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おさかな通信 (水研センターメールマガジン)

第 54 号     平成21年3月11日
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 読者の皆様、いかがお過ごしでしょうか。
 寒さも少しゆるみ、春の気配がすこしずつ近づいてきたのはよいの ですが、一方では花粉が飛び回り、ポケットティッシュが欠かせず、 ストレスが溜まる季節ですね。
 さて、おさかな通信読んでスッキリと、今月もはりきって参りまし ょう。(担当:O)


【目次】

◆シリーズ        ・水産加工品津々浦々「かつお節」
◆ローカル便り     ・うまい魚のふるさと宇和島で地域水産加工技術セミナーを開催
               しました
               ・中国農業部の李健華漁業局長一行が来所、中前理事長とが
               っちり握手
              ・親子と高校生が大健闘!!ニシンを使った『お魚料理コンクー
               ル』
              ・有明海における大型クラゲ分布調査速報
              ・千葉県東総教頭部会第三研修部の教頭先生方が水工研に来
               所しました
◆お知らせ       ・おさかな瓦版第27号を刊行
              ・水研センター叢書「地球温暖化とさかな」がまもなく出版!!
               これを記念してシンポジウムを開催します!!
◆プレスリリース報告 ・東南アジア漁業開発センター(SEAFDEC)との研究協力の推進
             −SEAFDECとの科学技術協力に関する覚書延長文書に署名−
              ・アカアマダイの標識放流について
◆編集後記       ・担当者のひとりごと
◆配信手続き      ・配信停止・配信先変更等



【シリーズ】
  
 水産加工品津々浦々−27 「かつお節」


 日本列島には魚、貝、イカ、海藻などを素材にした水産加工品が 数え切れないほどたくさんあります。その中から毎回一品一品にス ポットライトを当てて紹介していくコーナー「水産加工品津々浦々 」。27回目の水産加工品は、日本料理には必要不可欠、だしの王 様「かつお節」です。

 
○かつお節とは

 カツオを調理した後、煮熟、焙乾したもので、生節、裸節およびカビ付けを行った本枯節等があります。

    → http://nrifs.fra.affrc.go.jp/kakou/souran/katsuobushi/index.htm#1

 
○生産と消費の動向

 農林水産統計年報によれば、2002年のかつお節の生産量は、 なまり節を合わせて全国で約4万トン、うち鹿児島県で約2万4千 トン(全国の60%)が生産されています。鹿児島県内では、枕崎 市と山川町が主な生産地となっています。

 → http://nrifs.fra.affrc.go.jp/kakou/souran/katsuobushi/index.htm#2

 
○原料選択のポイント

 カツオは、世界の温帯、熱帯海域に広く分布し、日本近海には南 方海域から黒潮の流れに乗って回遊してきます。海外で漁獲された カツオも原料として使用されていますが、原料魚の脂肪含有量が製 品の品質を左右し、脂肪含量が多い原料は製品の香味が劣り、また、 貯蔵中に変色しやすいといわれています。原料選択のポイントは原 料魚の脂肪含量で、その値が1〜3%のものが適しているとされて います。
 輸入冷凍カツオの約80%がインドネシア、フィリピンおよびソ ロモン等から輸入されます。これらは、脂肪分が少なく良質な原料 となります。一方、海外まき網漁船が漁獲し、日本で水揚げしたカ ツオは漁場の違いから脂肪分が多いものが多く、花かつおにした時 に崩れやすく、色調もピンク色にならずに、黄変する欠点があるといわれています。


○加工の原理

 調理したカツオを煮熟した後、焙乾します。本枯節の場合、さらに日乾、カビ付けを繰り返します。

 → http://nrifs.fra.affrc.go.jp/kakou/souran/katsuobushi/index.htm#3


○実際の製造

 原料魚のカツオの年間使用量は枕崎市、山川町の合計で約12万 トン、その大半が地元に水揚げされるカツオのほか、輸入物、ある いは海外まき網漁業漁獲原料を使用しています。
 原料魚が小型の場合、亀節(3枚おろしの各身のこと)に、 4kg以上の大型の場合、さらに背肉と腹肉に切り離し、4本の本 節にします。亀節では皮の付いた面を、本枯節では身割りした面を 下にして煮篭に並べます。

