━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

おさかな通信 (水研センターメールマガジン)

第 53 号     平成21年2月11日
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━




 読者の皆様、恵方巻き(えほうまき)は食べましたか? 節分の夜に、恵方(今年は東北東)に向かって、願い事を考えながら 食べると縁起がいいようです。が、小生は・・・つい、お腹が減って いたもので、何も考えずにパクッと・・・
 インフルエンザも、街ではやっているようです。手洗い、うがいを 心がけ予防したいものです。(担当:O)


【目次】

◆シリーズ     ・水産加工品津々浦々「ずわいがに水煮缶詰」
◆ローカル便り   ・仙台市内のスーパーで、生鮮メカジキを試験販売!!
            ・トピックス〜“あっ”という間にワムシの栄養価は変化する〜
            ・さけます流通情報を見てみよう!
            ・スルメイカ稚仔調査を実施しています
            ・ズワイガニの資源評価及び底魚類の資源状態に関する説明会を
             開催
            ・ソロモン諸島漁業海洋資源大臣が中央水研に来所しました
            ・2つの保育園で出前授業を行いました
            ・水産工学研究所に2つの団体の皆さんが来所しました
◆お知らせ     ・地域水産加工技術セミナー IN 宇和島を開催します!
◆イベント報告   ・シーフードショー大阪でくいだおれ!?とっておきの技術をセミナ
             ーと展示で紹介
◆編集後記     ・担当者のひとりごと
◆配信手続き    ・配信停止・配信先変更等



【シリーズ】
  
 水産加工品津々浦々−26 「ずわいがに水煮缶詰」


 日本列島には魚、貝、イカ、海藻などを素材にした水産加工品が 数え切れないほどたくさんあります。その中から毎回一品一品にス ポットライトを当てて紹介していくコーナー「水産加工品津々浦々 」。26回目の水産加工品は、缶を開けるだけ、手を汚さず、すぐ 美味しい「ずわいがに水煮缶詰」です。

 
 ○ずわいがに水煮缶詰とは

 加熱、身出ししたズワイガニの肉に薄い食塩水等を加えて調味し、 真空密封、高温高圧殺菌した缶詰のことで、大きく分けると脚肉の 棒肉(第1脚肉)のみを使用したもの、肩肉や崩れ肉を使用したフ レーク、棒肉とフレークを混合したものの3種類があります。

 → http://nrifs.fra.affrc.go.jp/kakou/souran/zuwaigani/index.htm#1

 
 ○生産と消費の動向

 ずわいがに水煮缶詰だけの統計資料は無く、かに缶詰全体の生産 量で見ると1998年以降減少傾向にあり、2003年の生産量は約3,500t となっています。
 
 → http://nrifs.fra.affrc.go.jp/kakou/souran/zuwaigani/index.htm#2


 ○原料選択のポイント

 ズワイガニは、アラスカ沿岸、ベーリング海から樺太、朝鮮海域 にまで分布し、日本では日本海側沿岸と仙台湾以北の太平洋岸に生 息しています。缶詰加工用には雄のズワイガニが使用されます。

 一般的な製造方法では、生鮮ズワイガニが使用されますが、ロシ ア、アラスカ、カナダ産の加熱済み身出し冷凍ズワイガニが用いら れる場合もあります。

 加熱冷凍原料を使用する場合も、生鮮原料と同様に、原料の品質 が製品の品質に大きく影響することから、風味や色調が良く、肉質 が良好なものを使用します。


 ○加工の原理

 加熱後身出ししたズワイガニ脚肉または、肩肉を硫酸紙を敷いた 缶にきれいに並べ、食塩水をベースにした調味液を充填して、真空 巻締めし、高温高圧殺菌を行います。


 ○製品の形態・包装等

 缶は内側にエナメルコーティングを施したスチール缶(T2号、 C3号)、またはアルミ製のプルトップ缶が使用されます。


 ○実際の製造

 今回は加熱冷凍原料を使用した場合の製造工程について説明します。

 → http://nrifs.fra.affrc.go.jp/kakou/souran/zuwaigani/index.htm#3

 加熱済み身出し冷凍ズワイガニを用いる場合、まず解凍するとこ ろから作業は始まります。以前は二段煮熟した原料が使用されてい ましたが、最近は一段煮熟(高温煮熟)のものが多くなり、時折ブ ルーミートと呼ばれる身が青くなる不良品の発生も見られます。

