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おさかな通信 (水研センターメールマガジン)

第 42 号     平成20年3月12日
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 読者の皆様、いかがお過ごしでしょうか。
 最近、少しずつですが朝の気温が上がり、春の気配が感じられるよう になってきました。春眠暁を覚えずと言われる様に、寝ても寝てもまだ まだ眠いのは私だけでしょうか!?
 鼻がむずむずする季節ですが、花粉を吹き飛ばすくらい、今月も元気 いっぱい参りましょう!(担当:O)


【目次】

◆シリーズ      水産加工品津々浦々「豊橋ちくわ」
◆ローカル便り   シーフードショー大阪に出展しました
            海洋データ解析センター及び遺伝子組換え魚介類検査室お披露目
            開発調査センター平成18年度調査結果概要を公表!!
            三重県立水産高校生徒の来訪
            釧路に流氷が接岸!?
◆お知らせ     おさかな瓦版第21号を刊行
            磯焼け対策全国協議会シンポジウム
            「藻場を見守り育てる知恵と技術」の開催について
◆イベント情報   漁業調査船「探海丸」退任式を行います
            「ふるさとの食 にっぽんの食 全国フェスティバル」に出展します
◆イベント報告   鹿児島県青年・女性漁業者活動実績発表大会での研究報告
◆編集後記     担当者のひとりごと
◆配信手続き    配信停止・配信先変更等



【シリーズ】
  
 水産加工品津々浦々−15 「豊橋ちくわ」


 日本列島には魚、貝類、イカ、海藻などを素材にした水産加工品 が数え切れないほどたくさんあります。その中から毎回一品一品に スポットライトを当てて紹介していくコーナー「水産加工品津々浦 々」。15回目の水産加工品は、おでん、煮物には定番の「豊橋ち くわ」です。


 ○豊橋ちくわとは

 16世紀、今川義元公隆盛の頃、熊野権現神社(現在の豊橋市魚 町)境内で、魚の売買が行われたことに発達の基盤がありました。 この地で魚問屋を営んでいたヤマサちくわ株式会社の先祖、佐藤善 作氏が、19世紀(天保8年、1837年)、魚問屋の仲間ととも に四国の金毘羅参りに出かけました。そのときに、名物として売ら れていた練り製品を見つけ、味もよく、使用している材料は吉田( 現在の豊橋市)近くでも獲れるものであったことから、買って帰り、 研究を続け、現在広く販売されているちくわの原型を作り上げたと 伝えられています。

 塩をふりかけ、箱詰めとした保存の効く塩漬けちくわが開発され、 魚類の乏しい信州で好評を博し、吉田ちくわの名が知られるように なりました。そのため、明治時代には、ちくわ専門業者も増え、一 日の生産量は4万本にのぼりました。
 昭和の初期になると豊橋ちくわは、小形で、小口を残して焼色を つけた現在の形状となり、エソやハモなどの味を生かした風味と、 砂糖を加えた甘味を特徴とし、生で食べられるちくわとして普及し ていきました。

 → http://nrifs.fra.affrc.go.jp/kakou/souran/chikuwa/index.htm#1


 ○生産と消費の動向

 昭和35年頃に開発された、冷凍すり身の技術の向上と流通網の 発達により、昭和50年には焼きちくわの生産量は25万tを超え ていました。以後、生産量は年々減少し、平成に入る頃から20万 tを切るようになり、平成14年には14万tと減少傾向にあります。


 ○原料選択のポイント

 豊橋ちくわの原料は、三河湾で獲れるタチウオが主体でこれにエ ソ、ハモ等を加えていました。現在はスケトウダラ主体にイトヨリ、 エソ等を加えています。高級品は、キグチ、エソなどの割合が高く なっています。