 つづいて煮熟の工程です。煮熟水の温度が75〜80℃になった 時に煮篭を入れ、97、98℃になってから、亀節で45〜60分、 本節で60〜90分間煮熟します。その後、骨抜きした節を身おろ しした面を下にしてせいろに並べ、焙乾室で薪を燃やして焙乾しま す。この時、節が均一に乾燥するように、上下の節を順次入れ替え ます。これを1番火といい、この時の節をなまり節といいます。
 
   → http://nrifs.fra.affrc.go.jp/kakou/souran/katsuobushi/index.htm#4

 煮熟、あるいは骨抜きの際に形状を損ねた部分は、調理時に得た なかおち等の生肉とこれを煮熟したものを混合、擂り潰したもの (そくい)をすり込んで整形、修繕します。その後再び1番火の場 合と同様に焙乾します。これを2番火といい、一夜放冷後、さらに 焙乾を繰り返します。4〜5番火からは1日おきに、7〜8番火か らは2日おきに焙乾します。普通、亀節で8〜10番火、本節で 10〜12番火まで焙乾します。焙乾の終わった節を荒節、または鬼節と呼びます。

 荒節はせいろ、またはむしろの上に並べて半日か1日、天日乾燥 します。その後、タール質で覆われた節の表面の表皮の付いた部分 を残して薄く削り取り、カビ付け工程でカビが付きやすくします。 削り終わった節を裸節、あるいは赤むきといいます。

 最後に、裸節をむしろ上で2〜3日間、日乾した後に、カビ付け 用の木箱に詰めてカビ付けを行います。およそ10日後に青緑色の 1番カビが付きます。これをむしろに並べて日乾後、ブラシで表面 のカビを払い落とし、再び木箱に詰めます。10〜14日後に、2 番カビに覆われるので、1番カビと同様に、日乾して払い落としま す。このカビ付け操作を普通4回行い、カビ付けが終わった節を本枯節といいます。
 

○製品の形態・包装等

 製品の形態は、生節、味付節、裸節、本枯節および削り節等があ り、包装の形態は、無包装、真空包装およびガス置換包装等があります。

 いかがでしたか。意外と知らないことがたくさんあったのではないでしょうか。

 これらは、「全国水産加工品総覧」 編集委員会編 監修 福田裕  山澤正勝 岡崎惠美子 A5判、638頁、¥7,500(本体)+税 発行所  (株)光琳を参考に記述致しました。

 この本は水産総合研究センターが主催する水産利用関係試験研究推 進会議において刊行することが合意され、都道府県の試験研究機関関 係者など約150名もの専門家により執筆されたものです。
 さらに詳しく知りたいなど、ご興味がある方は、この本を是非ご覧 になって下さい。


  詳しくはこちらから
  → http://www.korinbook.com/main/book/zenkokusuisan.html


【ローカル便り】

◆うまい魚のふるさと宇和島で地域水産加工技術セミナーを開催しました

 平成21年2月18日(水)に宇和島市総合福祉センターにて、愛媛県及び 宇和島市にも共催をいただいて、「うまい魚のふるさと 宇和海をガイナ (すごい)ことにするお話〜競争力のある魚づくりと販売戦略〜」と題し て第12回地域水産加工技術セミナーを開催しました。
 水産総合研究センターと水産庁は、水産加工を核とした地域振興の一助 となることを期待して、地元のニーズにあった水産利用加工、およびそれ らに関連した技術や情報をわかりやすく提供する地域水産加工技術セミナ ーを、 2003年から全国各地で開催しています。当日は、水産加工会社を 含め愛媛県や宇和島市の近隣自治体の水産担当者や漁業協同組合など、会 場がほぼ満席となる約150名の方が集まり、講演に熱心に耳を傾けていただきました。

