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おさかな通信 (水研センターメールマガジン)

第 44 号     平成20年5月14日
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 読者の皆様、いかがお過ごしでしょうか。  最近、地震のニュースを良く耳にします。地震、雷、火事、親父や っぱり怖いですよね。でも、怖がってばかりもいられません。備えあ ればうれいなし、と昔の人もいうように日頃から防災グッズを準備し ておきたいものです。(担当:O)


【目次】

◆シリーズ        水産加工品津々浦々「つみれ」
◆ローカル便り     厚岸ニシン34年ぶりの大漁!!
               春の学会で受賞者続出!!
               総勢140名によるカラフトマス稚魚放流 スケトウダラの調査を
              実施
◆イベント情報     第2回技術交流セミナー「水産物の機能性〜高付加価値化を目
              指して〜」を開催します
◆イベント報告     スプリング・サイエンスキャンプ2008を開催
              第1回技術交流セミナーに170名が参加!
◆プレスリリース報告 平成20年度第1回日本海スルメイカ長期漁海況予報
              平成20年度第1回瀬戸内海東部カタクチイワシ漁況予報
◆編集後記       担当者のひとりごと
◆配信手続き      配信停止・配信先変更等



【シリーズ】
  
 水産加工品津々浦々−17 「つみれ」


 日本列島には魚、貝類、イカ、海藻などを素材にした水産加工品 が数え切れないほどたくさんあります。その中から毎回一品一品に スポットライトを当てて紹介していくコーナー「水産加工品津々浦 々」。17回目の水産加工品は、おでんに煮物にと大人気の「つみ れ」です。

 
 ○つみれとは

 つみれは、魚肉を練り、湯の中で加熱した茹でかまぼこの一種で す。つみれに似た練り製品は、江戸時代にはすでに作られていまし た。名前の由来は、摘入れ(つみいれ)から転じたもので、当初は 練った魚肉を指でつまんで湯に入れて作っていたためといわれています。

 一般に普及しているつみれは、イワシなどの赤身魚を原料とした ものですが、地域によっては白身魚を原料としたものも生産されて います。つみれの形状は、中央部が凹んだ団子状ものが一般的です が、凹みのない団子状のものもつみれと呼ぶことや、単に団子と呼 んでつみれと区別することがあります。

   → http://nrifs.fra.affrc.go.jp/kakou/souran/tsumire/index.htm#1


 ○生産と消費の動向

 つみれの生産業者は、全国規模の大手加工業者と、地先に水揚げ される魚を主な原料として製造する、地方の加工業者に分けられま す。主な消費地が、関東以北であることから、これらの地域におい て生産量が多く、大手加工業者を除いた地域的な生産量では、銚子 市が全国で大きな割合を占めています。

 つみれは、おでんの具材やつみれ汁などとして利用されるため、 冬季の消費が多いです。生産量も、消費に合わせて冬季に多くなり ます。年間の生産量は、近年減少傾向にあり、つみれを含む茹でか まぼこの生産量は、2003年の全国生産量は約3万3000tで20 年前の2分の1以下になっています。


 ○原料選択のポイント

 赤身魚を原料とした、一般的なつみれの原料には、イワシ、サバ、 サンマ、アジなどが、肉質、水揚げ量、価格などを考慮して用いら れ、単一魚種を原料とする場合やいくつかの魚種を混合して原料と する場合があります。また、すけとうだらのすり身を添加して製造 するつみれもあります。

 製品の品質に最も大きな影響を及ぼすのが、原料の鮮度で、良い つみれを作るためには、鮮度の良い原料が要求されます。原料は、 ほとんどの場合冷凍魚が用いられるため、高鮮度なものを凍結し、 適切に貯蔵することが必要です。また、赤身魚は凍結中に脂質が酸 化しやすいため、凍結期間の長い原料は良い原料とは言えません。 また、脂質含量が多すぎるものも、肉が湯中でうまく固まらず、良 い原料とは言えないでしょう。しかし、やや脂質を含むつみれは、 うまみがあるため、筋肉の脂質含量が10%前後の原料が最適とされています。


