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おさかな通信 (水研センターメールマガジン)

第 31 号     平成19年4月11日
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 読者の皆様、いかがお過ごしでしょうか。

 ついに春がやってきました!朝晩の冷え込みも緩み、スポーツに勉 学に仕事に遊びにと、何をするにもいい季節です。

 水産総合研究センターでは、まぐろの未来について考えるシンポジ ウムを4/26に開催することとしています。皆様、ご近所お誘い合 わせの上、是非ご来場ください。くわしくはお知らせのコーナーで。 (担当:O)
  



【目次】

◆シリーズ        水産加工品津々浦々「えびせんべい」
◆ローカル便り     宮古栽培漁業センターが宮古市から表彰されました
              所蔵古文書目録−山口県関係史料−を刊行
◆お知らせ       研究所等のウェブサイトのアドレス変更
              大型クラゲ加工マニュアルの刊行
              まぐろ研究所立ち上げ記念シンポジウムの開催
◆イベント報告     「ふるさとの食 にっぽんの食 全国フェスティバル」
              に出展しました
              横浜マリタイムミュージアム1階ロビー内で、
              当センターの事業活動を紹介する展示を行いました
◆プレスリリース報告  新たなイセエビ幼生の飼育方法を開発
              元気に育つウナギ卵を遺伝子で見分ける
◆編集後記       担当者のひとりごと
◆配信手続き      配信停止・配信先変更等



【シリーズ】
  
 水産加工品津々浦々−4 「えびせんべい」


   日本列島には魚、貝類、イカ、海藻などを素材にした水産加工品 が数え切れないほどたくさんあります。その中から毎回一品一品に スポットライトを当てて紹介していくコーナー「水産加工品津々浦 々」。4回目に紹介する水産加工品は、子供も大好き「えびせんべ い」です。

 

 ○えびせんべいとは

 えびせんべいとは、えびのすり身とデンプンを混ぜ、型にはめて焼 いて作る伝統的な水産加工品で、愛知県で多く生産されています。

 →  http://nrifs.fra.affrc.go.jp/kakou/souran/ebisen/index.htm#1

 明治の中頃、三河の藩豆地方は豊かな三河湾で獲れる魚で大いに 栄えていました。「アカシャエビ」は古くから三河湾で大量に漁獲 されていたエビでしたが、当時食用としての需要はふるわず、一部 は乾燥加工され、「カジエビ」という名で中国に輸出されていまし た。その中国では、この乾燥エビをせんべいに入れて加工し、再び 日本へ輸出していたそうです。

 そのせんべいは、庶民の手には届かないとても高価なものでした。 この地方で蒲鉾等の練り物の製造を生業としていた通称「かまぼこ 文吉」が、このエビを地元で加工できないかと工夫し考えたのが、 この地方のえびせんべいの由来とされています。

 さらに、伊勢富田の地から来往した通称「ひげ貞」により、蒸し 器で一度に多量のエビを処理することが工夫され、これまで高価で あった中国製品に対し、安価でかつ多量にえびせんべいを生産でき るようになり、この地方がえびせんべいの産地となりました。以後、 米せんべいとの違いを説明しながら県内外へと販路を拡大し、現在、 愛知県はえびせんべい生産量全国一となっています。

 えびせんべいには、当日水揚げされた新鮮なえびをふんだんに使 って焼き上げる手焼きと、機械自動焼きの製品があります。手焼き はすべての工程で長年の勘と熟練した技術が要求されます。

 エビのみを用いたシンプルなえびせんべいや、エビ以外の副原料 も加えたえびせんべいなど、現在、100種類にも及ぶえびせんべ いが製造されています。焼いた後に油で揚げたえびせんべいは人気 があり、大手メーカーの二度焼き(堅焼き)えびせんべいは、お土 産として有名です。


 ○生産と消費の動向

 愛知県の三河地方と知多地方が主な生産地域であり、生産業者は 両地方合わせて100社前後です。出荷額は工業統計などから、両 地方合わせて200億円と推定され、これに土産品のえびせんべい 大手メーカーを加えると300億円を越えると推定されます。


 ○原料選択のポイント

 三河湾や伊勢湾で獲れる良質なエビを使用します。手焼き製品な どの高級品はエビの割合が高いです。デンプンは、北海道産の良質 なばれいしょから採れるデンプンを使用します。