 二段煮熟とは、かに肉タンパク質の凝固温度(55〜60℃)と血液 成分であるヘモシアニンの凝固温度(70℃)の差異を利用したもの で、60℃付近の温度で煮熟(一次加熱)後、水洗いしてブルーミー トの原因となるヘモシアニンを洗い出し、次いで95℃程度で煮熟する(二次加熱)ことです。

 調味は、食塩をベースにその他の調味料を配合します。スチール 缶を使用する場合、缶内面をエナメルコーティングされたものを使 用することにより、黒変は大幅に減少しますが、より安全を期すた め硫酸紙を使用し、肉が缶に直接接触しないように、専用装置によ り缶に硫酸紙を装着して肉を包みます。アルミ缶を使用する場合は 黒変が生じないため、硫酸紙は使用せず、直接肉詰めします。

 → http://nrifs.fra.affrc.go.jp/kakou/souran/zuwaigani/index.htm#4

 肉詰め量は、加熱殺菌後の身の歩留まりを勘案して1割程度多めに充填します。

 殺菌の方法は、高温で短時間(120℃30分程度)加熱する場合と、 比較的低温で長時間(110℃90分程度)加熱する2種類の方法があ ります。缶の中心温度は、温度ロガーを用いて記録します。

 → http://nrifs.fra.affrc.go.jp/kakou/souran/zuwaigani/index.htm#5

 なお、ズワイガニといえば水産総合研究センターでは、種苗の量 産化に成功しました。高級なズワイガニも、将来はお手頃になるかも・・・
 → http://www.fra.affrc.go.jp/pressrelease/pr20/200627-2/

 いかがでしたか。意外と知らないことがたくさんあったのではないでしょうか。

 これらは、「全国水産加工品総覧」 編集委員会編 監修 福田裕  山澤正勝 岡崎惠美子 A5判、638頁、¥7,500(本体)+税 発行所  (株)光琳を参考に記述致しました。

 この本は水産総合研究センターが主催する水産利用関係試験研究推 進会議において刊行することが合意され、都道府県の試験研究機関関 係者など約150名もの専門家により執筆されたものです。
 さらに詳しく知りたいなど、ご興味がある方は、この本を是非ご覧になって下さい。


  詳しくはこちらから
  → http://www.korinbook.com/main/book/zenkokusuisan.html


【ローカル便り】

 ◆仙台市内のスーパーで、生鮮メカジキを試験販売!!

 独立行政法人水産総合研究センターでは、近年の魚価の低迷や燃油の 高騰により厳しい経営状況にある近海まぐろはえなわ漁業の再生を図る ため、気仙沼港を基地として、平成18年9月から次世代型近海まぐろは えなわ漁船「海青丸」を用船して経費の削減や漁獲物の付加価値向上等 を目的とした実証化調査を実施しています。

 今回、仙台市にて生鮮メカジキの刺身としての美味しさを実感してい ただくため、調査船「海青丸」が三陸東方海域で漁獲した鮮度の良いメ カジキを試験販売いたしました。たいへん好評のうちに完売しました。

  詳しくはこちらから
  → http://jamarc.fra.affrc.go.jp/trial%20sales_kaiseimaru/Kaiseimaru_trial_sales3.htm


 ◆トピックス〜“あっ”という間にワムシの栄養価は変化する〜

 ワムシは海産魚の種苗生産において卵からふ化した仔魚が,最初に食 べる生物餌料です。一般的に,海産魚の種苗生産では,飼育開始から 2週間程度の期間は餌料としてワムシしか与えないことが多く,ワムシ の“栄養価”が飼育する仔魚の生残や発育などを左右するといっても過言ではありません。
 このため,種苗生産現場では,ワムシの栄養価を高めるために,海産 仔魚の成育に不可欠なエイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエ ン酸(DHA)などのn-3系高度不飽和脂肪酸(n-3HUFA)をワムシに取り 込ませる“栄養強化”を行ってから,仔魚に給餌しています。

  つづきはこちらから
  → http://ncse.fra.affrc.go.jp/00kenkyu/001topics/060topics_141.html


◆さけます流通情報を見てみよう!