   ○加工の原理

 つみれは、魚体から頭、内臓、背骨を除いた落とし身(採肉機に よって採取し、ミンチ状になった普通肉および血合肉)に調味料を 混ぜ、適当な大きさの団子状にし、中心部を凹ませ湯の中で加熱し て固めたものです。


 ○実際の製造

 鮮度良好で脂質含量の適当な魚を原料に使います。原料は−20 ℃以下の低温で貯蔵し、脂質酸化を防止します。最初に、頭および 内蔵を除去します。この工程は、手作業で行う場合と機械処理する 場合があります。内臓の除去が十分に行われないものでは、製品に 苦味を生じさせることがあります。

 → http://nrifs.fra.affrc.go.jp/kakou/souran/tsumire/index.htm#2

 つづいて採肉の工程です。採肉機を使用して背骨および皮と肉部 (普通肉および血合肉)を分離し、肉部をミンチ状の落とし身とし て取り出します。落とし身は、ほとんどの場合使用までの期間を凍 結貯蔵します。その後、サイレントカッターまたは、すり潰し機を 使用し、凍結肉を潰すと同時に調味を行います。肉の練り度合いに よって製品の性状が異なり、用途によって肉の繊維を残したものと 残らないものがつくられています。

 次に、成形の工程です。従来は手作業で成形したものが多かった のですが、近年はほとんどが成形機を使用しています。1個の重さ は、20〜30gになります。その後、成形機から加熱機の湯中に 直接落ちて加熱され、両者は一連の工程となっています。加熱は、 約90℃の真水で5〜10分行い、中心部が75℃になるのを目安とします。

 最後に、冷却・包装の工程です。冷却は10℃以下で行います。 冷却と包装は、工程が前後する場合があります。つまり、冷却後包 装するものと包装後冷却するものがあります。冷却後包装すること により、包装内の水滴の付着が防止されます。包装後冷却するもの は、加熱後の細菌汚染の可能性を低くすることを目的としています。 包装には、つみれをトレーに並べてラップするものおよびパックに 入れて密封包装するものがあります。出荷はほとんどの場合凍結す ることはなく、10℃以下で流通し、消費期限は製造から7日前後 に設定されています。

 
 ○食べ方

 おでん、つみれ汁、吸い物の具材として食べます。


 ○使用する副原料

 塩(2〜3%)、砂糖(2〜3%)、デンプン(馬鈴薯デンプン) を副原料として添加します。このほか、卵白、化学調味料、タマネ ギや生姜などの香味野菜が添加されます。


 ○機能性成分

 落とし身を水さらしをしないでつみれとするため、製品は魚肉の 有効成分のほとんどを含んでいます。また、練り製品としては脂質 含量が多いため、赤身魚の脂質に多く含まれるEPAおよびDHAなどの 高度不飽和脂肪酸が多く含まれます。
  

 いかがでしたか。意外と知らないことがたくさんあったのではないでしょうか。

 これらは、「全国水産加工品総覧」 編集委員会編 監修 福田裕  山澤正勝 岡崎惠美子 A5判、638頁、¥7,500(本体)+税 発行所  (株)光琳を参考に記述致しました。

 この本は水産総合研究センターが主催する水産利用関係試験研究推 進会議において刊行することが合意され、都道府県の試験研究機関関 係者など約150名もの専門家により執筆されたものです。
 さらに詳しく知りたいなど、ご興味がある方は、この本を是非ご覧になって下さい。


  詳しくはこちらから
  → http://www.korinbook.com/main/book/zenkokusuisan.html


【ローカル便り】
 
◆厚岸ニシン34年ぶりの大漁!!

