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おさかな通信 (水研センターメールマガジン)

第 41 号     平成20年2月13日
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 読者の皆様、いかがお過ごしでしょうか。

   立春も過ぎ、暦の上では春になったのですが、春を実感するには まだまだ先の話。これからも寒い日が続きますので、風邪などひか ないよう気をつけたいものです。 (担当:O)


【目次】

◆シリーズ       水産加工品津々浦々「ふかひれ加工品」
◆ローカル便り     さかなと森の観察園は冬期限定入場料半額!!
               3つの小学校で出前授業を実施!!
              韓国釜慶大学校学生の来訪
              さいばい日記 夜のおっぱい(飼育14日目)
◆お知らせ        「さけの里ふれあい広場」に新しく、ベニザケとサケの実物大模
              型が仲間入り!
              ミニシンポジウム「多獲性浮魚を対象とする漁業生産システムの
              再構築」を開催
              さけますセンターにてサイエンスキャンプを実施します!
◆イベント報告      水産調査計測シンポジウムを開催
              水産業システム化研究ワークショップを開催
◆プレスリリース報告 「水産技術交流プラザ」の開設による産学官連携の推進の加速
             について
◆編集後記      担当者のひとりごと
◆配信手続き     配信停止・配信先変更等



【シリーズ】
  
 水産加工品津々浦々−14 「ふかひれ加工品」


 日本列島には魚、貝類、イカ、海藻などを素材にした水産加工品 が数え切れないほどたくさんあります。その中から毎回一品一品に スポットライトを当てて紹介していくコーナー「水産加工品津々浦 々」。14回目の水産加工品は、中華料理の定番であり、高級料理 の代名詞ふかひれスープの原料の「ふかひれ加工品」です。

 
 ○ふかひれ加工品とは

 ふかひれ加工品とはサメ類の鰭を切り取って乾燥したものです。 素干し品は調理の前処理に手間を要することから近年減少し、最近 は冷凍品、レトルト品が増えています。製品の多くは業務用で、主 として中華料理用の高級食材として利用されています。
 ふかひれの食用とする部分は、鰭から皮および軟骨を除去した角 質鰭条(筋糸)です。
 製品は鰭の姿をそのまま保持したもの(主として姿煮用)と、筋 糸をほぐしたもの(金糸とよばれ主としてスープに利用)に大別さ れます。

 →http://nrifs.fra.affrc.go.jp/kakou/souran/hukahire/index.htm#1

 一般消費者向けの製品は、昭和40年代後半に気仙沼のメーカー により、ふかひれスープ缶詰が販売されたのが始めで、現在はスー プのほかにふかひれラーメン用のセットや、調味済み姿煮のレトル ト品などが市販されています。

 ふかひれの生産は過去には全国的に行われていましたが、サメ漁 業の衰退とともに生産量も減少しました。現在は、全国のサメ水揚 げ量の7割が宮城県気仙沼港に水揚げされることから、同地域がふ かひれの主産地となっています。

 → http://nrifs.fra.affrc.go.jp/kakou/souran/hukahire/index.htm#2


 ○生産と消費の動向

 気仙沼市における平成2、3年の加工生産量は素干、素むき、冷 凍品あわせて約800tになります。レトルト品を製造する大手企 業は気仙沼市外に立地するため、その生産量は含まれていません。


 ○原料選択のポイント

 主に利用されるのは、近海マグロ延縄船による水揚げ量の多いヨ シキリザメですが、ネズミザメ、アオザメを始め、ほとんどのサメ が利用されています。
 原魚の鮮度はふかひれの品質にはあまり影響しませんが、アンモ ニア臭の強いものは避けたほうが望ましいです。
 鰭は背鰭、胸鰭、尾鰭のほか、腹鰭などの小型の鰭もすべて利用 されています。


 ○加工の原理

 魚体から切り取った鰭をそのまま乾燥させたものが素干し品です。 皮および軟骨を除去後に乾燥したのが素むき品です。冷凍品、レト ルト品は、素むき品に温湯による加熱と水さらしを行い、製品とします。