 さけますセンターでは、毎月財務省関税局が発表する貿易月報からさけ ます類の輸入量・輸出量をグラフ化して皆様方に利用していただいていま す。国際的にも人気の高いサケの流通がよくわかります。
 また、このほかにも、東京都中央卸売市場や水産庁のデータから、さけ ます類の取扱量や市況情報などもあわせてグラフ化しています。
 是非、一度ご覧になってみてください。

  詳しくはこちらから
  → http://salmon.fra.affrc.go.jp/zousyoku/ryutu/ryutu.htm


 ◆スルメイカ稚仔調査を実施しています

 北海道区水産研究所では、平成21年1月30日〜2月26日(28日間)鳥取県 立境港総合技術高等学校所属の若鳥丸516トンを使用して、九州南西部周 辺海域においてスルメイカ稚仔調査を実施しています。

 東北・北海道太平洋海域に来遊してくるスルメイカ稚仔の分布・回遊な どの初期生態に関する知見は乏しく,産卵場,稚仔の発生量,親子関係等 不明な点が多いのが現状です。そこで,スルメイカの資源変動に大きな影 響を及ぼすと考えられる産卵場,分布様式,輸送経路,孵化日組成,初期 成長等を明らかとするスルメイカ稚仔の初期生態に関する知見を収集します。

  詳しくはこちらから
  → http://hnf.fra.affrc.go.jp/H-jouhou/kokaidayori/2008/WT20090130.pdf


 ◆ズワイガニの資源評価及び底魚類の資源状態に関する説明会を開催

 東北区水産研究所では、資源評価調査広報事業の一環として毎年、11月 下旬〜12月上旬、東北地方沖太平洋のズワイガニ漁解禁(12月10日)に先 駆け、相馬市において標記説明会を開催しています。

 当日は、相馬地区の沖合底びき漁業船頭会、福島県関係者、福島県内の 漁協関係者などに参加いただき、ズワイガニの資源状況について意見交換しました。

  詳しくはこちらから
  → http://tnfri.fra.affrc.go.jp/tiiki-joho.html#20081205zuwaigani


 ◆ソロモン諸島漁業海洋資源大臣が中央水研に来所しました

 平成21年1月29日(木)、我が国水産関係施設の視察のため、(財) 海外漁業協力財団が招へいしたソロモン諸島 Hon. Mr. Nollen Leni 漁業海洋資源大臣以下5名の政府要人が中央水産研究所を訪問されました。
 本部の奥野理事および当水研職員と水産研究の組織体制や、漁業 資源研究について意見交換した後、所内施設を見学されました。

  詳しくはこちらから
  → http://nrifs.fra.affrc.go.jp/gyouji/20090129/


 ◆2つの保育園で出前授業を行いました

 遠洋水産研究所では、平成21年1月19日・20日の両日、三保保育 園及び折戸保育園で、「食育の実践」のテーマに沿って園児たちに 魚への興味、関心を持ってもらえるようなお話しをしました。
 スーパーで切り身として売られている魚のもとの形を見せたり、 魚の体の仕組みなどわかりやすく説明し、園児もしっかりと話を聞 いてくれました。最後には活発な質問も出て、有意義な授業となったことと思います。

