━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

おさかな通信 (水研センターメールマガジン)

第 30 号     平成19年3月14日
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



 読者の皆様、いかがお過ごしでしょうか。

 巷のニュースでは、暖冬だとか、地球温暖化など、よく耳にする今日 この頃です。水研センター本部がある横浜のサクラの開花予想は、3/ 21ということのようですが、今週末には再び冷え込むとの予報のよう です。

 お花見、卒業式、歓送迎会と盛りだくさんのシーズン到来ですが、ま だまだ三寒四温ですので、体調管理にはくれぐれも注意したいものです ね。(担当:O)
  



【目次】

 ◆シリーズ        水産加工品津々浦々「煮干しいわし」
 ◆ローカル便り     栽培漁業技術研修参加者募集!!
               さけ・ます流通情報(平成19年1月末まで)
 ◆お知らせ       研究所等のウェブサイトのアドレス変更
               おさかな瓦版第15号刊行
 ◆イベント情報     「ふるさとの食 にっぽんの食
                全国フェスティバル」に出展します
               帆船日本丸横浜マリタイムミュージアム1階ロビー
               内での水産総合研究センターの調査船等の展示に
               ついて
 ◆編集後記       担当者のひとりごと
 ◆配信手続き      配信停止・配信先変更等



【シリーズ】
  
 水産加工品津々浦々−3 「煮干しいわし」


   日本列島には魚、貝類、イカ、海藻などを素材にした水産加工品 が数え切れないほどたくさん存在します。その中から毎回一品一品 にスポットライトを当てて紹介していくコーナー「水産加工品津々 浦々」。3回目に紹介する水産加工品は、カルシウム満点の「煮干 しいわし」です。成長期のお子さんは必ず食べよう!

 

 ○煮干しとは

 煮干しとは、魚介類の乾製品の一種で、魚介類を煮た後、乾燥さ せたものです。煮干しいわしのような魚類煮干しのほか、サクラエ ビ、ホタルイカ、貝柱、ナマコ、アワビなどの煮干し品があります。
生産の多い魚類煮干しには、原料別にカタクチイワシ、マイワシ、 ウルメイワシを主体にキビナゴ、アジ類、サバ類、イカナゴなどの 煮干しがありますが、最近は、カタクチイワシ製品が多いです。
煮干しいわしは、古くよりかつお節や昆布などとともに、わが国 における代表的な旨味天然だし素材として愛用されてきましたが、 最近では、自然食・健康食ブームの中で、カルシウムなどの補給源 としての評価が高いです。
ここでは、カタクチイワシを主体とした煮干しいわしについてお話します。

 →  http://nrifs.fra.affrc.go.jp/kakou/souran/niboshi/index.htm#1

    ○生産と消費の動向

  全国の煮干しの生産量は、ここ数十年では、平成3年の11万ト ンを最高に、概ね8〜9万トンの間で推移し、生産は横ばい状態に あります。これは、マイワシ資源は激減していますが、煮干しの主 原料でありますカタクチイワシ資源が比較的安定していることや、 消費者の根強い需要によるものと思われます。品目別ではカタクチ イワシを主体とするいわし煮干し、しらす干し製品が多いです。

   →  http://nrifs.fra.affrc.go.jp/kakou/souran/niboshi/index.htm#2


 ○原料選択のポイント

 煮干しの品質は、原料の良否に大きく左右されます。原料の条件 とは、鮮度が良好で腹切れや傷がないこと、脂肪含量が少なく、内 臓に餌を残していないもの、形が揃っていることなどです。特に、 脂肪含量の多いものは脂もの(脂タレなど)といわれ、酸化や変色 など品質が劣化しやすいので、煮干しには向きません。
煮干し原料のサイズについては、カタクチイワシ及びマイワシで それぞれ、シラスで4cm以下、3.5cm以下、カエリで4〜5cm、3.5〜6 cm、小羽で6〜7cm、6〜12cm、中羽で8〜9cm、12〜18cm、大羽で10 cm以上、18cm以上を標準としています。