 → http://nrifs.fra.affrc.go.jp/kakou/souran/hukahire/index.htm#3


 ○実際の製造

  ◇素干し品
 水揚げされたサメの背鰭、胸鰭、尾鰭を切り取り加工場へ運搬し ます。最初に食塩で一昼夜塩漬し、血抜きをします。その後、水で 表面の粘液や汚れを除去します。冬期間は天日で、それ以外の季節 は温風乾燥機で乾燥し、箱詰めします。

 → http://nrifs.fra.affrc.go.jp/kakou/souran/hukahire/index.htm#4

  ◇冷凍・缶詰・レトルト品
 素干し品と同様に鰭を水で洗い汚れなどを除去します。その後、 60℃程度の温湯に漬け真皮が溶け始めたら、包丁で皮を削り取り ます。背鰭や胸鰭の場合はさらに軟骨を除去します。

 続いて、温風乾燥機で水分量10%以下になるまで乾燥します。 その後、蒸気または温湯で加熱後冷水で冷却することでまるみを付 けます。形が崩れた物は、ほぐして「金糸乾燥品」とします。温湯 での加熱と水晒しを繰り返し、アンモニア臭を除去します。
 最後に、冷凍品は1kg程度ずつ包装します。缶詰は数枚ずつ、 レトルト品は1枚ずつ包装しレトルト釜で加熱殺菌します。

 → http://nrifs.fra.affrc.go.jp/kakou/souran/hukahire/index.htm#5


 ○製品の形態・包装等

 乾燥品はそのまま箱詰めにします。冷凍品は数パックずつ、缶詰、 レトルト品もそれぞれ数個ずつ箱詰めにします。


 ○食べ方

 ふかひれ自体に味はほとんどないため、スープで調味して中華料理に使用します。


 ○ふかひれ加工品にまつわる話題

 江戸時代から西日本を中心にサメ(フカ)漁業が行われ、ふかひ れは俵物三品(煎海鼠・干鮑・鱶鰭)の1つとして清国時代の対中 貿易品として輸出されてきました。現在も、ふかひれは香港等へ輸 出されています。
 気仙沼でのふかひれ生産は明治時代から行われていましたが、地 元では「さめひれ」と呼ばれ竹輪原料として漁獲されたサメの副産 物という位置付けでした。気仙沼のふかひれが全国ブランドとなっ たのは、一般消費者向けの商品が認知された昭和50年代後半以降 のことです。遠洋マグロ延縄船で混獲されたサメ類の鰭も原料となります。

 いかがでしたか。意外と知らないことがたくさんあったのではないでしょうか。

 これらは、「全国水産加工品総覧」 編集委員会編 監修 福田裕  山澤正勝 岡崎惠美子 A5判、638頁、¥7,500(本体)+税 発行所  (株)光琳を参考に記述致しました。

 この本は水産総合研究センターが主催する水産利用関係試験研究推 進会議において刊行することが合意され、都道府県の試験研究機関関 係者など約150名もの専門家により執筆されたものです。
 さらに詳しく知りたいなど、ご興味がある方は、この本を是非ご覧になって下さい。


  詳しくはこちらから
  → http://www.korinbook.com/main/book/zenkokusuisan.html


【ローカル便り】
 
 ◆さかなと森の観察園は冬期限定入場料半額!

 「さかなと森の観察園」は中禅寺湖のほとりにある水産総合研究セ ンターの展示施設です。ここでは研究所の敷地の一部を公開しており、 内水面(ないすいめん)(河川や湖沼など)にすむ「さけ・ます類」 について学ぶことが出来ます。

 12/1〜3/31までの冬期期間については、観覧区域が狭まる ことから通常の入場料の半額にて観覧することが出来ます。

  詳しくはこちらから
  → http://www.fra.affrc.go.jp/nikko/


 ◆3つの小学校で出前授業を実施!!

