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おさかな通信 (水研センターメールマガジン)

第 33 号     平成19年6月13日
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 読者の皆様、いかがお過ごしでしょうか。

   例年だと、本州地方が梅雨入りしました・・・などというニュース が入ってくるころですが、本年は前線の動きが遅くあと数日は、かか るようです。
 本年はラニーニャ現象(太平洋赤道域の海面水温が中部から東部に かけて低くなる現象)が起きているということで、梅雨期に降水量が 多く、梅雨明けは早い傾向にあるそうです。
 短い期間にどっと雨が降ることになりそうなので、お天気情報は注 意深く見ておきましょう。(担当:O)
  



【目次】

◆シリーズ      水産加工品津々浦々「塩蔵くらげ」
◆ローカル便り   北海道におけるさけますふ化放流に係わる覚書を締
            結
            大型さんま棒受網漁船の経営の安定を図るために
             ワムシの高密度輸送試験の実施状況(2001〜2005)
             水産業の健全な発展のために−調査船モニタリングの
            役割と現状−
            データベース「内水面環境調査・河川工作物による漁
            場環境調査」を公開
            本年度も、いきいき学級を開催しました
            長崎鶴洋高校生徒による施設見学と実習
            UJNRのホームページを更新しました
            平成19年度日本水産工学会賞を受賞
◆お知らせ      さかなと森の観察園のHPをリニューアル
            おさかな瓦版第17号を刊行
◆イベント情報   大型クラゲによる漁業被害を軽減させる技術に関する
            シンポジウムの開催について
            水産海洋地域研究集会「仙台湾の環境と漁業」の開催
            について
◆プレスリリース
      報告   東北地方のふ化場で採卵授精方法の改善によりサケの
            ふ化率が約10%向上
            水産庁漁業調査船照洋丸による東シナ海大型クラゲ分
            布調査の実施について
◆編集後記     担当者のひとりごと
◆配信手続き    配信停止・配信先変更等



【シリーズ】
  
 水産加工品津々浦々−6 「塩蔵くらげ」


 日本列島には魚、貝類、イカ、海藻などを素材にした水産加工品 が数え切れないほどたくさんあります。その中から毎回一品一品に スポットライトを当てて紹介していくコーナー「水産加工品津々浦 々」。6回目に紹介する水産加工品は、いろいろな加工品として商 品開発されているクラゲ。その中でも代表的な加工品である「塩蔵 くらげ」です。

 

 ○塩蔵くらげとは

 クラゲはアジア諸国で漁獲されており、特に中華料理の素材とし て使われています。クラゲは生のままでは軟らかく崩れやすいため、 一般的には食塩とミョウバンで塩蔵してから食用としますが、植物 の葉や樹液などを用いた加工方法も知られています。塩蔵したもの は冷蔵保存も可能となります。
  
→  http://nrifs.fra.affrc.go.jp/kakou/souran/enzoukurage/index.htm#1

 食用にされる日本産のクラゲは主にヒゼンクラゲ、ビゼンクラゲ、 エチゼンクラゲの三種で、いずれも鉢クラゲ綱の根口(ねくち)ク ラゲ目に属します。有明海沿岸域では8〜10月頃にヒゼンクラゲ (地方名しろくらげ)およびビゼンクラゲ(地方名あかくらげ)を すくい網、固定式さし網などで漁獲して塩蔵、食用にします。傘長 はヒゼンクラゲで最大1m、ビゼンクラゲで70cmに達しますが、 いずれも数ヶ月間で急速に成長します。

 ビゼンクラゲはその名の通り、古くから岡山県の児島湾産のもの が知られていましたが、最近では数が減っています。近年、日本海 でエチゼンクラゲが大量に発生して漁業に被害をもたらし、社会問 題となっています。



 ○原料選択のポイント

 ビゼンクラゲと比べてヒゼンクラゲは肉質が軟らかく、同じヒゼ ンクラゲでも傘の表面に赤い斑点があるものの方が塩蔵したときに 固く締まるため保存性がよく、斑点のないものは溶けて流れやすい と言われています。ただし、この斑点がクラゲのどの器官に相当す るかは不明です。
 