 北海道東部の厚岸(あっけし)町のニシン漁は、今年4月末までの漁獲 量が327トンに達し、350トンの漁獲量があった1974年(昭和49年)以来 の大漁となっています。
 北海道区水産研究所では、大漁になっている要因について、これまで の種苗放流の効果との関係を詳しく調べています。

  詳しくはこちらから
  → http://hnf.fra.affrc.go.jp/H-jouhou/soshiki/kaiku/Saibai/topics/200805-Nisin.html

  ニシンの採卵と人工授精の模様
  → http://hnf.fra.affrc.go.jp/topics/080423.htm


◆春の学会で受賞者続出!!

 平成20年3月30日(日)、静岡市で開催された平成20年度日本水産学会 春季大会において、瀬戸内海区水産研究所の長崎慶三室長が、水産学進 歩賞を、有害赤潮プランクトン感染症ウィルスに関する生理・生態およ び分子生物学的研究で受賞しました。
 また、同所の山崎英樹主任技術開発員が論文賞を受賞しました。

  詳しくはこちらから
  → http://feis.fra.affrc.go.jp/topics/080501/080501topics_nagasaki.html
  → http://feis.fra.affrc.go.jp/topics/080501/080501topics_yamazaki.html

 ほかにも、水産学奨励賞を西海区水産研究所の佐藤琢技術開発員、
        水産学技術賞を宮古栽培漁業センターの有瀧真人場長、
        論文賞を屋島栽培漁業センターの小金隆之技術開発員、
        中央水産研究所の山下倫明室長、東畑顕研究員
                             が受賞しました。

 また、日本海区水産研究所の渡邊達郎主任研究員、加藤修研究室長、 山田東也主任研究員が日本海洋学会日高論文賞を受賞しました。

  詳しくはこちらから
  → http://jsnfri.fra.affrc.go.jp/kenkyu/topics/H19gakkaishou.htm


◆総勢140名によるカラフトマス稚魚放流

 さけますセンター北見事業所では、北見市立南小学校の要請を受けて、 4月22日にカラフトマス稚魚の放流体験会を開催しました。これは、 常呂川の自然環境と水産資源について理解を深める同校4年生の総合学 習に協力するもので、常呂川流域に植林を続けてきた常呂漁業協同組合 との共催で 、昨年に引き続き実施しました。

  詳しくはこちらから
  → http://salmon.fra.affrc.go.jp/event/2008_0422kitami/2008_0422kitami.htm


◆スケトウダラの調査を実施

 北海道区水産研究所では、4月中旬に、調査船北光丸(総トン数902トン) を使用して、噴火湾周辺海域でスケトウダラの資源が変動する要因を調査しました。

  詳しくはこちらから
  → http://hnf.fra.affrc.go.jp/H-jouhou/kokaidayori/2008/HK20080411.htm


【イベント情報】

◆第2回技術交流セミナー「水産物の機能性〜高付加価値化を目指して〜」を開催します

   
開催日時 : 平成20年6月10日(火) 午後2時〜4時30分
開催場所 : クイーンズフォーラム会議室E(クイーンズタワーB棟7階)
テ ー マ : 水産物の機能性〜高付加価値化を目指して〜
講  演 : ・機能性成分素材としての海苔
        (中央水産研究所利用加工部機能評価研究室 石原 賢司)
       ・大型クラゲの機能性と有効利用
        (中央水産研究所利用加工部機能評価研究室 金庭 正樹)
       ・健康に寄与する日本型食生活への水産食品の役割
        (中央水産研究所利用加工部 村田 昌一)

お問い合わせは
独立行政法人水産総合研究所センター 水産技術交流プラザ
TEL : 045-227-2718 FAX : 045-227-2702

  参加申し込みはこちらから
  → http://www.fra.affrc.go.jp/plaza/goannai.html



【イベント報告】

◆スプリング・サイエンスキャンプ2008を開催

 さけますセンターでは、3月24日から26日までの3日間、高校生を対象とし て、先進的な科学技術を体験してもらおうと合宿プログラム「スプリング・ サイエンスキャンプ2008」を実施しました。