   ○加工の原理

 えびせんべいはデンプンの膨らむ力を利用したお菓子で、デンプ ンの品質、生地の水分などが製品の品質を左右します。

 →  http://nrifs.fra.affrc.go.jp/kakou/souran/ebisen/index.htm#2


 ○実際の製造過程

 原料は、当日水揚げされたエビ、もしくは冷凍エビを使用します。 手焼き製品では、むき身の生エビを使用し、高級品は丸エビのまま 使用します。エビのすり身とデンプン、水の配合、味付けなどは製 品によりまちまちですが、一例を挙げると、エビ10%、デンプン 60%、水約30%の割合となっています。高級品はエビの割合が 高くなっています。これらを練り機で時間をかけずに攪拌します。 手焼き製品においてはこの練りが風味を決めるため、熟練の技術が 必要となります。

 次に、一定量の生地を丸い型に詰めて成形し、電熱の焼き板に乗 せます。製品によって温度が異なりますが、150〜180℃で、 短いものは、20〜30秒、長くて2〜3分で焼き上げます。二度 焼きの製品の場合は、160℃前後で1分程度焼いた後、切断、 50℃前後で3時間程度乾燥し、180℃前後で1分程度焼きます。 手焼きにおいては、ちょうど良い厚みになるように鉄板を絞めて焼 くため、熟練の技術が必要となります。

 続いて油揚げをする場合は、焼いたせんべいを円筒状のふるいに 入れ、割れた小片、バリ等を落とします。一定量をフライヤーに投 入し、180℃で50〜60秒揚げます。その後、遠心分離型の振 動式脱油機で油切りを行い、塩やシーズニング、調味料で味付けし ます。最後に80〜90℃の乾燥機で50〜60分乾燥させ、調味 料のべたつきをなくします。

 機械自動焼きの場合、製品が出来上がるまでの時間は約2〜3時 間ですが、手焼きでは約5〜6時間かかります。

http://nrifs.fra.affrc.go.jp/kakou/souran/ebisen/index.htm#3

 
    ○製品の形態・包装等

 一般的にはそのまま袋詰めされますが、割れ防止と見栄えを良く するためトレーに入れる場合があります。品質保持のため、アルミ 蒸着の包装や窒素ガス充填を行う場合もあります。


 ○使用する副原料

 エビ、タコ、海苔、青海苔、アサリ、アーモンドなどが飾りとし て使用されます。海苔、胡麻、ワカメ、牛蒡、青紫蘇、梅、山葵、 いか墨、唐辛子、玄米などが練り込み原料として使用されます。

 
 ○食べ方

 お茶請けとしてそのまま食べます。

 
 いかがでしたか。意外と知らないことがたくさんあった人も多かっ たのではないでしょうか。

 これらは、「全国水産加工品総覧」 編集委員会編 監修 福田裕
 山澤正勝 岡崎惠美子 A5判、638頁、¥7,500(本体)+税 発行所
 (株)光琳を参考に記述致しました。

 この本は水産総合研究センターが主催する水産利用関係試験研究推 進会議において刊行することが合意され、都道府県の試験研究機関関 係者など約150名もの専門家により執筆されたものです。
 さらに詳しく知りたいなど、ご興味がある方は、この本を是非ご覧 になって下さい。


 詳しくはこちらから
 → http://www.korinbook.com/main/book/zenkokusuisan.html



【ローカル便り】
  
  ◆宮古栽培漁業センターが宮古市から表彰されました

 平成19年3月30日に宮古栽培漁業センターは、岩手県立水産科学館 開館20周年の感謝状を同科学館の指定管理者である宮古市長から贈呈 されました。

   県立水産科学館では、平成5年からエントランスの水槽13基で魚介 類の展示を行っており、入館者からは地元三陸の魚介類を直接観察で きるということで大変好評だったようです。宮古栽培漁業センターは、 広報活動の一環として、同センターの技術開発であるヒラメ、クロソ イ、ホシガレイ、ニシンの稚魚を提供し、地元機関として県立水産科 学館の盛り立てに一役かっていたことが評価されて今回の表彰に至り ました。

詳しくはこちらから
 → http://ncse.fra.affrc.go.jp/00kenkyu/001topics/060topics_105.html


◆水産総合研究センター所蔵古文書目録−山口県関係史料−を刊行しました

 中央水産研究所図書資料館には、約25万点の古文書と筆写稿本(所有 者の許しを得て筆写したもの)が保管されています。これらの資料は、 水産庁が財団法人日本常民文化研究所に委託して、昭和24年から6年かけ て収集したもので、漁業制度の参考資料とするためのものであったこと から、「漁業制度資料」と呼ばれています。内容は、近世から近代にか けての全国の漁業および漁村の制度に関する文書であり、漁業と日本人 の関わりを具体的に伝える最大級の資料群です。