  詳しくはこちらから
  → http://www.fra.affrc.go.jp/topics/210218/index.html


◆中国農業部の李健華漁業局長一行が来所、中前理事長とがっちり握手

 2月13日(金)、中国農業部漁業局の李健華局長他7名が、水産総合研究 センター本部を訪問し、日本と中国における水産研究分野での研究協力、漁業 及び資源の状況などについて意見交換を行いました。
 中国とは、日・中・韓の共同研究に関する覚え書き(MOU)を基本に、中国 水産科学研究院(張院長)と大型クラゲに関する研究や、東シナ海の資源変動 に関するシンポジウムなどを行っています。

  本部来訪時の様子はこちらから
  → http://www.fra.affrc.go.jp/topics/210213/index.html

 その後、一行は中央水産研究所を訪問し、中央水産研究所井上所長らが中央 水産研究所の概要説明をした後、衛星画像受信施設で衛星データ解析と海洋デ ータベースについて、動物成分分析室において貝毒に関する研究についての説明を受けました。

  中央水産研究所来訪時の様子はこちらから
  → http://nrifs.fra.affrc.go.jp/gyouji/20090213/


◆親子と高校生が大健闘!!ニシンを使った『お魚料理コンクール』

 2月8日に、宮古栽培漁業センターは、栽培漁業を通じて沿岸に形成される 藻場干潟の重要性や維持・保全の必要性を、地域住民、特に子供たちへこの ことを伝え実感してもらうため、親子、学生を対象としたニシンを使ったお料理コンクールを開催しました。

 会場には、参加者の8組16名の他,一般の方々が約35名、加えて新聞・TV等 のマスコミ関係を含め、60名を超える人たちが会場に集いました。

  詳しくはこちらから
  → http://ncse.fra.affrc.go.jp/00kenkyu/001topics/060topics_144.html

 
◆有明海における大型クラゲ分布調査速報

 西海区水産研究所では、有明海における大型クラゲの定着・繁殖について 実態を明らかにするために、他研究機関と共同で、調査船調査により大型ク ラゲ幼生・幼若個体の採集を試みるとともに、有明海の環境状況について調査を実施しています。

 このたび、平成20年(2008年)5〜8月の各月下旬に行った調査結果がまと まりましたので、速報版にて報告します。

  詳しくはこちらから
  → http://snf.fra.affrc.go.jp/ariake_kurage/index.html



◆千葉県東総教頭部会第三研修部の教頭先生方が水工研に来所しました

 平成21年2月17日(火)に、東総教頭部会第三研修部の小学校と中学 校の教頭先生方が研修のために水産工学研究所に来所しました。東総地区と は、千葉県東北部にある九十九里浜と利根川に囲まれた4市13町からなっている地域のことです。


  詳しくはこちらから
  → http://nrife.fra.affrc.go.jp/topics/20090217/topics_20090217.html


【お知らせ】

◆おさかな瓦版第27号を刊行しました

 このたび、当センターのニューズレター「おさかな瓦版」第27号を刊行 しました。シリーズ「瀬戸内海のさかなたち」。今回の特集は、「“瀬戸内” 駅弁味めぐり」です。たこ飯、かき飯にあなご飯、読んでいるだけでおなかがすいてきそうです。

 また、ご好評のコーナー「書籍で知る日本の水産」。通算13回目となる 今回は、明治時代に作られた画帖「さかなつくし」をとりあげています。
 あんじいの「おさかなクイズ」のコーナーでは、さかなに関する豆知識な どもわかりやすく掲載しています。

 次号は、平成21年4月刊行予定です。

   第27号はこちら
   → http://www.fra.affrc.go.jp/bulletin/letter/no27.pdf

   その他、水研センター発行の刊行物はこちら
   → http://www.fra.affrc.go.jp/bulletin/bull-index.html


◆水研センター叢書「地球温暖化とさかな」がまもなく出版!!
   これを記念してシンポジウムを開催します!!

