jp/new/nhk2006.htm


◆「第7回地域水産加工技術セミナー」報告

 平成18年3月14日(火)に、ひたちなか市のワークプラザ勝田多目的ホールで『世界のお魚が集い、伝統と未来が共生するみなとまち「那珂湊」』というテーマにて行いました。
 当日は肌寒い天気の中、水産加工関係者など150名の方々に参加を頂き、それぞれの講演に熱心に聞き入っていました。また、講演後には質疑も活発に行われました。

 当日の様子はこちら
 → http://www.fra.affrc.go.jp/new/7kakou.htm


【プレスリリース報告】

◆海藻の発酵産物でマダイイリドウイルス病を撃退
 (3月17日リリース)

 海藻を発酵させてできた食品や肥飼料製品は未だ見当たりませんが、これは人類の長い歴史の中で、海藻を発酵させる技術がみそなどのように自然発生的に発明されてこなかったことによります。

 水研センターでは、海藻を発酵させる技術を既に開発し、得られる発酵産物の産業利用を検討しています。

 今回、日本水産株式会社と共同でエクロニアという海藻を原料として調製した発酵産物を養殖のエサに配合してマダイに与えたところ、養殖現場で問題となっているイリドウイルス感染症に対する抵抗性が高められることを見出し、共同特許出願を行いました。発酵食品や海藻を食べるとヒトの健康増進に役立つことは、一般によく知られていますが、魚に対してもよい効果があることがわかりました。

 今回の発見は、薬剤等を使用しない安全安心な養殖魚の育成に役立つものと期待されます。

 詳細はこちら 
 → http://www.fra.affrc.go.jp/pressrelease/pr17/180317/irido1.htm


◆新たな体制で第2期中期計画を開始
 (4月4日リリース)

 独立行政法人水産総合研究センターは、平成18年3月29日に独立行政法人改革推進のための農林水産省関係法律」が国会で承認されたことに伴い、4月1日付けで独立行政法人さけ・ます資源管理センターと統合した新しい体制でスタートしました。
 18年度から22年度までの5カ年間の第2期中期計画を策定し、統合メリットを発揮しながら、基礎から応用、実証化まで一貫した研究開発等を総合的に実施し、水産施策の推進に貢献いたします。

 また、新法人発足と第2期中期計画の開始にあたり、水産専門の総合的な研究開発機関としてのアイデンティティを確立するため、シンボルマークを制定しました。

 詳細はこちら 
 → http://www.fra.affrc.go.jp/pressrelease/pr18/180404/sintaisei.htm


【編集後記】

 今日は4月12日。1日違いですが明日4月13日は「水産デー」です。

 今から105年前の1901年(明治34年)、漁業の基本的な制度を定めた旧漁業法が制定されたことに由来し、漁業の振興のために1933年(昭和8年)に大日本水産会が制定しました。

 また、現在の漁業法が施行された1949年(昭和24年)3月13日に由来して3月13日を「漁業法記念日」と水産庁が制定し、この日を「水産デー」と呼んでいるところもあるようです。

 何はともあれ、四方を海で囲まれた日本に住んでいると、四季を通じて旬の水産物が食卓を賑わしてくれます。
 これらの豊富な水産物を、未来の子供達も安心して食べられるように、水産資源や漁業環境の維持、保全の大切さを考える日にしたいと思います。


【配信手続き】

配信停止、配信先変更等は下記URLにて手続き願います。
また、ご意見・ご感想等も、どしどしお寄せください。

配信解除、配信先変更等 
→ http://www.fra.affrc.go.jp/mail/index.html

ご意見・ご感想等  → www@fra.affrc.go.jp

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編集・刊行・配信:
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