 ○加工の原理

 魚肉に食塩を混ぜ、すり潰してすり身とし、これを加熱すること で、液汁の分離のない弾力のある練り製品となります。


 
 ○実際の製造

 スケトウダラ、キグチ、エソ、ハモ、タチウオなどの魚が原料と して使用されます。手作業、もしくは魚体調理機で頭と内臓を取り 除いた後、魚洗機で、魚体表面の粘液、鱗、内臓破片などを除去し ます。その後、魚肉採取機で魚肉と皮、骨を分離します。採取した 魚肉を「落とし身」ともいいます。魚肉は魚臭が強いので、水でよ く洗います。血液や脂肪分、血合い肉などを除去します。

 → http://nrifs.fra.affrc.go.jp/kakou/souran/chikuwa/index.htm#2

 続いて、過剰の水分をスクリュープレスなどで除去します。そし て脱水された魚肉の結合組織や小骨を除去します。冷凍すり身を使 用する場合、自然解凍もしくは機械を用いて解凍します。そしてす り潰しの工程に入ります。

→ http://nrifs.fra.affrc.go.jp/kakou/souran/chikuwa/index.htm#3

 魚肉繊維を壊し、食塩の作用でタンパク質を溶かし、調味料等の 副原料を混合し、すり上げます。魚肉繊維をほぐす「空ずり」、食 塩を加えてタンパク質を溶かす「荒ずり」などを行います。その間 の魚肉の温度は10℃以下が望ましいです。

→ http://nrifs.fra.affrc.go.jp/kakou/souran/chikuwa/index.htm#4

 次は焙焼の工程です。まず、すり身をステンレスの焼串に巻きつ けます。加熱することで、殺菌と足の形成(練製品特有の弾力をつ くること)を行います。回転させながら火床上を移動させて焼き上 げ、最後にちくわ中央部にしぼった火床上を通過させ、中央部に焼色をつけます。

→ http://nrifs.fra.affrc.go.jp/kakou/souran/chikuwa/index.htm#5


 最後に、焼き上がったちくわを固定器に挟み、焼き串の片端にあ るくびれに引き抜き装置の爪をかけ、ちくわから焼き串を引き抜き ます。ちくわはコンベアにより冷却工程に送られ、数本ずつ自動包 装されます。

 抜き取られた焼き串は、自動ちくわ製造機の上部をチェーンによ り成形機に返送します。返送の途中、焼き串に付着したカスをかき 取り、串抜けを良くするために植物油を含ませた布ベルトにより、 焼き串に植物油を塗布します。


 ○製品の形態・包装等

 だいたい4〜6本ずつ包装されます。大型のものや高級品は、1 本もしくは2本ずつ包装されます。


   ○食べ方

 主に生食で食べますが、おでん、煮物、炒め物、和え物、揚げ物 など広く利用されています。


 ○使用する副原料

 卵白、砂糖、食塩、みりん、デンプン、大豆油、発酵調味料など が味の調整に用いられます。

                     (写真提供:(株)かね貞)

 いかがでしたか。意外と知らないことがたくさんあったのではないでしょうか。

 これらは、「全国水産加工品総覧」 編集委員会編 監修 福田裕  山澤正勝 岡崎惠美子 A5判、638頁、¥7,500(本体)+税 発行所  (株)光琳を参考に記述致しました。

 この本は水産総合研究センターが主催する水産利用関係試験研究推 進会議において刊行することが合意され、都道府県の試験研究機関関 係者など約150名もの専門家により執筆されたものです。
 さらに詳しく知りたいなど、ご興味がある方は、この本を是非ご覧 になって下さい。


  詳しくはこちらから
  → http://www.korinbook.com/main/book/zenkokusuisan.html


【ローカル便り】
 
 ◆シーフードショー大阪に出展しました

 第5回ジャパン・インターナショナル・シーフードショー大阪が、 平成20年1月23日〜24日に、大阪市住之江区南港北のインテックス大 阪で社団法人大日本水産会主催により開催されました。

