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おさかな通信 (水研センターメールマガジン)

第 29 号     平成19年2月14日
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 読者の皆様、いかがお過ごしでしょうか。

 今年の冬は、例年に比べ暖冬と言われています。確かに、いつもなら 寒さに耐えられない小生も、今年はわりとしのぎやすいなぁと感じてい ます。

 暖冬の影響で、花粉ももう飛び始めているそうなので、花粉症の方は 万全の対策をとりたいものですね。(担当:O)
  



【目次】

◆シリーズ         水産加工品津々浦々「あじ開き干し」
◆ローカル便り      水産調査計測シンポジウム及び干潟漁場の
                流動・地形特性の計測・解析手法に関するシ
               ンポジウムを開催ほか
◆お知らせ         FRAニュース第9号
                潮音第1号
                東北水産研究レター第2号
               遠洋リサーチ&トピックス第2号を刊行
◆イベント情報      所内プロ研・シーズ研の成果報告会
               およびミニシンポジウムの開催について
◆プレスリリース報告 まぐろ研究所の設立について
               まぐろ研究所の立ち上げについて
◆編集後記        担当者のひとりごと
◆配信手続き       配信停止・配信先変更等



【シリーズ】
  
 水産加工品津々浦々−2 「あじ開き干し」


   日本列島には魚、貝類、イカ、海藻などを素材にした水産加工品が 数え切れないほどたくさん存在します。その中から毎回一品一品にス ポットライトを当てて紹介していくコーナー「水産加工品津々浦々」。 2回目の水産加工品は日本人ならみんな大好き「あじの開き」です。

  ○あじ開き干しとは

  あじ開き干しはアジを腹開きにして、塩水に浸して干したものです。 日本の食卓に並ぶ最もポピュラーなおかずの1つであり、海辺の観 光地のお土産品としても、みなさんすぐに思い浮かぶことでしょう。
 近年では、消費者の嗜好の変化から、塩味の薄いものが好まれる傾 向にあります。三訂版日本食品標準成分表(昭和38年)によると、 あじ開き干しの塩分は3%となっていましたが、近年発行された五 訂増補日本食品標準成分表(平成16年)では1.7%と減少して いることからもわかります。

 
   ○生産と消費の動向

  平成14年のあじ塩干品の全国生産量は5万5千トンで、近年の生産量 はやや減少傾向にあります。都道府県別の生産量は静岡県が多く、その シェアは4割強程度となっています。そのほかでは千葉、神奈川、茨城、 三重などの順になっています。

 → http://nrifs.fra.affrc.go.jp/kakou/souran/aji/


    ○原料選択のポイント

 あじ開き干しには、マアジ、マルアジ、ムロアジなどが使われていまし たが、現在はほとんどがマアジとヨーロッパマアジとなっており、ムロ アジが多少ある程度となっています。
 マアジは東シナ海や五島列島、対馬近海産(長崎、佐賀県唐津、福岡で 水揚げ)や日本海の境港、浜田、千葉県の銚子などで水揚げされた天然 魚が主に用いられています。
 ヨーロッパマアジは昭和50年代前半から使われ始めましたが、安定的 に供給されるという利点があることや、国内産のマアジの漁獲量が減少 したことから、近年は急速に使用量が増加してきており、マアジとヨー ロッパマアジの使用される割合は半々程度となってきています。産地は オランダ、アイルランド産が多くなっています。
 ある程度脂肪がのっている原料が好まれ、脂肪量が7%から16%くら いの原料が使われていますが、10%以上のものが良質と言われています。

○加工の原理

   食塩を中心とした調味液(「塩汁」と呼ばれている)に浸けることによっ て調味しますが、これにより、雑菌の繁殖を抑制します。また乾燥するこ とによって保存性が増すとともに、色合いが良くなります。