 ○使用する副原料

 煮るときは塩水で行います。塩水としては、海水をそのまま使用 することが多いですが、真水から塩水をつくる場合は食塩が必要で す。
原料の状況に応じて、ビタミンEなどの酸化防止剤などが使用さ れます。


 ○加工の原理

 塩水で煮ることにより、内臓や筋肉にある消化酵素の働きを失な わさせ、かつ微生物を減らし、タンパク質を凝固させます。乾燥工 程で脱水し水分活性を低下させることによって、保存性が高くなり ます。
また、加熱などにより、旨味成分であるイノシン酸の分解酵素の 働きを止め、イノシン酸の減少も防止します。


 ○実際の製造過程

 煮干し加工は、ある面では時間との戦いでもあり、作業時間の短 縮や省力化及び生産能力の増大、品質の向上のため、最近では機械 化された工場が多くなっています。
 原料は、漁船から水氷につけた状態で加工場に運び込まれます。 煮干しは原料の鮮度が製品の品質を大きく左右するため、漁獲から 加工まで短時間で処理することが最も大切です。
 次に、フォークリフトなどで選別機入り口のタンクに運ばれ、タ ンク内からバケットコンベアーで自動的に鱗とり機と選別機に入り、 目的の原料以外の魚介類や異物が除去されます。その後セイロのせ の行程に入ります。選別された原料はオートフィダーに入り、一定 量(5〜7kg)が落下しながらせいろ(煮ばら)の上に自動的に広げ られます。せいろのサイズは180×90×5cm程度です。せいろ内の原 料はコンベヤー上を移動しながら、上下から噴出した水で洗浄され ます。その後、20枚程のせいろが自動的に積み重ねられ、1組単 位で主にリフトで煮釜へ移動します。

 いよいよ煮る行程です。煮るときは海水を用いて蒸気で加熱され ます。消費者の減塩傾向を踏まえ、一般的には海水に、食塩の追加 添加を行いません。塩水を用いるのは、製品の艶や身のしまりを良 くするためでもあり、真水では艶がでません。しかし、最近では特 殊用途向けで真水で煮た製品も一部あります。
 煮釜は220×220×150cm程度の角型で、通常2連式です。1釜に リフトに吊り下げられた20枚1組のせいろの2組を入れるので、1 回で80枚程度のせいろを処理できます。お湯の温度は95℃前 後に自動調節されており、原料の種類、大きさなどで異なりますが、 カタクチイワシの中小羽では5〜6分程度です。
 脂肪含量の多いものはやや長めに、また温度も新鮮な原料は若干 低めに、鮮度の落ちたものはやや高めに加熱します。加熱が足りな いと色艶がぼけやすく、塩分が少ないと製品に粘りがなく、形が崩 れやすくなります。煮釜の上部に浮上した油分や煮垢は海水の差し 水をしながら洗い流します。その後、魚の付着物は、釜から揚げる とき、真水シャワーで自動的に洗い流されます。

http://nrifs.fra.affrc.go.jp/kakou/souran/niboshi/index.htm#3


 煮熟の終わったものは、機械で自動的に乾燥台車に乗せられ、し ばらく冷やされます。その後、台車ごと乾燥機に入れられます。乾 燥温度は概ね、外気温度から12〜3℃高め、乾燥時間はカタクチ イワシの中羽では24時間程度です。カエリや小羽ではばら返しを 行いますが、中羽では行いません。扱いすぎるとかえって品質を落 としてしまうからです。
 乾燥のばらつきを防止するため、送風機が移動し、送風方向が自 動的に変わり台車の入れ替えをしないですむ乾燥機も使用されてい ます。冬場など天気の良い場合は、天日乾燥も行われます。また天 日乾燥と機械乾燥が併用される場合もあります。カタクチイワシの 場合、天日乾燥の方が色艶が青みを帯び、しなやかで良好なものが できます。また、削り原料とする煮干しの場合も、天日乾燥の方が しなやかに仕上がり、削りやすいようです。原料からの歩留まりは 25%程度となります。


 ○製品の形態・包装等

 生産者の段階では、8kgの段ボール箱に入れることが多いです。 小売では100g〜1kg程度の小袋に詰められます。


 ○品質管理のポイント

 吸湿による乾燥のもどり、カビなどの発生、脂質の酸化や変色、 異物混入などが問題となります。
脂質の酸化及び変色防止には−30℃以下の凍結貯蔵が有効とさ れます。異物混入防止に十分な選別及び金属検知作業が必要です。