 中央水産研究所では、「カタクチイワシ有効利用のプロジェクト 研究」で東洋水産機械株式会社と共同開発した「カタクチイワシの 頭揃え機」を展示しました。

 また、このプロジェクト研究を進めている、利用加工部の石田主 任研究員が出展者セミナーで「カタクチイワシの新しい加工技術と 付加価値アップ」について講演しました。

詳しくはこちらから
  → http://nrifs.fra.affrc.go.jp/gyouji/20080123/


 ◆海洋データ解析センター及び遺伝子組換え魚介類検査室お披露目

 平成19年11月に設置した中央水産研究所海洋データ解析センター 及び本年1月に竣工した遺伝子組換え魚介類検査室のお披露目が、 平成20年2月22日(金)午後、中央水産研究所所横浜庁舎にて行われました。
 遺伝子組換え魚介類検査室は、国内外で生産される可能性のある 遺伝子組換え魚介類の判別や、未承認の遺伝子組換え魚介類の混入 検査、新たな検査法の開発など重要な仕事が期待されています。
 海洋データ解析センターは、数値シュミレーションで海水温や海 流、海洋生物の動態などと解析するモデル研究を進める水研センターの拠点です。

     詳しくはこちらから
  → http://nrifs.fra.affrc.go.jp/gyouji/20080222/


 ◆開発調査センター平成18年度調査結果概要を公表!!

 開発調査センターでは、平成18年度に実施したいか釣り、まき 網、はえなわなど10調査の結果についてHP上に公開しました。

  詳しくはこちらから
  → http://jamarc.fra.affrc.go.jp/work/gaiyo-h18/gaiyo-h18.htm


 ◆三重県立水産高校生徒の来訪

 2月27日(水)、三重県立水産高等学校海洋科二年生26名(教員1名) が、平成19年度第四次航海実習の一環として西海区水産研究所石垣支所 を来訪しました。

 支所では、会議室にて「サンゴの白化と魚類の関係」を講演し、展示 棟にて研究内容の紹介パネルや標本等を見たあと、屋外の飼育施設を見 学しました。

 また、八重山栽培技術開発センターでは、ウミガメやスジアラ等の飼 育状況、種苗生産の方法等について実習しました。

  詳しくはこちらから
  → http://snf.fra.affrc.go.jp/topics/miesuisankou/miesuisankou.html


 ◆釧路に流氷が接岸!?

 2008年3月9日、21年ぶりに釧路の浜に「流氷」が接岸(※参照)しま した。北海道区水産研究所庁舎から撮影した写真を掲載します。

 ※今回の流氷は規模が小さいため、公式には「接岸」とまではいえないようです。

  詳しくはこちらから
  → http://hnf.fra.affrc.go.jp/topics/080310.htm


【お知らせ】

 ◆おさかな瓦版第21号を刊行しました

 このたび、当センターのニューズレター「おさかな瓦版」第21号を刊行しました。

 今回より新しいシリーズ「瀬戸内海のさかなたち」が始まります。 第1回目に取り上げたさかなは、「サワラ」です。魚偏に春と書いて さわらと読むように、この時期に内海や内湾へ来遊する魚です。

 また、ご好評にお答えして再び復活のコーナー「書籍で知る日本の 水産」。通算回数でいくと7回目となる今回は、水産誌の金字塔「日 本水産誌」です。

 あんじいの「おさかなクイズ」のコーナーでは、さかなに関する豆 知識などもわかりやすく掲載しています。

 次号は、平成20年4月刊行予定です。


   第21号はこちら
   → http://www.fra.affrc.go.jp/bulletin/letter/no21.pdf

   その他、水研センター発行の刊行物はこちら
   → http://www.fra.affrc.go.jp/bulletin/bull-index.html


◆磯焼け対策全国協議会シンポジウム
「藻場を見守り育てる知恵と技術」の開催について

 磯焼け対策全国協議会は、標記シンポジウムを平成20年3月21日に東 京海洋大学大講義室(東京都港区港南4-5-7)において開催いたします。 本シンポジウムは、藻場の衰退要因の把握やモニタリング、藻場回復 の支援技術について具体的事例や研究成果の報告をもとに情報交換を 図ることなどを目的としたもので、水研センターが後援しています。 本シンポジウムは公開です。