 水産庁水産資料館からこの漁業制度資料を平成5年に引き継いだ中央水 産研究所では、上記約25万点のうち約5万点の古文書について、水産庁が 行った粗目録の作成を引継いで平成7年度から神奈川大学日本常民文化研 究所に委託するかたちで整理を行い、順次目録化してきました。

 詳しくはこちらから
 → http://nrifs.fra.affrc.go.jp/book/hist-docs/hist-docs.html



  
  【お知らせ】

  ◆研究所等のウェブサイトのアドレス変更のお知らせ

 水産総合研究センターの研究所等のウェブサイトは、4月3日から、 下記アドレスに変更になりました。
 お手数ですが、ブックマーク、リンク等の変更をお願いします。

  研究所等          4月3日以降
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 水産総合研究センター  → 変更はありません
  北海道区水産研究所  → http://hnf.fra.affrc.go.jp
  東北区水産研究所   → http://tnfri.fra.affrc.go.jp
  中央水産研究所     → http://nrifs.fra.affrc.go.jp
  日本海区水産研究所  → http://jsnfri.fra.affrc.go.jp
  遠洋水産研究所     → http://fsf.fra.affrc.go.jp
  瀬戸内海区水産研究所 → http://feis.fra.affrc.go.jp
  西海区水産研究所   → http://snf.fra.affrc.go.jp
  養殖研究所       → http://nria.fra.affrc.go.jp
  水産工学研究所    → http://nrife.fra.affrc.go.jp
  さけますセンター   → http://salmon.fra.affrc.go.jp
  開発調査センター   → http://jamarc.fra.affrc.go.jp
  栽培漁業センター    → http://ncse.fra.affrc.go.jp
  まぐろ研究所     → 変更はありません
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  ◆大型クラゲ加工マニュアルを刊行しました

 水産総合研究センターでは、農林水産技術会議による先端技術を 活用した農林水産研究高度化事業「大型クラゲの大量出現予測、漁 業被害防除及び有効利用技術の開発」において、福井県農業試験場 食品加工研究所、青森県ふるさと食品加工センター、鳥取県商工労 働部産業技術センターと共同で、大型クラゲの有効利用技術の開発 に取り組んできました。

 取り組みの結果、水分を効率的に除去する方法、美味しく食べる ための新しいアイデアや、地場産品としての利用が見いだされた製 品も出てきたことから、今般、これらの成果をわかりやすくまとめ、 「大型クラゲ加工マニュアル」として印刷刊行しました。


    詳しくはこちら →http://www.fra.affrc.go.jp/pressrelease/pr18/190316/kurage4.pdf

   
     ◆まぐろ研究所立ち上げ記念シンポジウム
 「まぐろ関連研究、今後の研究展開方向」を開催します

 水産総合研究センターでは、安定したまぐろ産業の実現と資源の 適正利用によるまぐろ類の安定供給を目指し、分野横断的に研究開 発を加速するため「まぐろ研究所」を立ち上げました。これを記念 し、シンポジウム「まぐろ関連研究、今後の研究展開方向」を開催 します。

 本シンポジウムでは、急展開する国際情勢、クロマグロ養殖研究 における成功、さらに水産研究全体への要望について紹介していた だいた上で、水産庁と水産総合研究センターが中心となって推進す るまぐろ類研究総合プロジェクトについて今後の推進方向を検討す る場にしたいと考えています。

    日時:平成19年4月26日(木)13:00〜17:00(開場12:30)
    場所:東京海洋大学 楽水会館大会議室
     (鈴木善幸記念ホール:東京都港区港南4−5−7)

     申し込み等は不要で,どなたでもご参加いただけます。

  プログラム:
  開会
   あいさつ:川口恭一(水産総合研究センター理事長)
  招待講演
   (1)まぐろを取り巻く国際情勢:末永芳美(東京海洋大学)
   (2)クロマグロ養殖研究の軌跡:村田修(近畿大学)
   (3)水産研究、特にまぐろ類の研究に期待するもの:
     岡本信明(東京海洋大学)
  まぐろ類研究の方向
   (4)まぐろ研究所が目指すもの:石塚吉生
    (水産総合研究センター理事・まぐろ研究所長)
   (5)天然資源の持続的利用に向けて:本多仁
    (水産総合研究センター・遠洋水産研究所)
   (6)増養殖技術を用いた供給体制の確立に向けて:
     塩澤聡(水産総合研究センター・奄美栽培漁業センター)
   (7)健全で持続的なまぐろ産業の育成に向けて:
     木村郁夫(水産総合研究センター・中央水産研究所)
  総合討論:魚住雄二(水産庁)