  詳しくはこちらから
  → http://fsf.fra.affrc.go.jp/syokuiku20.htm


 ◆水産工学研究所に2つの団体の皆さんが来所しました

 水産工学研究所には、大型の実験水槽や実験設備が整っているこ とから、年間を通して数多くの見学者が訪れます。今回は、2月3 日(火)に、CISTEC(財団法人 安全保障貿易情報センター) 安全保障輸出管理委員会船舶海洋WG他の皆さんが、2月9日(月) には、長崎県九十九島漁協小佐々地区青年部の皆さんが見学・研修 の目的で来所されました。

  CISTEC安全保障輸出管理委員会船舶海洋WG他の来所
  → http://nrife.fra.affrc.go.jp/topics/20090203/topics_20090203.html
  長崎県九十九島漁協小佐々地区青年部の来所
  → http://nrife.fra.affrc.go.jp/topics/20090209/topics_20090209.html


【お知らせ】

◆地域水産加工技術セミナー IN 宇和島を開催します!

 水産庁と(独)水産総合研究センターでは、地元のニーズにあった水産 利用加工及びそれらに関連した技術や情報を分かりやすく提供する地域水 産加工技術セミナーを2003年から、年数回全国各地で開催しています。
 
 今回、愛媛県及び宇和島市との共催により、平成21年2月18日(水)に宇 和島市の宇和島市総合福祉センターにて、第12回地域水産加工技術セミナー 「うまい魚のふるさと 宇和海をガイナ(すごい)ことにするお話」を開 催します。水産加工関係者に限らずどなたでも自由に参加できますので、 多くの方のご来場をお待ちしています。

  詳しくはこちらから
  → http://www.fra.affrc.go.jp/pressrelease/pr20/210204/



  【イベント報告】

 ◆シーフードショー大阪でくいだおれ!?とっておきの技術をセミナーと展示で紹介

 水産総合研究センターは、2月4日(水)〜5日(木)の2日間、ATC ホール(大阪市住之江区)で開催された、第6回ジャパン・インターナショ ナルシーフードショー大阪に出展し、日頃の研究開発成果のトピックスを紹 介しました。

 セミナーでは、産業的普及を目指し、陸上養殖で重要性が増している閉鎖 循環飼育において、低価格で高性能な活性化生物ろ過装置と泡沫分離装置を 組み込んだ画期的な飼育システムと、今までは廃棄されることが多かった小 型で脂の乗ったイワシを丸ごと使った新しいすり身を作る技術を紹介しました。

 また、展示コーナーでは、セミナーでも紹介した閉鎖循環飼育システムと、 カタクチイワシの加工で自動処理するための、頭を揃える自動整列補助機や ジェット採肉機の紹介、さらに、当センターが漁獲物の付加価値向上のため 取り組んでいる刺身用のメカジキ、カツオ、マサバなどのパンフレットを配 布、また、カタクチイワシの削り節を使った猫まんまやエタリの塩辛(カタ クチイワシを塩漬けし発酵させたもの)の試食も行いました。

  詳しくはこちらから
  → http://www.fra.affrc.go.jp/topics/210204/index.html


【編集後記】

 1月27日、鳥取県沖約480キロでロシア警備艇の臨検を受け、ナホ トカに連行された鳥取県境港市のカニかご漁船は2月9日、拿捕から13 日ぶりに境港市の境港に帰港しました。乗組員は皆無事との報道に胸をな でおろしました。
 海の仕事は命がけとはいうものの、何よりも無事に解放され、乗組員の ご家族の皆様方には、一安心されたことでしょう。



 


  【配信手続き】

 配信停止、配信先変更等は下記URLにて手続き願います。
  また、ご意見・ご感想等も、どしどしお寄せください。

  配信解除、配信先変更等
→ http://www.fra.affrc.go.jp/mail/index.html

 ご意見・ご感想等  → www@fra.affrc.go.jp  
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
編集・刊行・配信:
独立行政法人 水産総合研究センター
経営企画部 広報室

〒220−6115                    
神奈川県横浜市西区みなとみらい2-3-3 クイーンズタワーB15階
TEL 045-227-2600(代) FAX 045-227-2700       

Copyright 2006, Fisheries Research Agency
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−