 ○加工の原理

 クラゲの成分はほとんどが水分ですが、塩蔵などの加工により脱 水、防腐、タンパク質凝固が促され、保存性が高まります。

   →  http://nrifs.fra.affrc.go.jp/kakou/souran/enzoukurage/index.htm#2


 ○実際の製造過程

 福岡県有明地区では、漁業者が漁獲したクラゲを個人で加工、出 荷することが多く、人や地域によって加工の方法は異なります。標 準的な製造工程は、原料→触手除去→洗浄→塩蔵→出荷という流れ になっていますが、触手除去を省略する人や、洗浄後切り分けてか ら塩蔵する人もいます。また、食塩とミョウバンの混合比も6:4 〜6:1とさまざまになっています。

     →  http://www.korinbook.com/main/book/zenkokusuisan.html



【ローカル便り】
  
 ◆北海道におけるさけますふ化放流に係わる覚書を締結

 5月25日、北海道庁において、独立行政法人水産総合研究センター、 北海道水産林務部、社団法人北海道さけ・ます増殖事業協会は、さけ ますふ化放流に係わる三機関の相互協力を推進するため覚書を締結しました。

  → http://www.fra.affrc.go.jp/topics/190525/


 ◆大型さんま棒受網漁船の経営の安定を図るために
      −さんま棒受網漁業における北太平洋公海漁場の開発−

 開発調査センターでは、大型さんま棒受網漁船の経営の安定を図る ため、未利用資源である公海を中心とする北太平洋のサンマ資源を対 象とした調査を実施します。
 調査は、大型さんま棒受網漁船「第六十三幸漁丸」(199トン)を用 船して、平成19年5月20日〜19年7月20日まで北太平洋中・西部の調査海域で行います。

  → http://www.fra.affrc.go.jp/pressrelease/pr19/190517/


 ◆ワムシの高密度輸送試験の実施状況(2001〜2005) 

 能登島栽培漁業センターでは、ワムシの大量輸送に関する技術開発 を進めてきた結果、低水温に強いL型ワムシBrachionus plicatilisを ダンボール箱(大きさ:52×29×39cm)1個に億単位で梱包して冷蔵 宅配する “高密度輸送法”を2001年に開発し、この方法を利用した 試験を5年間行った結果をまとめました。

  → http://ncse.fra.affrc.go.jp/00kenkyu/001topics/060topics_110.html


 ◆水産業の健全な発展のために−調査船モニタリングの役割と現状−

 北海道ブロック水産業関係研究開発推進会議資源・海洋部会では、 モニタリング調査の重要性の確認とこれまでの研究成果を整理し、 「調査船モニタリングPR用パンフレット」を作成しました。
 内容は、各試験研究機関が行っている調査船によるモニタリング 調査の目的、成果とその活用等が盛り込まれています。

  → http://hnf.fra.affrc.go.jp/monitoring/pr.htm


 ◆データベース「内水面環境調査・河川工作物による漁場環境調査」を公開 

 高度成長期以降、日本の河川では、利水・治水や発電のためにダ ムや堰等の河川工作物の建設と河川改修工事が行われ、内水面漁業 に少なからず悪影響を及ぼしていると言われてきました。しかしそ の影響実態に関しては、まとまった詳細データに乏しいのが現状です。
 中央水産研究所では、全国の内水面漁業協同組合を対象にアンケ ート調査を実施し、河川工作物が内水面漁業に与える影響の実態を 調べ、データベースを構築しました。

  → http://nrifs.fra.affrc.go.jp/kasen/kousaku/


 ◆本年度も、いきいき学級を開催しました

 瀬戸内海区水産研究所では、廿日市市内(旧大野町)にある大野東 小学校が実施している総合学習『いきいき学級』への協力を始めて、 今年で6年目となります。『いきいき学級』では瀬戸内海の特徴や干 潟の生物の役割について、教室での学習のほか実際の干潟を使った体 験学習を行うなど、自然に触れあう機会づくりに協力しています。
 今年もこれまでと同様に4年生を対象とし、干潟に棲む生きものを 見つける干潟観察会を5月15日〜16日の2日間に渡り実施しました。