水産総合研究センターは、地球温暖化が海の環境、さかなにどの ように影響するのか、イワシ・サンマ・サケなど食卓に上がる身近 な魚を中心にわかりやすく解説した水研センター叢書「地球温暖化 とさかな」を発刊いたします。ご興味のある方は、是非ご購入ください。

  独立行政法人水産総合研究センター 編
 定価2,310円(税込)A5判 並製 216頁 ISBN978-4-425-88471-1

     詳しくはこちらから
  → http://www.seizando.co.jp/index.php?main_page=product_info&products_id=995

 また、出版を記念したシンポジウム「食卓のさかなは、これから どうなる!?」を、下記のとおり3/30に虎ノ門パストラルホテ ルにて開催いたします。参加希望の方は、お早めにご登録ください。 (先着120名)会場では、叢書を1割引でご購入いただけます。

                記
  1.開催日時 平成21年3月30日(月)14:00〜17:00
  2.開催場所 虎ノ門パストラルホテル 新館5階 マグノリア
  3.次  第
          14:00〜14:10 開会挨拶、ご来賓挨拶
         14:10〜15:10 基調講演、招待講演
         15:10〜15:30 休憩 書籍販売
         15:30〜16:30 講演(この本の見どころ)
         16:30〜16:50 意見交換
         16:50〜17:00 閉会挨拶

  参加受付はこちらから
  → http://www.fra.affrc.go.jp/gwsympo/


【プレスリリース報告】

◆東南アジア漁業開発センター(SEAFDEC)との研究協力の推進
−SEAFDECとの科学技術協力に関する覚書延長文書に署名−
  (2月26日プレスリリース)

 独立行政法人水産総合研究センター理事長と東南アジア漁業開発センター (SEAFDEC)事務局長は、2009年2月16日にタイ、バンコクにあるSEAFDEC事務 局で、科学技術協力に関する覚書延長文書(別添資料)に署名しました。

 当センターとSEAFDECは2004年1月に5年を期間として科学技術協力に関する 覚書を締結し、当センターから長・短期専門家派遣、SEAFDECからの研修員受 入を行い、浮魚資源調査や魚病診断の技術移転などの科学技術協力を進めてきました。

  詳しくはこちらから
  → http://www.fra.affrc.go.jp/pressrelease/pr20/210226/


◆アカアマダイの標識放流について (3月2日プレスリリース)

 水産総合研究センター宮津栽培漁業センターで平成20年9月20日にふ化し、 水槽内で飼育してきたアカアマダイの種苗2,000尾を平成21年3月9日に、伊根 ・養老モーター組合の漁業者と共同で放流することになりましたのでお知らせします。

 アカアマダイは東シナ海を中心として日本海側、太平洋側に広く分布し、 京都ではグジと呼ばれて珍重されています。全国的にその資源は大きく減少 しています。そこで、水産総合研究センターでは、アカアマダイのふ化から 放流種苗まで育てる研究開発に取り組み、種苗生産技術を開発してきました。

  詳しくはこちらから
  → http://www.fra.affrc.go.jp/pressrelease/pr20/210302/


【編集後記】

 春は別れの季節です。多くの人が、卒業、異動と新しい世界に羽ばたいて いきます。いままでお世話になった人との別れは寂しいものです。けれど、 4月にはまた新しい出会いが待っています。人間はこれを繰り返して、きっと成長していくのですね。



 


  【配信手続き】

 配信停止、配信先変更等は下記URLにて手続き願います。
  また、ご意見・ご感想等も、どしどしお寄せください。

  配信解除、配信先変更等
→ http://www.fra.affrc.go.jp/mail/index.html

 ご意見・ご感想等  → www@fra.affrc.go.jp  
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編集・刊行・配信:
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