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おさかな通信 (水研センターメールマガジン)

第 57 号    平成21年6月10日
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 さわやかな初夏の季節となりましたが、読者の皆様はいかがお過ごしでしょうか。
 東海地方まで梅雨入りし、夏本番に向けての準備が始まったようです。気温の変化が激 しくなりますので、皆様、体調管理には十分気をつけましょう。(担当:O)


【目次】

 ◆シリーズ
    ・水産加工品津々浦々「ひじき加工品」

 ◆ローカル便り
    ・味の素(株)と共同でカツオ標識放流調査を実施
    ・2009八重山の産業まつりに参加
    ・徳志別川(北海道枝幸町)でサケ稚魚の放流式
    ・カリスマ場長、ラジオ番組に出演!
    ・鹿児島三大祭りのひとつ、志布志のおしゃか祭にあんじぃ等が現る

 ◆お知らせ
    ・新たな水産業エネルギー技術の普及と今後の取り組み
       〜パンフレットの配布と技術交流セミナーを開催〜
    ・サイエンスキャンプ2009参加者の募集
    ・瀬戸内海区水産研究所一般公開の開催(7月18日)
    ・栽培漁業センター技報(第9号)を刊行

 ◆プレスリリース報告
    ・音響・光学複合生物観測システム(J-QUESTχ)開発に成功!
       〜深度500mハダカイワシ類の観測も可能に〜
    ・まぐろの適正保冷温度の効果を販売価格が証明
    ・ニホンウナギの産卵生態調査の実施
    ・サケ資源変動に関する検討に着手
    ・平成21年度日本海マアジ長期漁況予報

 ◆編集後記
    ・担当者のひとりごと

 ◆配信手続き
    ・配信停止・配信先変更等



【シリーズ】
  
 水産加工品津々浦々−30 「ひじき加工品」


 日本列島には魚、貝、イカ、海藻などを素材にした水産加工品が数え切れないほどたく さんあります。その中から毎回一品一品にスポットライトを当てて紹介していくコーナー 「水産加工品津々浦々」。30回目の水産加工品は、炒め物や煮物、汁物などでお目にか ける「ひじき加工品」です。

 
○ひじき加工品とは

 ひじき加工品は、古くより愛用され、特に野菜の乏しい夏場の惣菜として重宝され、ま た、日持ちも良いことから大切な保存食とされてきました。

 ヒジキは、褐藻類でホンダワラの仲間で、北海道日高以南の日本の各地で見られます。 だいたい1m位まで成長して、根を残して刈り取られます。収穫時期は、漁場での繁

茂状況によって違います。それぞれの地域で決まりがありますが、“口開け”と呼ばれる 解禁日には、漁師さんが総出で収穫に当たります。

 →   http://nrifs.fra.affrc.go.jp/kakou/souran/hijiki/index.htm#01

 海苔1枚の規格は19×21cmで重量は約3gほどです。
 乾し海苔となる原藻(ノリ)は、南は鹿児島県から北は宮城県までの、主に太平洋側の 内湾で養殖されています。

○生産と消費の動向

 全国生産量は、平成8年の11,000tを最高に、8,000t前後でやや減少傾向にあります。 長崎県、千葉県、三重県での生産が多くなっています。

 収穫された生原藻のほとんどは、産地で素干し品として集荷された後、二次加工品産地 の加工場に運ばれ、煮干しヒジキなどの製品に加工されます。長崎県の一部で生産される 特上の長ヒジキは、収穫した生の原藻を、そのまますぐに煮熟加工をします。

 原料として、付着物などの汚れがなく、太めで長く、コシのしっかりしたものが良いと されています。

 ヒジキ製品の国内での流通量は、2001年で約7,800t程度あり、韓国産が5,700t、国産 が1,000t、他に中国産などが流通しています。(乾製品ですので、原料8,000tが製品1, 000t程度になります。)