 ○成分の特徴

 カルシウムが多く、骨などの栄養源として有用です。呈味(ていみ) 成分としては、イノシン酸が多く煮干しの味の主体となっています。 アミノ酸バランスも良好です。

 →  http://nrifs.fra.affrc.go.jp/kakou/souran/niboshi/index.htm#4

 ○食べ方

 だし用として使用する場合には、そのまま煮ると「えぐみ」が出や すいので、頭と内臓を取り除き、水4〜5カップに煮干し40g程度 を入れ、中火にかけ、煮立つ直前に弱火にしてアクをすくい取り約 10分間煮ます。煮干しが沈んだら、布などでこして使用します。最 近ではそのまま食べる用途も増大しています。

 
 いかがでしたでしょうか。意外と知らないことがたくさんあった 人も多かったのではないかと思われます。

 これらは、「全国水産加工品総覧」 編集委員会編 監修 福田裕
山澤正勝 岡崎惠美子 A5判、638頁、¥7,500(本体)+税 発行所
(株)光琳を参考に記述致しました。

 この本は水産総合研究センターが主催する水産利用関係試験研究推 進会議において、刊行することが合意され、都道府県の試験研究機関 関係者など約150名もの専門家により執筆されたものです。
さらに詳しく知りたいなど、ご興味がある方は、この本を是非ご覧 になって下さい。


 詳しくはこちらから
 → http://www.korinbook.com/main/book/zenkokusuisan.html



【ローカル便り】
  
◆平成19年度 栽培漁業技術研修参加者募集を開始します

 水産総合研究センターでは、都道府県の水産試験場、栽培漁業セン ター、公益法人等の栽培漁業関係者を対象に、毎年栽培漁業に関する 技術研修を実施しています。
つきましては、研修にご参加いただける方を募集しています。ご応 募お待ちしております。

詳しくはこちらから
 → http://ncse.fra.affrc.go.jp/12kensyu/090kensyu_001.html


◆さけ・ます流通情報 東京都中央卸売市場情報(平成19年1月末まで)

 水産総合研究センターでは、東京都中央卸売市場が毎月発表する市 場取引情報から、流通の様子が一目でわかるグラフを作成しています。

 詳しくはこちらから
 → http://salmon.fra.affrc.go.jp/zousyoku/ryutu/ryutu.htm#tukiji



  
  【お知らせ】

◆研究所等のウェブサイトのアドレス変更のお知らせ

 水産総合研究センターの研究所等のウェブサイトは、4月3日から、下記 アドレスに変更になります。
 お手数ですが、ブックマーク、リンク等の変更をお願いします。

  研究所等        4月3日以降
-------------------------------------------------------------
水産総合研究センター →http://www.fra.affrc.go.jp→変更はありません
北海道区水産研究所  →http://hnf.fra.affrc.go.jp
東北区水産研究所   →http://tnfri.fra.affrc.go.jp
中央水産研究所    →http://nrifs.fra.affrc.go.jp
日本海区水産研究所  →http://jsnfri.fra.affrc.go.jp
遠洋水産研究所    →http://fsf.fra.affrc.go.jp
瀬戸内海区水産研究所 →http://feis.fra.affrc.go.jp
西海区水産研究所   →http://snf.fra.affrc.go.jp
養殖研究所      →http://nria.fra.affrc.go.jp
水産工学研究所    →http://nrife.fra.affrc.go.jp
さけますセンター   →http://salmon.fra.affrc.go.jp
開発調査センター   →http://jamarc.fra.affrc.go.jp
栽培漁業センター   →http://ncse.fra.affrc.go.jp
まぐろ研究所     →http://tuna.fra.affrc.go.jp→変更はありません
-------------------------------------------------------------

◆おさかな瓦版第15号を刊行しました。

 このたび、当センターのニューズレター「おさかな瓦版」第15号を刊行し ました。
 今号より新しいシリーズ「東シナ海のさかなたち」が始まりました。最初に 取り上げたさかなは、昔も今も以西の主役「キダイ」です。

