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        おさかな通信 (水研センターメールマガジン)
 
          第 5 号     平成17年2月9日                      
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 平成16年度も残すところあとあずかです。昔から、語呂合わせで1月は
「いく:行く」、2月は「にげる:逃げる」、3月は「さる:去る」と言いますが、
この時期はあっという間に過ぎてしまうような気がします。
 「時は金なり」 気が付けば、もう桜の季節になっていたということのない
よう、忙しい時期だからこそ、時間を大切に使いたいものですね。
 
 
 
【目次】
 
 ◆シリーズ          「世界の海から」のテーマで連載中です
 ◆調査船運航状況     今回は水研センター船5隻のご紹介です    
 ◆お知らせ           当センター発行刊行物のご案内ほか
 ◆イベント等ご報告     年頭記者会見を行いました-
 ◆ローカル便り       各部・各研究所等より
 ◆プレスリリース報告   1月19日リリースほか   
 ◆編集後記         担当者のぼやき
 ◆配信手続き        配信停止・配信先変更等
 
 
 
【シリーズ】
 
世界の海から
  ・・日本人の食卓には世界のさかながいっぱい!・・
 
シリーズ第4号は海山性魚類(かいざんせいぎょるい)の代表格で、
昨年、市場に復活した 
 
クサカリツボダイ(Pseudopentaceros wheeleri
 
カワビシャ科に属する本種は頭が鎧のように骨で覆われ、英語名
(Pelagic armorhead)の由来になっています。和名前半は東京都
水産試験場に勤務していた草刈 正氏が標本を提供したことにちな
んでいます。日本南岸と北太平洋の海山海域に分布し、最大体長
55cmになります。
 
このさかなの剥製をみる
  → http://jamarc.fra.affrc.go.jp/jyoho/hakusei/tubodai.htm
 
 海山とは、海の中にある山です。天皇海山は北太平洋の32〜38N,
170〜180Eに連なる海山列で米国人科学者のDietz博士が1954年
Emperor Seamountsと命名しました(当センター遠洋水産研究所ニュ
ース No.90 1993年10月)。
 
海山とそこに棲む生物について調べる
  → http://seamounts.sdsc.edu/ (全て英語です)
 
 この海山に棲息する本種資源を最初に開発したのは旧ソ連のトロー
ル漁船で、この製品が輸入されたのが日本人の食卓へのおめみえで
した。日本のトロール漁船も1969年から操業を試み、1972-73年には
海洋水産資源開発センター(現:水研センター開発調査部)が漁場企
業化調査を行いました。
 
開発海域をみる
   → http://jamarc.fra.affrc.go.jp/kaigyo/tubodai.htm
 
 その結果、日本漁船の漁獲量は1972-76年に年間2〜3万トン程度に
達しましたが、その後漁獲は急減し、一昨年まで漁獲は低調に推移し
ていました。
 
 ところが、2003-04年の当センターのアカイカ漁場調査で、体長25セン
チ程度の本種と思われる魚が海山周辺の広い海域で夜間、海面におび
ただしく漂っているのが視認され、2004年4月以降、久々に天皇海山漁
場で好漁が得られました。この年の日本のトロール漁船による水揚げは
製品量で数千トンを越えたといわれています。(当センター開発調査部
海遙No.2 2004.12)
 
 本種は現在、1尾のひらき生干し(約350g)が1枚400円で販売されてい
ます。川崎市中央卸売市場北部市場では、半身のみりん漬け(約150g)
が1枚240円で販売されています。脂の乗りがよく、皮を下にしてグリルで
じっくり焼くと美味しいですよ。
 
 さて、当センターの調査研究によると、本種は天皇海山で冬に産卵し、
誕生した稚魚たちは北太平洋表層に広く散らばり、数年間を過ごして成
長し、春ごろ天皇海山に戻るらしいことがわかってきました。
 今、天皇海山の海の中では盛んに産卵活動が行われていることでしょう。
 やがて産まれるクサカリツボダイの子供たちよ!北太平洋で元気に育っ
て海山に戻っておいで!
 
 
 
【調査船運航状況】
 
 ◆北光丸(北海道区水産研究所)は、2月8日から28日まで21日間の
  予定で、山陰及び北陸沖海域において、ズワイガニの幼生の分布状
  況の把握と、これらの輸送・分散に大きな影響を及ぼすと考えられる
  対馬暖流の流動構造の把握を目的として調査航海を行っております。
 
  北光丸の詳細 → http://hnf.fra.affrc.go.jp/youran/hokko.htm
 
 
 ◆探海丸(北海道区水産研究所)は、2月11日から24日まで14日間
  の予定で、北海道太平洋沿岸海域及び根室海峡において、スケトウ
  ダラ卵及び仔魚の分布状態、海洋環境を把握を目的として調査航海を
  行います。
 