 →   http://nrifs.fra.affrc.go.jp/kakou/souran/hijiki/index.htm#02

○加工の原理

 煮干しひじきは、原則として、素干しを蒸し煮など加熱後乾燥したもので、加熱と乾燥 により、渋みがとれ、適度の食感と保存性が加わります。

○実際の製造

1.原藻採取・素干し
 採取後、それぞれの地域で素干しにされ、30kg程度ずつ袋に詰められて出荷され
 ます。生からの歩留りは概ね20〜30%です。

2.洗浄・蒸煮
 加工場では、素干し品を洗浄したのち、だいたい1.5〜6時間ほど蒸し煮を行い、蒸
 らします。蒸し煮の時間が足りないと製品が固くなり、逆に長過ぎると粘りが出て
 乾燥しにくく、風味も乏しいものになります。

 長ひじきは、長崎県の一部では生原藻から直接加工されますが、素干し品の長めの
 ものを選別使用する場合もあります。生原藻のからの場合、原藻を良く洗浄後、茎

 から葉や気泡を手でしごき落として束ね、鉄釜でだいたい4時間ほど煮熟した後、
 天日で乾燥させると、櫛(くし)ですいたような真っ直ぐな煮ヒジキができます。

3.乾燥
 天日乾燥では、乾燥まで2〜3日を要します。規模の大きいところでは、機械を利用
 して2〜3時間の短時間で乾燥させています。

4.選別・検査
 乾燥したものは、小規模加工の手作業のほか、工場等では形状選別機やロータリー
 シフターなどで、茎の部分と芽(芽ヒジキ)に分けます。さらに、風力、静電気を、利用

 した吸引、色彩選別機、目視などで異物を取り除き、金属検出も行われます。茎と芽
 ヒジキの比率は、芽ヒジキが茎の1.5〜4倍程度で、合計部留りは概ね50%です。

 →  http://nrifs.fra.affrc.go.jp/kakou/souran/hijiki/index.htm#03
 →  http://nrifs.fra.affrc.go.jp/kakou/souran/hijiki/index.htm#04

○製品の形態・包装等

 業務用にはビニール袋8〜10kg入りを箱詰め、小売り向けには各種サイズのポリプロ ピレン小袋などに詰めます。

 →  http://nrifs.fra.affrc.go.jp/kakou/souran/hijiki/index.htm#05

○品質管理のポイント

 品質としては、黒色の色調が強く、水戻ししたときにしっかりした歯触りで風味の良い ものが上品とされます。乾製品ですので、吸湿に注意が必要です。たまに見られる白い粉 は、塩分が吹き出したものです。

○成分の特徴

 ヒジキはアルカリ性食品で、食物繊維、カルシウムや鉄分などミネラル成分が多く含ま れます。俗に、「よく血を収める」といわれ、妊婦や血行不良の人たちにも食べられ、健 康食品として根強い需要があります。

 →  http://nrifs.fra.affrc.go.jp/kakou/souran/hijiki/index.htm#06

○食べ方

 食べ方として、煮干し品を一度水にひたし、水切り後、油揚げ、コンニャク、椎茸など と油で炒めながら、調味した料理が代表的です。水にひたし、水切りしたものをそのまま、

酢の物、汁物、煮物などにも使われます。水戻しは戻しすぎないことが肝要です。味付 けした煮ひじきを乾燥して、そのまま食べられる製品もあります。

 →  http://nrifs.fra.affrc.go.jp/kakou/souran/hijiki/index.htm#07


 いかがでしたか。意外と知らないことがたくさんあったのではないでしょうか。

  これらは、「全国水産加工品総覧」 編集委員会編 監修 福田裕 山澤正勝
  岡崎惠美子 A5判、638頁、¥7,500(本体)+税 発行所(株)光琳を参考に
  記述致しました。

 この本は水産総合研究センターが主催する水産利用関係試験研究推進会議において刊行することが合意され、 都道府県の試験研究機関関係者など約150名もの専門家により執筆されたものです。
 さらに詳しく知りたいなど、ご興味がある方は、この本を是非ご覧になって下さい。

  詳しくはこちらから
  →  http://www.korinbook.com/main/book/zenkokusuisan.html


【ローカル便り】

◆味の素(株)と共同でカツオ標識放流調査を実施しました

 5月7日〜13日、遠洋水産研究所は味の素(株)と共同で、南西諸島水域から西日本太平 洋沿岸のカツオ漁場への移動実態を解明するために、カツオ標識放流調査を行いました。