 水産工学研究所では、平成20年1月16日に波崎西小学校において、 当所の齊藤研究員による「干潟の科学」と題した授業を行いました。
 また、1月31日には軽野小学校において、渡辺上席研究員による 「魚の資源と魚の成長」と題した授業を行いました。

 両小学校とも5年生と6年生を対象として、スライドや映像をま じえた講演や研究内容の紹介などの授業を行い、生徒の皆さんは熱 心に話しを聞いていました。

 今回の出前授業は神栖市教育委員会からのご依頼を受け、理科支 援員等配置事業における特別講師の派遣として実施されたものです。

  詳しくはこちらから
  → http://nrife.fra.affrc.go.jp/topics/20080201/topics_20080201.html

 また、東北区水産研究所においても平成20年1月29日に塩竈市立 第一小学校 において、石田行正業務推進部長による海や魚を題材 とした特別授業を行いました。

 今回は、2年生54名を対象に、塩釜の地域を知る目的で、食卓に 上る魚にどんなものがいて、どんな海に住んでいるのか、例えばマ グロの回遊など、学習(生活科)の一環として開催しました。

  詳しくはこちらから
  → http://tnfri.fra.affrc.go.jp/demae/2007/20080129siogama1sho.html


 ◆韓国釜慶大学校学生の来訪

 平成20年1月16日(水)、韓国釜慶大学校学生ほか83名が、東シナ 海の資源研究に関する講義受講及び研究施設の見学等のため、西海 区水産研究所に来所しました。

 学生達は「日本における小型浮魚類の資源評価と管理」と題した 講義を受講後、施設見学等を行いました。標本棟では、魚類標本の 説明(サメと魚の形態の違い、サメの雌雄の見分け方など)に感心 するとともに、クイズを楽しんでいました。

  詳しくはこちらから
  → http://snf.fra.affrc.go.jp/topics/pukyong/pukyong.html


 ◆さいばい日記 夜のおっぱい(飼育14日目)

 ホシガレイの赤ちゃんは、まだ餌(ワムシ)を食べるのがへたくそなので この段階でたくさんの赤ちゃんが飢え死にしてしまうことがあります。
 そこで、今年はいくつか工夫をしています。これまでよりもたくさんのワ ムシを与えること(ワムシに出会うチャンスを増やす)、夜中も照明をつけ て明るくすること(明るい時間を長くして食べるチャンスを増やす)、などなどです。

  つづきはこちらから
  → http://ncse.fra.affrc.go.jp/14nikki/index.html


【お知らせ】

 ◆「さけの里ふれあい広場」に新しく、ベニザケとサケの実物大模型が仲間入り!

 水産総合研究センターでは、サケを放流している現場を見学したい と希望される方のご要望にお応えするため、さけますふ化放流に関す る展示施設「さけの里ふれあい広場」を設けています。

 今回、新たに紅色にキレイに色づいたベニザケと、サケのお腹の中 を見ることができる模型が展示に加わりました。
 なかなか見ることのできないベニザケの魚体や重さを体感したり、 サケのお腹の中の卵の様子などが観察できます。

 皆様お誘い合わせの上、是非ご来場ください。入場は無料です。

  詳しくはこちらから
  → http://salmon.fra.affrc.go.jp/event/2007model/2007model.htm


 ◆ミニシンポジウム「多獲性浮魚を対象とする漁業生産システムの再構築」を開催します

 東北区水産研究所八戸支所及び水産工学研究所では、ニチモウ渇コ関研究 所、海洋水産システム協会などと協力して、下記のとおりミニシンポジウムを開催します。

 このシンポジウムでは、資源と漁業の現状を正しく認識するとともに、公 海域に分布するサンマなどの未利用資源の利用促進、合理的な漁法と船上冷 凍加工の導入を軸に沖合浮魚漁業の再構築について意見交換を行っていきま す。是非ご参加ください。
               記

 名 称 : 平成20年度日本水産学会春季大会<ミニシンポジウム>
 テーマ : 「多獲性浮魚を対象とする漁業生産システムの再構築」
 日 時 : 平成20年3月27日 9:00〜12:30
 会 場 : 東海大学海洋学部(〒424-8610 静岡県静岡市清水区折戸3-20-1)

  詳しくはこちらから
  → http://tnfri.fra.affrc.go.jp/event/2007/20080327ueno-minisympo.html



 ◆さけますセンターにてサイエンスキャンプを実施します!