  探海丸の詳細 → http://hnf.fra.affrc.go.jp/youran/tankai-w.html
 
 
 ◆蒼鷹丸(中央水産研究所)は、2月23日から3月12日まで18日間の
  予定で、九州南方から四国沖海域において、黒潮の海洋・流動構造を
  明らかにし、イワシ類の産卵場形成機構と卵・仔稚魚輸送過程、及びマ
  アジ稚幼魚の東シナ海から太平洋側への加入量変動機構の解明を目
  的として調査航海を行います。
 
  蒼鷹丸の詳細 → http://nrifs.fra.affrc.go.jp/intro/sosiki/soyo.htm
 
 
 ◆陽光丸(西海区水産研究所)は、2月16日から3月15日まで28日の
  予定で、九州西から東シナ海海域において、アジ・サバ・イワシ類、スル
  メイカ、ブリ等の産卵水域や産卵状況の把握及び台湾北東部に分布す
  るマアジ等の仔稚魚の輸送経路の把握による浮魚類の資源変動機構
  の解明を目的として調査航海を行います。
 
  陽光丸の詳細 
   → http://nrifs.fra.affrc.go.jp/intro/sosiki/soyo.htm
 
 
 ◆みずほ丸(日本海区水産研究所)は、2月22日から3月1日まで8日
  間の予定で、佐渡北方礁及び上越沖において、アカガレイ、ニギス、マ
  サバ、カタクチイワシの漁場形成、現存量及び生産量の変動に及ぼす
  餌料、底質、物理環境の影響を調査し、漁場生産力とその変動の評価
  及び予測する手法の開発のための基礎的知見を得ることを目的として
  調査航海を行います。
 
  みずほ丸の詳細 → http://jsnfri.fra.affrc.go.jp/info.html#rv
 
 
 
【お知らせ】
 
 ◆水産総合研究センター発行刊行物のご案内
 
  水産総合研究センターでは、この「おさかな通信」というメールマガジ
 ンのほかに、「FRAニュース」という広報誌と、「おさかな瓦版」というニ
 ューズレターを発行し、日頃の研究成果を広くご理解頂くために努めて
 おります。
  なお、ホームページからでも以下のURLでPDFファイルにてご覧頂け
 ますので、是非ご訪問ください。
 
 「FRAニュース」最新版(創刊号)はこちら
  → http://www.fra.affrc.go.jp/bulletin/news/fnews01.pdf
 
 「おさかな瓦版」最新版(第2号)はこちら
  → http://www.fra.affrc.go.jp/bulletin/letter/no2.pdf
 
 水産総合研究センター発行刊行物のページはこちら
  → http://www.fra.affrc.go.jp/bulletin/bull-index.html
 
 
 ◆「韓国漁具図鑑」日本語版刊行のご案内
 
  社団法人マリノフォーラム21より、「韓国漁具図鑑」、韓国海洋水産
 部国立水産科学院刊、2002年の日本語版が印刷され、大学・県水産
 試験場・水産研究所などに配布されました。韓国語から日本語への翻
 訳については、水産研究所OBである大滝英夫氏が担当されました。
  なお、本誌につきましては非売品とのことです。
 
  内容についてのお問い合わせは、 マリノフォーラム21まで
   マリノフォーラム21 → http://www.mf21.or.jp/
 
 
 ◆公開ワークショップ「栽培漁業対象種の資源評価」のお知らせ
 
 当センター中央水産研究所横浜庁舎(横浜市金沢区)にて、公開ワー
クショップ「栽培漁業対象種の資源評価」を開催いたします。本ワークショ
ップは、当センター、都道府県及び大学等において資源管理及び栽培漁
業の研究を行っている研究者により、種苗放流が資源動向に与える影響
を再生産関係を含めてどのように評価し資源管理方策の意志決定に結び
つけるかについて、その方法論を検討します。
 
  日時 平成17年3月8日(火) 9:45〜17:30
  場所 中央水産研究所横浜庁舎(横浜市金沢区)
  詳細はこちら → http://nrifs.fra.affrc.go.jp/ws/20050308.htm
 
 
 
【イベント等ご報告】
 
 ◆平成17年 年頭記者会見を開催しました
 
  平成17年1月18日に、水研センター本部会議室(横浜市西区)に
 おいて平成17年 年頭記者会見を行いました。
  昨年に引き続き今回で2回目を迎えたこの年頭記者会見は、平成
 17年の年頭にあたり、水産庁記者クラブ加盟の記者の方々をお招き
 し、平成16年における主要成果の報告と平成17年の計画について
 説明を行い、記者の方々に水研センターの取り組みについて、より理
 解を深めて頂く目的で開催しました。
 
 当日の様子 → http://www.fra.affrc.go.jp/new/nentou.html
 
 
 
【ローカル便り】
 
 ◆川の「露盤化研究」で学会賞を受賞!(中央水研)
 