 7日間で計1,000尾のカツオを放流し、そのうち14尾には記録型標識(アーカイバルタグ )放流の装置手法を確立するためにタグの模造品も装着しました。すでに、放流海域から いくつかの再捕報告もあり、今後、さらなる再捕が期待されます。

   詳しくはこちらから
   →  http://fsf.fra.affrc.go.jp/ajinomoto.htm
   →  http://www.ajinomoto.co.jp/press/2009_06_03.html

◆2009八重山の産業まつりに参加しました

 5月30日〜31日、西海区水産研究所石垣支所は2009八重山の産業まつりに参加しました。
 最近の研究成果の紹介やスジアラ種苗の展示を行い、おみやげとして「スジアラ」、 「ソデイカ」、「ニシキエビ」のペーパークラフトを配布しました。

   詳しくはこちらから
   →  http://snf.fra.affrc.go.jp/topics/sangyou09/sangyou09.html

◆徳志別川(北海道枝幸町)でサケ稚魚の放流式を行いました

 5月20日、さけますセンター徳志別事業所は社団法人宗谷管内さけ・ます増殖事業協会、 枝幸漁業協同組合、枝幸さけ定置部会との共催で、サケの徳志別川への大量回帰を願って 、サケ稚魚の放流式を行いました。

 近隣の岡島小学校の児童も、校外学習の一環として、事業所を見学するとともに、放流 を体験しました。

   詳しくはこちらから
   →  http://salmon.fra.affrc.go.jp/event/2009_0520esasi/2009esasi.htm

◆鹿児島三大祭りのひとつ、志布志のおしゃか祭にあんじぃ等が登場しました

 4月29日、志布志栽培漁業センターのある鹿児島県志布志市で「おしゃか祭り」が、毎年 催されます。これは、「お釈迦様」誕生を祝う祭りで、鹿児島県の三大祭のひとつに数えら れます。

 当日は、志布志栽培漁業センターで取り組んでいる種苗の水槽展示や、日夜取り組んで いるウナギの仔魚(レプトセファルス)に与える新たなエサ探しや、ウナギの稚魚を大量 に飼育するための技術開発などの業務を紹介しました。

   詳しくはこちらから
   →  http://ncse.fra.affrc.go.jp/06column/06colmn_054.html


【お知らせ】

◆新たな水産業エネルギー技術の普及と今後の取り組みについて
  〜パンフレットの配布と技術交流セミナーを開催します〜

 昨年8月に原油価格上昇に伴う急激な燃油価格高騰による、漁船漁業の危機的な状況に 対応するために「水産業エネルギー技術研究会」を設置し、漁船漁業をはじめとする水産 業経営の安定化、省エネルギー対策技術の現状等を議論し、提言としてまとめました。

 提言に盛り込まれた技術等を普及するため、すぐに実用できる具体的な省エネルギー技 術を紹介するパンフレット「漁船漁業の省エネルギー」の作成、第7回技術交流セミナー として「漁船漁業の省エネルギー技術」を開催し、情報の提供を行います。

   詳しくはこちらから
   →  http://www.fra.affrc.go.jp/pressrelease/pr21/210521/
   第7回技術交流セミナー案内、参加申込みはこちらから
   →  http://www.fra.affrc.go.jp/plaza/goannai.html

◆サイエンスキャンプ2009「奥日光マス類の生態と遺伝的特性を調べる」参加者を募
 集しています

 中央水産研究所は、昨年度よりサイエンスキャンプ実施機関として参加しています。今 回、中禅寺湖及び湯の湖周辺をフィールドとしてマス類研究を体験していただき、自然環 境との共生を目指した淡水魚の増殖と利用について考えてもらう予定です。

  詳しくはこちらから
  →  http://nrifs.fra.affrc.go.jp/event/ScienceCamp/2009/index.html
  募集要領、参加申込書等は、サイエンスキャンプHPから
  →  http://ppd.jsf.or.jp/camp/

◆瀬戸内海区水産研究所一般公開を開催します

 瀬戸内海区水産研究所は、夏休みが始まる7月18日(土)に研究の内容や成果を多くの 皆様に知っていただくため、研究所を一般の方に開催します。

   詳しくはこちらから
   →  http://feis.fra.affrc.go.jp/event/h21koukai/h21kaisai/h21index.html