  → http://feis.fra.affrc.go.jp/event/h19ikiiki/h19ikiikihoukoku.html


 ◆長崎鶴洋高校生徒による施設見学と実習

 平成19年6月7日(木)、長崎県立長崎鶴洋高等学校水産増殖科 3年生13名(先生含む)が、施設見学と水産実習のため西海区水産 研究所を訪れました。
 午前中は研究所紹介、施設見学、東シナ海における底魚・浮魚資源 の変遷や、今後の動向等の講義をきいて魚の資源について勉強しまし た。午後は、測定室においてマアジ・キダイの体長測定や、耳石の摘 出、耳石及び鱗による年齢査定等の実習を行いました。

  → http://snf.fra.affrc.go.jp/temporary/topics/kakuyou.html


 ◆UJNRのホームページを更新しました

 UJNRとは、1964年(昭和39年)に設立された天然資源の利用に関す る日米会議(U.S.-Japan Cooperative Program in Natural Resources) の略称です。同会議の水産増養殖部会(Aquaculture Panel)は、1968年 (昭和43年)に設置され1971年から合同会議がはじまり、日本とアメ リカで交互に合同会議およびシンポジウムが開催されています。日本側 は独立行政法人水産総合研究センターが、アメリカ側は国立海洋気象局 (NOAA)が窓口となって、研究者の交流や共同研究を行っています。

  → http://nria.fra.affrc.go.jp/ujnr/top.htm


 ◆平成19年度日本水産工学会賞を受賞

 水産工学研究所 業務推進部長の武内 智行が取り組んできた「沿岸域 の漁場水理に関する総合研究」に対し、平成19年度日本水産工学会賞 が授与されました。
 日本水産工学会では、水産工学に関する学問または技術の進歩に貢献 する優秀な業績を挙げた会員に、日本水産工学会賞を授与するとされています。

  → http://nrife.fra.affrc.go.jp/topics/20070523/topics_20070523.html


  
  【お知らせ】

 ◆さかなと森の観察園のHPをリニューアルしました。

 「さかなと森の観察園」は中禅寺湖のほとりにある水産総合研究 センターの広報施設です。ここでは研究所の敷地の一部を公開して おり、内水面(ないすいめん)(河川や湖沼など)にすむ「さけ・ ます」類について学ぶことが出来ます。

 HPより団体観覧をお申し込み頂けるようになりましたので、是非こちらをご利用ください。

  → http://www.fra.affrc.go.jp/nikko/index.html


 

 ◆おさかな瓦版第17号を刊行しました。

 このたび、当センターのニューズレター「おさかな瓦版」第17号 を刊行しました。
 シリーズ「東シナ海のさかなたち」第3回目に取り上げたさかなは、 頭は堅いが人気者「がっつ」です。

 また、開発調査センターが取り組む、北の赤い宝石を守る話なども 必見です。
 「おさかなクイズ」のコーナーでは、さかなに関する豆知識なども わかりやすく掲載しています。次号は、平成19年8月10日刊行予定です。

   
  第17号はこちら
   → http://www.fra.affrc.go.jp/bulletin/letter/no17.pdf

その他、水研センター発行の刊行物はこちら
   → http://www.fra.affrc.go.jp/bulletin/bull-index.html



【イベント情報】
 
 ◆大型クラゲによる漁業被害を軽減させる技術に関する
   シンポジウムの開催について

 大型クラゲは近年頻繁に大量出現し、漁業に大きな被害を与えてい ます。その漁業被害を軽減するために、独立行政法人水産総合研究セ ンターでは、国の事業を通じ、技術開発や支援を行ってきました。ま た、現場の独自の発想から新しい技術開発も行われてきました。

 水産工学研究所では、これらの成果情報を、漁業生産現場を含めた 関係者と共有するため、下記のとおりシンポジウムを実施いたします。

  1.開催日時   平成19年6月19日(火)13:30〜17:00

  2.開催場所   石川県水産会館5Fホール(石川県金沢市北安江3丁目1-38)
 