  応用生態工学会研究発表会(平成16年10月2〜3日、科学技術
 館サイエンスホール:東京都千代田区)において、内水面研究部生態
 系保全研究室の中村智幸主任研究官が発表した「河床の露盤化が
 ヤマメの繁殖を阻害する」が学会賞(口頭発表賞)を受賞しました。
  12年間におよぶ野外調査により、堰堤やダムの下流では砂礫の供
 給不足と流出によって川底の基質である岩盤が徐々に露出することを
 明らかにし、この現象に「露盤化」という新しい河川工学用語を提唱し
 ました。
  また、露盤化によって、渓流魚の一種であるヤマメの産卵場所が減
 少し、産み付けられた卵のふ化率も低下することを明らかにしました。
  長期間の調査、水産の分野からの新しい河川工学用語の提唱、魚
 の生息に対する露盤化の影響を明らかにしたことが評価されました。
 
 
 ◆平成15年度栽培漁業種苗生産、入手・放流実績調査の速報版
  まとまる(栽培漁業部)
 
  平成15年度栽培漁業種苗生産、入手・放流実績の中間とりまとめ
 である速報版ができあがりました。なお、本調査の報告書は、「平成
 15年度 栽培漁業種苗生産、入手・放流実績」として、平成17年3
 月に刊行予定です。
 
 詳細はこちら 
   → http://ncse.fra.affrc.go.jp/06topics/061topics_067.html   
 
 
 ◆酸性雨が魚類の産卵に影響(中央水研)
 
  2004年12月18日の読売新聞夕刊の紙面「ほっとサイエンス」におい
 て、魚類の産卵行動へ与える環境影響の事例として、酸性雨によるご
 くわずかなpHの低下がサケ科魚類の産卵行動を抑制するという中央水
 産研究所内水面研究部の研究成果が紹介されました。
  これからの環境保全には、生息している生物が「産めるのか」という観
 点に加え、「産みたいのか」という観点も重要であると締めくくっています。
 
 
 ◆「研究のうごき」第2号を発行(中央水研)
 
  中央水産研究所の業務内容と平成15年度の主な研究成果をわかり
 やすくまとめた「研究のうごき」第2号を発行しました。主な研究成果につ
 いては中央水産研究所のホームページ(http://nrifs.fra.affrc.go.jp/
 でもご覧いただけます。
  また、本書について質問や要望などがございましたら中央水産研究所
 図書資料館広報資料係(TEL:045-788-7608、FAX:045-788-5002)ま
 でご連絡下さい。
           
 
 ◆リアルタイム海洋情報システムの公開(中央水研)
 
  当センターでは、ホームページ →
 (http://nrifs.fra.affrc.go.jp/temperature/)を通じたリアルタイム海況
 情報の発信を開始しました。現在、三重県片田定置漁場における水温
 情報を提供しています。また、携帯電話のiモードでもアクセスできるよう
 設定されており、海上で利用することも可能です。今後は様々な機関と
 連携して観測ブイの設置を展開し、本システムを拡充していく予定です。
 
 
 
【プレスリリース報告】
 
 ◆「色落ちノリから新規プレバイオティクス素材を発見」
   1月19日リリース
  
  近年「色落ちノリ」と呼ばれる低品質のノリが多量に発生して、これらの
ノリのほとんどは廃棄処分となっているため、漁業者にとって死活問題と
なっております。
 そこで中央水産研究所と熊本県水産研究センターの共同研究の結果、
色落ちノリには強いビフィズス菌増殖促進物質(プレバイオティクス)が大
量に含まれ、機能性食品素材として使用できることを発見しました。
  
詳細はこちら → 
  http://www.fra.affrc.go.jp/pressrelease/pr16/170119/nori1.htm
  
 
 ◆「ハモの自然産卵による大量採卵に成功 −レプトケファルス型魚類
   の種苗生産技術開発に弾み−」 2月3日リリース
 
 ハモは関西で人気があり、特に京都では夏に欠かせない食材として知
られていますが、最近の漁獲量は最盛期の10分の1と減少しています。
 そこで志布志栽培漁業センターでは、種苗生産技術開発を目的として
親魚養成技術と採卵技術の開発に着手し、このたび大量採卵に成功しま
した。
 
詳細はこちら →
  http://www.fra.affrc.go.jp/pressrelease/pr16/170203/hamo1.htm
 
 
 
【編集後記】
 
 今日は2月9日。ということで、ふく(河豚:フグ)の日だそうです。
 主な漁場である日本海・東シナ海では、最盛期には1000トンの漁獲が
あったトラフグですが、ここ数年は100トンを下回る漁獲しかありません。
 しかし、近年注目を浴びている太平洋伊勢・三河湾周辺漁場では200ト
ンを上回る漁獲が続いてます。
 皆さんが最近ご賞味のフグも、伊勢・三河湾周辺で漁獲されたものかも
知れませんね。
 ちなみに小生が最近(?)食べたのは10年ほど前のお正月です。残念。
 寒いこの時期には鍋が一番。フグちり鍋なんていいですよね〜、課長様。
 
 
  
【配信手続き】
 
 配信停止、配信先変更等は下記アドレスまでメールにてご連絡願います。
 また、ご意見・ご感想等も、どしどしこちらまでお寄せください。
  
   
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