◆栽培漁業センター技報(第9号)を刊行しました

 栽培漁業に関する技術開発の成果のうち、早急に技術普及をなすべきものなどを、迅速 に公表していくことを目的として発行しています。今号は、「メガネモチノウオの成長と 成熟」、「省力化型マダラ種苗生産手法の検討」などが掲載されています。

   詳しくはこちらから
   →  http://ncse.fra.affrc.go.jp/03kankou/03index.html


【プレスリリース報告】

◆音響・光学複合生物観測システム(J-QUESTχ(カイ))開発に成功!
  〜深度500mハダカイワシ類の観測も可能に〜

 音響・光学複合生物観測システム(J-QUEST χ)を開発し、イカなどの重要なエサとな るハダカイワシ類について、その現存量及び生態的知見の把握のための手法を確立しまし た。

 今年度は、インド洋におけるトビイカの調査や、宮城県沖の資源調査で活用し、調査を 通じてさらに本システムの改良を行う予定です。

   詳しくはこちらから
   →  http://www.fra.affrc.go.jp/pressrelease/pr21/210529/

◆まぐろの適正保冷温度の効果を販売価格が証明
  〜地球環境にやさしい凍結まぐろの水揚げ販売結果をお知らせします〜

 3月下旬から4月中旬に神奈川県三浦市三崎の魚市場にて、一般に超低温(−50℃以下) とされている船上での保冷温度を“−40℃”程度に上げて管理し、その温度履歴を明らか にした凍結まぐろ類を販売しました。

 その結果、メバチマグロ、キハダマグロとも通常の超低温保冷品とほぼ同価格で販売さ れました。

   詳しくはこちらから
   →  http://www.fra.affrc.go.jp/pressrelease/pr21/210519/

◆ニホンウナギの産卵生態調査の実施

 5月18日より、北太平洋においてニホンウナギの産卵生態調査を、水産庁と共同調査を 行っています。

 昨年度に実施した調査では、産卵海域と想定されるマリアナ諸島西方の太平洋で、世界 で初めて4個体の成熟ニホンウナギの捕獲、ふ化後数日のウナギ仔魚26個体の採取に成功 しています。

 今回は、より集中的に成熟個体の捕獲ができるように計画しています。

   詳しくはこちらから
   →  http://www.fra.affrc.go.jp/pressrelease/pr21/210515/

◆サケ資源変動に関する検討に着手〜変動の謎に迫りサケ来遊量の安定化に貢献します〜

 平成20年秋のサケ来遊量が前年と比べ大幅に減少したことを受け、その減少要因を明ら かにするとともに、今後のふ化放流事業の対応策について検討を行うこととしました。

 今後、関係機関と連携を密にしながら検討を深め、8月上旬までに中間報告のとりまと めを行う予定です。

   詳しくはこちらから
   →  http://www.fra.affrc.go.jp/pressrelease/pr21/210601/

◆平成21年度日本海マアジ長期漁況予報

 日本海におけるマアジの漁況について、水産関係機関が検討し、日本海区水産研究所が とりまとめました。

 今後の見通し(5月〜9月)のポイントとして、「日本海西部海域では1歳魚が主体で、 夏以降は0歳魚の割合が増加し、全体の来遊量は前年を上回る。」、「中北部海域でも1歳 魚が中心で、前年以上の来遊が見られる。」模様です。

   詳しくはこちらから
   →  http://abchan.fra.go.jp/gk21/20090525.pdf


【編集後記】

 6月10日は、「時の記念日」です。

 日本初の時計「漏刻時計(水時計)が鐘鼓を打った日が671年4月25日」と日本書記に記 載されており、暦を現代の太陽暦にすると本日6月10日にあたることから、生活改善同盟 会が大正9年(1920年)に、「時間をきちんと守り、生活の改善・合理化を図る」ことを目 的に提唱し定められました。

 これから体調管理がむずかしい季節になってきますので、規則正しい生活を心がけ、風 邪などひかないよう気をつけましょう。



【配信手続き】

 配信停止、配信先変更等は下記URLにて手続き願います。
 また、ご意見・ご感想等も、どしどしお寄せください。

  配信解除、配信先変更等
  →  http://www.fra.affrc.go.jp/mail/index.html

  ご意見・ご感想等  →  www@fra.affrc.go.jp
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