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おさかな通信 (水研センターメールマガジン)

第 58 号    平成21年7月8日
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 読者の皆様、いかがお過ごしでしょうか。
 前号では梅雨入りが・・・と掲載させていただきましたが、ちらほらと梅雨明けのニュ
ースを聞くようになりました。
 夏本番に向け徐々に気温も上がってきます。今年は「土用の丑の日」が2回(7月19
日、7月31日)あります。夏バテ予防に“ウナギ”はいかがですか?


【目次】

 ◆シリーズ
    ・水産加工品津々浦々「たらこ」

 ◆ローカル便り
    ・第7回技術交流セミナーを開催
    ・旭市いいおか港・水産まつり2009へ出展
    ・第7回産学官連携功労者表彰で農林水産大臣賞を受賞

 ◆お知らせ
    ・中央水産研究所横須賀庁舎と高知庁舎で一般公開開催 (7月18日)
    ・中央水産研究所日光庁舎(さかなと森の観察園)で一般公開開催 (8月6日)
    ・ジャパン・インターナショナル・シーフードショーに参加 (7月22〜24日)
    ・おさかな瓦版29号を発行
    ・FRAニュース19号を発行

 ◆プレスリリース報告
    ・大型クラゲについて
    ・ウナギの産卵生態調査の結果について
    ・世界初!クロマグロ全ゲノム解読に王手
    ・メバチ混獲回避技術観察調査の実施について
    ・さけの里ふれあい広場来場者10万人を突破
    ・平成21年度第2回日本海海況予報について
    ・平成21年度第2回瀬戸内海東部カタクチイワシ漁況予報について
    ・平成21年度カツオ長期来遊資源動向予測(6〜11月)について

 ◆編集後記
    ・担当者のひとりごと

 ◆配信手続き
    ・配信停止・配信先変更等



【シリーズ】
  
 水産加工品津々浦々−31 「たらこ」


 日本列島には魚、貝、イカ、海藻などを素材にした水産加工品が数え切れないほどたく さんあります。その中から毎回一品一品にスポットライトを当てて紹介していくコーナー 「水産加工品津々浦々」。30回目の水産加工品は、おにぎりの具材やパスタなどでお目 にかける「たらこ」です。

 
○たらことは

 現在、一般にたらことして流通しているものは、スケトウダラの卵巣を塩蔵したもので す。そのまま食べたり焼いて食べたりしますが、最近では、コンビニエンスストアでのお

にぎりの具材として定着し、ピザやパスタなどの洋風の料理にも使われ人気が高くなって います。たらこが生産されるようになったきっかけは、マダラが不漁の時にスケトウダ

ラを代替で漁獲したことです。卵も大正時代から市場に出回るようになり、「紅葉子(も みじこ)」などの別名で出荷される場合もあります。辛し明太子のルーツは朝鮮半島で、

スケトウダラを「明太」と呼び、その卵で作られたものを「明太子」と呼んだところが始ま りとされます。

 たらこは成熟の進んだ順に、がむ子、真子、特目(とくめ)、目付け(めつけ)、水子(み ずこ)とに分けられます。

 →  http://nrifs.fra.affrc.go.jp/kakou/souran/tarako/index.htm#01

○生産と消費の動向

 たらこの生産は1986年頃の約6万tをピークに減少していき、2000年には約2万tとなっ ています。全国の60%は、北海道で生産されています。

○原料選択のポイント

 現在は、たらこ原料のほとんどはアラスカやロシアで漁獲され、船上で採卵し急速凍 結されたものを原料としており、アメリカ、ロシア、韓国から輸入されています。

 少し前までは、凍結機の性能等により原料品質にばらつきが見られましたが、近年は 冷凍技術の発達により近海原料に近い状態で供給されています。

 また、漁獲海域の資源量や漁獲割当、漁獲動向により、品質及び価格等へ大きな影 響が出ます。

○加工の原理

 塩蔵たらこは、食塩を主体とした調味液によって、原料卵からの脱水による身締めと同 時に、調味と着色を行います。身締まりの度合いが品質を左右します。

 たらこの独特の色を出すために、食用色素などを用いることもあります。

 →  http://nrifs.fra.affrc.go.jp/kakou/souran/tarako/index.htm#02

○製造の実際

1.原料
 北海道近海や北洋海域で漁獲・採取したもの、アメリカ、ロシアなどからの輸入した
 卵が使用されています。

2.卵巣採取
 スケトウダラから卵巣を取り出し、塩水で、粘液、血液、夾雑物を洗い流します。

※「原料」から「水切り」までは洋上で加工され、凍結原料として輸入されています。

3.解凍
 凍結原料は、低温の解凍室および解凍機を利用して解凍されます。

4.調味漬け・着色
 食塩の量は漬込み液10L当たり600〜1,200gの範囲とし、季節、卵質によって適宜使
 用量を決定します。なお、漬込みのときに食塩を使用する製法の場合も、食塩の使用