○実際の製造過程

 原料は水揚げ後、−30℃で急速凍結され搬送されます。水氷は最近で は使われなくなってきています。搬送された原料は−30℃以下で保管さ れています。ヨーロッパマアジも漁獲直後に急速凍結されて日本に輸出さ れています。解凍方法は、流水によって解凍します。以前は「塩汁」によ って解凍することもありましたが、最近では使われなくなりました。流水 を使った解凍機を用いて解凍するところもあります。

 つづいて内臓・鰓を除去して腹開きにします。この工程はすべて  手作業で行われています。その後残った内臓などを洗浄します。そ  の後、塩水浸けの工程に入ります。「塩汁」の濃度は低くなる傾向  にあり、以前は15〜24%程度でしたが、現在では10〜20%  程度となっています。この塩汁に20〜40分間浸けますが、この  時間は原料の質に左右されます。「塩汁」は食塩が主ですが、食塩  以外については各工場によって独自の工夫がされています。「塩汁」  は5℃程度の低温で循環させるなどして管理され、1ヶ月程度使用  できます。加熱処理することによって長期にわたり使用していると  ころもあります。

 いよいよ乾燥の工程に入ります。その前に、余分な塩汁は洗浄し  て洗い流しておきます。天日乾燥は最近ではほとんど行われなくな  りました。30〜35℃の温風乾燥機で30〜100分乾燥させる  のが主流ですが、近年では30℃以下で除湿乾燥をかける方法も増  えてきています。完成した製品は急速凍結して−30℃以下で保管  されます。

  → http://nrifs.fra.affrc.go.jp/kakou/souran/aji/

○製品の形態・包装等

   市場に出荷する場合、発砲スチロール箱を使い20枚程度詰めて出荷し ます。近年は市場を通さずに直接小売店へ卸すことも増えてきており、 この場合はトレーやポリ袋で2〜3枚入れて包装し、冷蔵庫を使って 出荷されます。


  いかがでしたでしょうか。意外と知らないことがたくさんあった人も 多かったのではないかと思われます。

 これらは、「全国水産加工品総覧」 編集委員会編 監修 福田裕  山澤正勝 岡崎惠美子 A5判、638頁、¥7,500(本体)+税 発行所  (株)光琳を参考に記述致しました。

 この本は水産総合研究センターが主催する水産利用関係試験研究推 進会議において、刊行することが合意され、都道府県の試験研究機関 関係者など約150名もの専門家により執筆されたものです。
 さらに詳しく知りたいなど、ご興味がある方は、この本を是非ご覧 になって下さい。


 詳しくはこちらから
 → http://www.korinbook.com/main/book/zenkokusuisan.html



【ローカル便り】
  
◆水工研で2つのシンポジウムを開催

   水産工学研究所が主催する水産工学関係研究開発推進特別部会水産調査 計測シンポジウムとして、「水産音響調査技術による計測可能対象を広 げる」を、平成19年1月16日に銚子商工会館大ホールにおいて開催しました。

  また、研究成果や最新の研究情報を共有し意見交換する場として、水産 工学関係研究開発推進特別部会水産基盤分科会「干潟漁場の流動・地形特 性の計測・解析手法(講演・演習)」を平成19年1月25日にアサリ資源全 国協議会との共催により開催しました。

詳しくはこちらから
 → http://nrife.fra.affrc.go.jp/topics/topics_index.html


◆キチジ0歳魚分布調査を実施しています

 東北区水産研究所に所属する若鷹丸は、東北海域のキチジ及びサメガレ イについて、生息水深による餌生物組成及び栄養状態の違いを明らかにする ことを目的とする調査を実施しています。

 調査期間は、平成19年2月7日〜17日までの11日間で、調査海域 は北海道および東北地方太平洋岸沖です。

 詳しくはこちらから
 → http://tnfri.fra.affrc.go.jp/tnf/keikaku/heisei18/18wakataka/wakataka190207-190217.pdf


◆平成18年度の全国サケ来遊数(1月末現在)速報!!

 平成19年1月31日現在の全国のサケ来遊数は、沿岸漁獲数6,227万尾、 河川捕獲数611万尾、計6,838万尾(対前年同期比96%)となっています。

 詳しくはこちらから
 → http://salmon.fra.affrc.go.jp/zousyoku/H18keta/h18keta.htm#zen


◆ガザミ(ワタリガニ)の放流調査が一歩前進!!
 