  なお、当シンポジウムの入場は無料です。

  詳しくはこちらから
  → http://www.fra.affrc.go.jp/pressrelease/pr19/190601/


 
 ◆水産海洋地域研究集会「仙台湾の環境と漁業」の開催について
               −沿岸域の底魚資源を中心として−

 仙台湾は、水産資源の再生産や漁業生産の場として重要な海域です。 そのため古くから「北方冷水海域における生物群集の生産に関する総合 的研究」が行われ、浮魚類や底魚類の群集生態学的知見や海洋に関する 基礎的知見が集積され、仙台湾の水産海洋学研究の基盤となっています。

 現在、漁業生産量の低下や恒常的な貧酸素水塊の発生など新たな問題 への対応に取り組むため、各水産研究機関では個別に調査研究を行って います。このたび、情報交換と横断的な議論を行うため、東北区水産研 究所、水産海洋学会、宮城県水産研究開発センターの共催で研究集会を開催いたします。


  1.開催日時   平成19年7月5日(木)13:00〜17:30

  2.開催場所   東北大学農学部 講義棟 第2講義室
            (宮城県仙台市青葉区堤通雨宮町1−1)

  なお、当集会の入場は無料です。

  詳しくはこちらから
  → http://tnfri.fra.affrc.go.jp/event/20070705workshop.html


 

【プレスリリース報告】
 
 ◆東北地方のふ化場で採卵授精方法の改善により
           サケのふ化率が約10%向上(5月23日リリース)
  また、能代川サケ・マス増殖組合から感謝状を頂きました

 水産総合研究センターでは、本州におけるサケのふ化放流技術の向 上を図るため、昨年度から東北区水産研究所と日本海区水産研究所に 調査普及課を設置して、研究開発の成果に基づいた技術指導をしています。

 東北区水産研究所では、2ヵ所のふ化場において、河口域で捕獲し たサケ親魚を上流のふ化場の池に活魚輸送して、採卵授精したところ、 ふ化率が83%から94%に約10%向上しました。

  詳しくはこちらから
  → http://www.fra.affrc.go.jp/pressrelease/pr19/190523/

 また、日本海区水産研究所では、新潟県信濃川水系能代(のうだい) 川能代サケ・マスふ化場において、種苗生産率(100個の卵から約1g の放流用種苗を何尾得られるか)が、これまでの約70%から平成18年 度には92%へと飛躍的に向上しました。このことで、今般、能代川サ ケ・マス増殖組合より調査普及課へ感謝状が贈られました。

  詳しくはこちらから
  → http://jsnfri.fra.affrc.go.jp/event/kanshajyou.html


 ◆水産庁漁業調査船照洋丸による東シナ海大型クラゲ分布調査の実施について(6月8日リリース)

 近年、日本海側を中心に大型クラゲが大量出現し、各地で漁業被害を 引き起こしています。これらの大型クラゲの発生源は、東シナ海と考え られていますが、その正確な位置、大量発生のメカニズム、移動経路等 については、明確な知見が得られていません。

 そのため、水産庁と水産総合研究センターは、水産庁漁業調査船照洋 丸を東シナ海に派遣し、大型クラゲのモニタリング調査を実施します。


  詳しくはこちらから
  → http://www.fra.affrc.go.jp/pressrelease/pr19/190608/



【編集後記】

 本日は6月13日ですが、昨日の12日は恋人の日だそうです。
 ブラジルでは、縁結びの聖人とされるアントニウスの命日の6月 13日のイブ(前夜)を「恋人の日」と名付け、恋人同士が自分の 写真を入れた写真立てをお互いに贈り合う習慣があるそうです。

 アントニウスは、説法の大変上手な方だったそうで、あまりに素 晴らしい話をするので、川を泳ぐ魚たちまでもがその話を聞きに集 まってきたという伝説があるそうです。

 魚たちが聞きに集まる話ってどんな内容なんでしょう・・・
 一度聞いてみたかったですね。

 


  【配信手続き】

 配信停止、配信先変更等は下記URLにて手続き願います。
  また、ご意見・ご感想等も、どしどしお寄せください。

  配信解除、配信先変更等
→ http://www.fra.affrc.go.jp/mail/index.html

 ご意見・ご感想等  → www@fra.affrc.go.jp  
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編集・刊行・配信:
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