 出席を希望される場合は、3月14日(金曜日)までに、所属、役職、 氏名、連絡先をFAXにてお問い合わせ先までご連絡ください。

 お問い合わせはこちら→
           水産庁漁港漁場整備部整備課
           担当者:設計班 佐藤、田村
           代表:03-3502-8111(内線6880)
           ダイヤルイン:03-6744-2390
                FAX:03-3502-2668


詳しくはこちらから
   → http://www.jfa.maff.go.jp/j/press/seibi/080311.html

【イベント情報】


  ◆漁業調査船「探海丸」退任式を行います

 北海道区水産研究所の漁業調査船「探海丸(たんかいまる)」は、 3月31日に除籍・退任の運びとなりました。
 昭和57年3月の建造以来26年間にわたる探海丸の功績を讃え 退任式、成果報告会を平成20年3月18日(火)13:30から 釧路全日空ホテル万葉の間および探海丸が着船している岸壁で行います。
 また、第2部の成果報告会(16:00〜17:30)につきましては一般 の参加も可能(入場無料)となっておりますので、是非ご参加ください。

問い合わせ:独立行政法人水産総合研究センター
北海道区水産研究所 業務推進課長
八吹 圭三(やぶきけいぞう)
TEL 0154-91-9136(代) FAX 0154-91-9355
E-mail hnf-suisin@ml.affrc.go.jp


    詳しくはこちらから
    → http://hnf.fra.affrc.go.jp/topics/080311.htm


   ◆「ふるさとの食 にっぽんの食 全国フェスティバル」に出展します

 水産総合研究センターは、3月22日(土)〜23日(日) の2日間、NHK放送センター前広場(東京都渋谷区)で開催 される標記イベントに、今年も出展します。

 当日は、3メートル級!?の巨大マグロのレプリカや、タッ チプールなどをご用意し、皆様のお越しをお待ちしています。

 また、水研センターマスコットのふっくん、ふーちゃんも登 場いたします。

 ぜひ、この機会にご近所お誘い合わせの上、お立ち寄りください。

    日 時  平成20年3月22日(土)23日(日)10:00〜16:00
    場 所  NHK放送センター前広場ほか(東京都渋谷区)
    入場料  無料

    詳細はこちら → http://www.nhk.or.jp/shokuryo/

    昨年の様子 →  http://www.fra.affrc.go.jp/topics/190318/index.html


【イベント報告】
 
   ◆鹿児島県青年・女性漁業者活動実績発表大会での研究報告

 平成20年1月16日(水)、鹿児島市で開催された第54回鹿児島 県青年・女性漁業者活動実績発表大会が開催されました。この 中で、水研センターの「出前講義」として、吉村沿岸資源研究 室長が「藻場とイセエビとの関係」について研究報告を行いました。

    詳しくはこちらから
    → http://snf.fra.affrc.go.jp/topics/demae_kagoshima/demae_kagoshima.html



【編集後記】

 おさかな通信第42号いかがでしたでしょうか。3/22、23に行わ れるNHKのイベントでは、ふっくん、ふーちゃんによるキャラクターショー の他、TV中継!?(放送は22日土曜日午後)も入る予定です。

 ついに、メジャーデビューする時が来たか・・・



 


  【配信手続き】

 配信停止、配信先変更等は下記URLにて手続き願います。
  また、ご意見・ご感想等も、どしどしお寄せください。

  配信解除、配信先変更等
→ http://www.fra.affrc.go.jp/mail/index.html

 ご意見・ご感想等  → www@fra.affrc.go.jp  
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編集・刊行・配信:
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