    詳しくはこちら →http://tuna.fra.affrc.go.jp/event/sympo/index.html


【イベント報告】
 
 ◆「ふるさとの食 にっぽんの食 全国フェスティバル」に出展しました

 水産総合研究センターでは、3月17日(土)〜18日(日)の2 日間、NHK放送センター前広場(東京都渋谷区)で開催される本イ ベントに、昨年に引き続き出展しました。

 このフェスティバルは、全国の食文化を見つめ直し、次世代に伝え ていくため、JA全中、JF全漁連、大日本水産会、NHKが実行委 員会を組織して、毎年開催されているものです。当センターも、水産 に関する知識・理解を深めていただくため、協力・出展しています。

    詳しくはこちら → http://www.fra.affrc.go.jp/topics/190318/index.html

  

 ◆横浜マリタイムミュージアム1階ロビー内で、当センターの事業活動   を紹介する展示を行いました

 独立行政法人水産総合研究センターは、平成19年3月20日(火) 〜4月3日(火)の2週間にわたり、財団法人帆船日本丸記念財団の ご配慮により、横浜マリタイムミュージアム1階ロビー内をお借りし て当センターの事業活動を紹介する展示を行いました。

 展示の概要は、漁業調査船の模型の展示、海洋観測機器の展示、 「もとの姿」を学習する展示など、同ミュージアムに訪れた子供たち から年配の方まで多くの方に楽しんでいただき、また、水産総合研究 センターの活動に理解を深めていただきました。

   詳しくはこちら
      → http://www.fra.affrc.go.jp/topics/190403/index.html

 
【プレスリリース報告】

  ◆新たなイセエビ幼生の飼育方法を開発
     −イセエビ種苗の安定生産を目指して−(3月26日リリース)

 独立行政法人水産総合研究センターでは、平成17年度から実施してい る農林水産省委託プロジェクト研究「ウナギ及びイセエビの種苗生産技 術の開発」において、イセエビの安定的な種苗生産技術の開発に関する 研究を進めています。

 イセエビは、甲殻類の中でも幼生期間が300日以上と長いこともあり、 飼育が大変困難な種です。イセエビ幼生の飼育では、細菌性疾病の発生 による死亡が生残率を低くする大きな原因となっていますが、この度、 取り扱いが容易なアミノ酸(グリシン)を利用して細菌の増殖を抑制す ることにより、高い生残率と成長を得ることに成功しました。

 
 詳しくはこちら
     → http://www.fra.affrc.go.jp/pressrelease/pr18/190326-1/



  ◆元気に育つウナギ卵を遺伝子で見分ける
     −健全なウナギ種苗の生産に向けて新たな一歩−(3月26日リリース)

 独立行政法人水産総合研究センターでは、平成17年度から実施してい る農林水産省委託プロジェクト研究「ウナギ及びイセエビの種苗生産技 術の開発」において、ウナギ未受精卵中に存在する母親由来の遺伝子の うち、ウナギ仔魚が元気に育つ卵に多く含まれる良質卵関連遺伝子の単 離に成功しました。
 さらに、マイクロアレイ法(スライドガラス上で遺伝子の量や種類を 一度に調べる方法)を用いることで、未受精卵中の良質卵関連遺伝子の 蓄積量や種類の異常を一度に検出できる技術を開発しました。


 詳しくはこちら
     → http://www.fra.affrc.go.jp/pressrelease/pr18/190326-2/



【編集後記】
 
   本日、4月11日はガッツポーズの日です。1974年のこの日、東京の日大 講堂で行われたボクシング世界ライト級タイトルマッチで、挑戦者のガッツ石松 選手がチャンピオンのロドルフォ・ゴンザレス選手(メキシコ)にKO勝ちした 日だそうです。

 ガッツ石松選手はコーナーポストによじ登り、両手を挙げて勝利の喜びを表わ した姿を、新聞記者が「ガッツポーズ」と表現したのが、「ガッツポーズ」のはじま りといわれています。

 歴史に自分の名が残るような、有名人になりたいものですね。
 


  【配信手続き】

 配信停止、配信先変更等は下記URLにて手続き願います。
  また、ご意見・ご感想等も、どしどしお寄せください。

  配信解除、配信先変更等
→ http://www.fra.affrc.go.jp/mail/index.html

 ご意見・ご感想等  → www@fra.affrc.go.jp  
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編集・刊行・配信:
独立行政法人 水産総合研究センター
経営企画部 広報室

〒220−6115                    
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