 これは、(独)科学技術振興機構が主催するもので、今回、当センターは 初めての開催でした。さけますの耳石によるバーコード状標識で、さけの由 来を調べたりするプログラムに関心を持たれ、予想を上回る応募があり、そ の中から選ばれた10名の高校生が参加しました。

   詳しくはこちらから
   → http://salmon.fra.affrc.go.jp/event/2008camp/2008camp.htm


◆第1回技術交流セミナーに170名が参加!

 平成20年4月23日(水)に「まぐろを巡る研究開発〜その中にある ビジネスチャンス〜」と題して第1回技術交流セミナーをクイーンズフォ ーラム大会議室(当センター本部のあるビルの7階)にて開催しました。

 このセミナーは企業、大学、関連団体の皆様との連携をさらに推進する ため、水産技術の交流の場として発足した「水産技術交流プラザ」の主催 する最初の活動です。

 今回は水産総合研究センターにまぐろ研究所が発足して1年が経過した 節目でもあり、この間の活動を皆さまにお知らせすることとし、まぐろを 中心に最新の情報をお伝えしました。


      詳しくはこちらから
   → http://www.fra.affrc.go.jp/plaza/200424/index.html



【プレスリリース報告】

◆平成20年度第1回日本海スルメイカ長期漁海況予報
    (4月28日プレスリリース)

 漁況の経過および資源調査結果(昨年10 月〜11 月の日本海スルメイカ 稚仔分布調査結果、および今年4 月のスルメイカ新規加入量調査)を主要 な情報として、今期(2008 年5 月〜7 月)の日本海におけるスルメイカの漁況を予測しました。

 今期(2008 年5 月〜7 月)の日本海におけるスルメイカの漁況は、 北陸以北では昨年を上回り、近年平均並みと予測されます。ただし、 5 月の山陰では昨年および近年平均を下回る見込みです。水温が平年よりもやや高いと見込まれ ることから、魚群の北上が早く、漁期の経過は早いと予想されます。

    詳しくはこちらから
    → http://abchan.fra.go.jp/gk20/20080428.pdf



◆平成20年度第1回瀬戸内海東部カタクチイワシ漁況予報
    (4月30日プレスリリース)

 中央水産研究所、瀬戸内海区水産研究所がとりまとめたカタクチイワシ の産卵状況では、日向灘〜紀伊水道外域における2008年1〜3月の合計産卵 量は15兆粒であり、前年の68%、平年の13%でした。2月には日向灘、土佐 湾沿岸〜室戸岬沿岸、3月には土佐湾沿岸〜紀伊水道外域で産卵が認められました。

 紀伊水道の春季シラス漁は、5 月後半以降、黒潮は潮岬に接岸傾向で 推移すると予測されており、現在より来遊環境は好転すると考えられる ことから、前年を上回り、平年を下回ると予測されます。

 大阪湾および播磨灘の春季シラス漁は漁況は低調であり、仔魚もみられないので前年、平年を下回ると予測されます。

    詳しくはこちらから
    → http://abchan.fra.go.jp/gk20/20080430.pdf


【編集後記】

 4月20日から始まりました、TBS系列日曜夜9時から放映中のドラマ 「猟奇的な彼女」皆さん見てますか。これは水産系の大学の研究室が舞台で、 主人公のSMAPの草なぎ剛さんが勤める研究室のセットに、水研センター は美術協力しています。

 水研センターグッズ(はく製、ポスターなど)が毎回登場していますので、是非ご覧になってみてください。



 


  【配信手続き】

 配信停止、配信先変更等は下記URLにて手続き願います。
  また、ご意見・ご感想等も、どしどしお寄せください。

  配信解除、配信先変更等
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 ご意見・ご感想等  → www@fra.affrc.go.jp  
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