 玉野栽培漁業センターでは、正確な放流効果調査のために、ガザミに有効な 標識の開発を行っています。クルマエビの尾扇(尻尾で扇状に広がる部分) の一部を切除する方法をガザミに応用して、全甲幅約3cmの稚ガニの遊泳脚 指節(甲の一番下に位置する脚の先端部)にハサミで切れ込みを入れて標識 とし、天然環境に近い、広さ7,500平方メートルの海水を張った人工池(百島 実験施設)に放して調査を行いました。その結果、2ヵ月後に平均全甲幅10cm 以上に成長したガザミの75%に、はっきりと標識が残っていました。

 詳しくはこちらから
 → http://ncse.fra.affrc.go.jp/00kenkyu/001topics/060topics_101.html



【お知らせ】

◆FRAニュース第9号を刊行しました。

 このたび、当センターの広報誌「FRAニュース」第9号を刊行しました。
 今号は、特集として「資源調査」についてとりあげました。スケトウダラ、 マサバ、スルメイカ、マアジ、ズワイガニ、サンマについて当センターが行 っている調査の取り組みを紹介しています。

 FRAニュースは季刊で、次号は平成19年4月刊行予定です。

  第9号はこちら
  → http://www.fra.affrc.go.jp/buelltin/news/fnews09.pdf

  その他、水研センター発行の刊行物はこちら
  → http://www.fra.affrc.go.jp/buelltin/bull-index.html


◆「潮音」を創刊しました。

 このたび、当センター水産工学研究所の研究開発情報誌「潮音」を創刊しま した。
 特集記事として「水産工学研究所のマニュフェスト(運営方針)」について とりあげました。

 次号の特集は目下考慮中です。どうぞお楽しみに!!

  第1号はこちら
  → http://nrife.fra.affrc.go.jp/reprint/shione/shione_1.pdf

  その他、水産工学研究所の刊行物はこちら
  → http://nrife.fra.affrc.go.jp/reprint/reprint.html


◆東北水産研究レター第2号を刊行しました。

 当センター東北区水産研究所の研究開発情報誌「東北水産研究レター」 第2号を刊行しました。
 今号は、淡泊な白身と濃厚な味の白子で有名なマダラのお話から、エゾ アワビの幼生の話、貝毒検査の話、また、東北の海が豊かな漁場である訳 についてとりあげています。

 東北水産研究レターは季刊で、次号は平成19年3月刊行予定です。

  第2号はこちら
  → http://tnfri.fra.affrc.go.jp/pub/letter/letter-2.pdf

  その他、東北区水産研究所の刊行物はこちら
  → http://tnfri.fra.affrc.go.jp/pub/pub-index.html


  ◆遠洋リサーチ&トピックス第2号を刊行しました。

 当センター遠洋水産研究所の研究開発情報誌「遠洋リサーチ&トピックス」 第2号を刊行しました。
 今号は、トピックスとして「アルゼンチンとのマツイカの共同調査」の話題 についてとりあげています。その他にも、大型海洋動物の衛星追跡とその技 術開発の情報からローマからの情報コラムなど情報満載です。

 遠洋リサーチ&トピックスは年2回の発行予定です。

  第2号はこちら
  → http://fsf.fra.affrc.go.jp/enyor&t/r&t2.pdf

  その他、遠洋水産研究所の刊行物はこちら
  → http://fsf.fra.affrc.go.jp/bulletin/bull-index.html


【イベント情報】
 
◆遠洋水産研究所における成果報告会およびミニシンポジウムの開催について

 遠洋水産研究所が取り組むプロジェクト研究「オペレーティングモデル を用いた混獲・捕獲レベル決定ルールの評価」「三陸沿岸生態系における キタオットセイの摂餌特性の解明及びその捕食がイカナゴ漁業に与える影 響の評価」の成果報告会と、ミニシンポジウム「水産資源評価・管理の課 題と展望」を行います。ご興味のある方はふるってご参加ください。