 また、開発調査センターが取り組む、いかつり漁業における新しい集魚方法 の開発の話なども必見です。
 「おさかなクイズ」のコーナーでは、さかなに関する豆知識などもわかりや すく掲載しています。次号は、平成19年4月13日刊行予定です。

第15号はこちら
  → http://www.fra.affrc.go.jp/buelltin/letter/no15.pdf

その他、水研センター発行の刊行物はこちら
  → http://www.fra.affrc.go.jp/buelltin/bull-index.html



   
【イベント情報】
 
◆「ふるさとの食 にっぽんの食 全国フェスティバル」に出展します

 水産総合研究センターでは、3月17日(土)〜18日(日)の2 日間、NHK放送センター前広場(東京都渋谷区)で開催される本イ ベントに、昨年に引き続き出展します。

 当日は、かつお一本釣り体験コーナーやミニ水族館、タッチプール などをご用意し、皆様のお越しをお待ちしています。

 ぜひ、この機会にご近所お誘い合わせの上、お立ち寄りください。

   日 時  平成19年3月17日(土)18日(日)10:00〜16:00
  場 所  NHK放送センター前広場ほか(東京都渋谷区)
  入場料  無料

 詳細はこちら → http://www.nhk.or.jp/shokuryo/

 昨年の様子 →  http://www.fra.affrc.go.jp/new/nhk2006.htm



◆帆船日本丸横浜マリタイムミュージアム1階ロビー内での 水産総合研究センターの調査船等の展示について

 横浜マリタイムミュージアムは港と船をテーマとする博物館で、館内に は、船や港の模型、航海用具、港の荷役道具や操船シミュレーションゲー ムなどさまざまな展示をしている施設です。

 このたび、3/20(火)〜4/3(火)の2週間、横浜マリタイムミ ュージアム1階ロビー内にて「水産総合研究センターってどんなところ! ?」と題し、漁業調査船の模型をはじめ、さかなのはく製、調査機材の展 示などを通じて、水産総合研究センターの活動を紹介いたします。

 展示期間:平成19年3月20日(火)〜4月3日(火)

 開館時間:午前10:00〜午後5:00

 展示場所:横浜マリタイムミュージアム1階ロビー内
        (横浜市西区みなとみらい2−1−1)

 入場料金:水研センターが展示している1階ロビーは無料。
       常設の展示をご覧頂くには、入館料金が必要です。

   詳しくはこちら
      → http://www.nippon-maru.or.jp/

 

【編集後記】
 
  本日、3月14日はホワイトデー。1ヶ月前のバレンタインデーに女性 からプレゼントをもらった男性は、お返しの贈り物をする日です。日本で バレンタインデーが定着するにつれて、若い世代の間でそれにお返しをし ようという流れの中、菓子業界が昭和50年代に入ってから、クッキーやマ シュマロ、キャンデー等を「お返しの贈り物」として宣伝販売するように なった日です。

  何故ホワイトなの?という疑問があるところですが、これはキャンデー の材料である砂糖が白色だからとか、マシュマロは白いからだと言われています。

 しかし、最近では、デパートなどが食品以外を贈るキャンペーンを行っ たり、菓子業界が、手焼きクッキーを販売するようになり、だんだん多様 化しつつあるようです。

 水産物の消費を増やすのに、イクラを贈ってオレンジデー、わかめを 贈ってグリーンデーでなんてどうでしょう。
 


  【配信手続き】

 配信停止、配信先変更等は下記URLにて手続き願います。
 また、ご意見・ご感想等も、どしどしお寄せください。

  配信解除、配信先変更等
→ http://www.fra.affrc.go.jp/mail/index.html

 ご意見・ご感想等  → www@fra.affrc.go.jp  
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
編集・刊行・配信:
独立行政法人 水産総合研究センター
経営企画部 広報室

〒220−6115                    
神奈川県横浜市西区みなとみらい2-3-3 クイーンズタワーB15階
TEL 045-227-2600(代) FAX 045-227-2700       

Copyright 2006, Fisheries Research Agency
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−