 サイエンスキャンプとは、文部科学省の科学技術関係人材総合プランの施策 のひとつ「サイエンス・パートナーシップ・プロジェクト」の一環として実施 しております。
 先進的なテーマに取り組み、最先端の研究施設・実験装置等を有する研究所 などが、夏休み・冬休み・春休みの3日間高校生を受け入れて、研究開発の第 一線で活躍する研究者・技術者による直接指導をおこなう、本格的な実験や実 習を主体とした、科学技術体験合宿プログラムです。

 本年度はさけますセンターにおいて、さけます類の生態や、資源管理への取 組について、ふ化放流現場の見学、鱗相や耳石の分析などの実習、それら研究 開発に関する講義などを通じて学びます。


詳しくはこちらから
  → http://ppd.jsf.or.jp/camp/2008sp/proginfo/ctg02.html


【イベント報告】

 ◆水産調査計測シンポジウムを開催しました

 水産工学研究所では、水産工学関係研究開発推進特別部会水産調査計測 シンポジウム「漁業用音響探査機器の開発の現状とニーズ」を、平成20年 1月17日に銚子商工会館大ホールにおいて開催しました。

 このシンポジウムでは、漁船漁業における音響技術開発への期待、音響 研究の役割、国内国外の魚探機やソナーの開発状況、水産工学研究所にお ける最新の音響モニタリング技術開発などの話題提供の後、活溌な討論が 行われました。

  詳しくはこちらから
  → http://nrife.fra.affrc.go.jp/topics/20080125/topics_20080125.html


 ◆水産業システム化研究ワークショップを開催しました。

 水産工学研究所では、「水産業をシステム的に捉えた研究戦略」に関す る具体的取り組みとして関係諸団体とともに「水産学システム化研究会」 を開催してきました。第5回目の今回は、参集範囲を広げ「水産業システ ム化研究ワークショップ」を、平成20年1月18日に東京・南青山会館において開催しました。

 このワークショップでは、漁村の労働状況、養殖を含む生産・流通・販 売の視点からの水産業システム化の課題の整理に続き、岩手県および山口 県における事例の紹介、さらに、水産業システムの改善に資する新体系の 構築に向けての提案等の話題提供の後、活発な討論が行われました。
 
    詳しくはこちらから
  → http://nrife.fra.affrc.go.jp/topics/20080130/topics_20080130.html



【プレスリリース報告】
 
 ◆「水産技術交流プラザ」の開設による産学官連携の推進の加速について
(1月17日プレスリリース)

 水研センターは、産学官連携の推進をより加速するため、セミナー、 シンポ等の開催による水産技術の交流促進の場(「水産技術交流プラザ (仮称)」)を開設し、関係団体、企業、大学等関係機関との情報交換、 研究開発ニーズの把握、共同研究の推進、研究成果の普及等をスピード 感をもって推進することとします。

      詳しくはこちらから
   → http://www.fra.affrc.go.jp/pressrelease/pr19/200117/


【編集後記】

 今月のメルマガは、いかがでしたでしょうか。各地で小学生を対象とし た出前授業、高校生向けのサイエンスキャンプなど、児童・生徒の皆さん にも水産研究の楽しさを知ってもらう取り組みに力を入れています。
 水産総合研究センターでは、地域との連携した教育活動にも積極的に取 り組み、これからもますます社会に貢献してゆきます。



 


  【配信手続き】

 配信停止、配信先変更等は下記URLにて手続き願います。
  また、ご意見・ご感想等も、どしどしお寄せください。

  配信解除、配信先変更等
→ http://www.fra.affrc.go.jp/mail/index.html

 ご意見・ご感想等  → www@fra.affrc.go.jp  
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