   日時:平成19年3月8日(木) 9:00〜17:30
   場所:中央水産研究所1階ビデオライブラリー室

     お問い合わせは 遠洋水産研究所外洋資源部 岡村(okamura@affrc.go.jp)  まで

   詳しくはこちら
      → http://fsf.fra.affrc.go.jp/open/sinpo/houkokukai.pdf


【プレスリリース報告】

◆まぐろ研究所の設立について (1月16日リリース)

 まぐろ類は日本人に最も好まれる魚の1つですが、世界的な健康志向の 高まりによる魚食ブームを背景に需要が急増する一方、世界各海域で資 源量の減少が指摘されています。さらに、近年では養殖の増加による小 型魚の漁獲等も問題となっています。将来にわたって安全・安心なまぐ ろを安定的に消費者に供給するには、まぐろ資源の適切な管理、人工種 苗等を用いた積極的な増養殖の推進、漁業の効率化や流通の改善等を総 合的かつ緊急に進める必要があります。

  当センターと水産庁は、緊急かつ効果的にまぐろ研究を進め、まぐろ資 源の持続的な利用を図るため、当センター内におけるまぐろ関係の研究 組織の連携を強化し、その機能を総合的に強力に発揮するため、2月1 日付けで仮想的(バーチャル)な研究組織として「まぐろ研究所」を設 立することとしました。

   詳しくはこちら
       → http://www.fra.affrc.go.jp/pressrelease/pr18/190116/


◆まぐろ研究所の立ち上げについて (2月1日リリース)

 1月16日付けのプレスリリースにより「まぐろ研究所」の設立計画をご案 内しましたが、2月1日付けで水産総合研究センターと水産庁で「まぐろ研究所」 を設立しました。本研究所は仮想的(バーチャル)な研究組織ですが、同日付けで、
  所長 石塚吉生(水産総合研究センター理事)
  まぐろ担当研究開発コーディネーター 小倉未基(業務企画部)
  の体制で業務を開始するとともに、   ホームページ(http://tuna.fra.affrc.go.jp/)を開設しました。

 今後は4月の本格始動にむけて、1.まぐろ資源の持続的利用のための資源管 理の推進、2.積極的なまぐろ類増養殖の推進、3.漁家経営の安定化及び流 通の改善、を柱にして当センター内各機関で実施している既存のまぐろ関連課 題に加え、クロマグロを対象とする新たな研究プロジェクトの企画等、具体的 な研究開発計画の策定に着手します。また、他機関と連携して当センター外の 研究予算獲得に向けて積極的に対応していきます。

   詳しくはこちら
       → http://www.fra.affrc.go.jp/pressrelease/pr18/190201/



  【編集後記】
 
  今日は2月14日、バレンタイン・デーです。英語では「Saint Valentine’s Day」 と書き、「聖バレンタインの日」という意味です。実は、西暦3世紀頃のイタリアに いた、キリスト教司祭であるバレンチノ(英語読みではバレンタイン)が、西暦270年 2月14日に、処刑された日なのです。

 現在、欧米地域では恋人や友達、家族などがお互いにカードや花束、お菓子などを贈る 習慣の日となっています。女性が男性にチョコレートを贈るのは、日本独自の習慣であり、 1958年に、チョコレート業者が東京都内のデパートでの催しで行ったキャンペーン がきっかけだそうです。そして、今ではチョコレートといえばバレンタイン・デーの象 徴のようになってしまいました。

 それじゃあ、水産業者がキャンペーンを行っていれば、さかなにリボンをつけてもらえたのかな?
 


  【配信手続き】

 配信停止、配信先変更等は下記URLにて手続き願います。
 また、ご意見・ご感想等も、どしどしお寄せください。

  配信解除、配信先変更等
→ http://www.fra.affrc.go.jp/mail/index.html

 ご意見・ご感想等  → www@fra.affrc.go.jp  
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