 量は同様となっています。食用色素および調味料を使用する場合は、正確に計量し、
 過量使用にならないようにするとともに、漬込み液はその都度調整します。

5.手返し
 漬込み液を浸透させるために手返しを、漬込み後1時間以内は4〜5回、2〜3時間の
 間は30分ごとに1回、3〜6時間の間は1時間毎に1回程度行います。手返しの回数は、

 様子を見ながら増減します。なお、この工程については、近年、回転機の導入により
 自動的に行われるようになっています。

6.熟成
 手返しの終了した原料は、低温の熟成室で1〜2日程度熟成されますが、熟成の期間
 は製品の仕様、および製造者によって変動があります。

7.水切り・整型
 低温下で十分に水切りされた製品は、形を整えるとともに、製品の良否により選別さ
 れます。

8.選別・包装
 卵質・形状ごとに選別、計量され、ただちに包装されます。計量については、自動計量
 機の普及により効率的に計量されます。容器包装には、食品衛生法施行規則第5条

 の規定に基づく表示事項のほか、消費期限または品質保持期限および量目が表示さ
 れます。

○製造装置

 →  http://nrifs.fra.affrc.go.jp/kakou/souran/tarako/index.htm#03

○製品の形態・包装等

 個人消費向けとしては、発泡スチロール製のトレイに入れ、ラップ包装されます。業務 用として、発泡スチロール箱、贈答用として、プラスチック製の樽詰など、包装される形 態がいろいろあります。

○品質管理のポイント

 漬込み後のたらこは塩分によって凝固しやすくなるので、洗浄後速やかに整形する必要 があります。また、整形のときも夾雑物をよく取り除きます。

○安全・衛生管理

 たらこは、非加熱製品ですので、加工工程での菌の増殖を可能な限り抑える必要があり、 温度管理や作業者の着衣、手袋、マスク等の着用により菌の増殖や汚染に留意しなければ なりません。


 いかがでしたか。意外と知らないことがたくさんあったのではないでしょうか。

  これらは、「全国水産加工品総覧」 編集委員会編 監修 福田裕 山澤正勝
  岡崎惠美子 A5判、638頁、¥7,500(本体)+税 発行所(株)光琳を参考に
  記述致しました。

 この本は水産総合研究センターが主催する水産利用関係試験研究推進会議におい て刊行することが合意され、都道府県の試験研究機関関係者など約150名もの専門 家により執筆されたものです。
 さらに詳しく知りたいなど、ご興味がある方は、この本を是非ご覧になって下さい。

  詳しくはこちらから
  →  http://www.korinbook.com/main/book/zenkokusuisan.html


【ローカル便り】

◆第7回技術交流セミナーを開催しました

 6月30日、第7回技術交流セミナーとして、シンポジウム「漁船漁業の省エネルギー技 術」を発明会館ホール(東京都港区)にて開催しました。

 シンポジウムでは、水産業エネルギー技術研究会による漁船漁業をはじめとする水 産業の省エネルギー対策技術の現状と、エネルギー消費のあるべき姿への提言、現場

に適用可能な具体的な省エネ技術を紹介するパンフレット、導入に向けた国の施策に
ついて紹介しました。

   詳しくはこちらから
   →  http://www.fra.affrc.go.jp/plaza/210630/index.html

◆旭市いいおか港・水産まつり2009へ出展しました

 6月14日、水産工学研究所は千葉県旭市の飯岡漁港にて行われた「旭市いいおか港・水 産まつり2009」へ出展し、研究所の紹介と併せて10月に開催予定の一般公開の案内を行い ました。

   詳しくはこちらから
   →  http://nrife.fra.affrc.go.jp/topics/20090614/topics_20080614.html

◆第7回産学官連携功労者表彰で農林水産大臣賞を受賞しました

 6月20日、養殖研究所生産技術部 奥村卓二甲殻類育成チーム長が、「安全なエビ(バナ メイ)の生産システム・プラントの開発」により、JIRCAS水産領域プロジェクトリーダ

ーのマーシー・ワイルダー氏、(株)アイ・エム・ティーの野原節雄氏とともに、第7回産 学官連携功労者表彰にて農林水産大臣賞を受賞しました。

   詳しくはこちらから
   →  http://nria.fra.affrc.go.jp/topics/090608.html


【お知らせ】

◆中央水産研究所横須賀庁舎と高知庁舎で一般公開を開催します

 中央水産研究所横須賀庁舎と高知庁舎は、夏休みが始まる7月18日(土)に研究の内容 や成果を多くの皆様に知っていただくため、研究所の一般公開を開催します。

 入場は無料となっていますので、お近くにお越しの際は、是非立ち寄ってみて下さい。

   横須賀庁舎の一般公開案内はこちらから
   →  http://nrifs.fra.affrc.go.jp/yokosuka/2009%20open%20lab.htm
   高知庁舎の一般公開案内はこちらから
   →  http://nrifs.fra.affrc.go.jp/event/koukai/h21kochi/OpenLab.html

   瀬戸内海区水産研究所も同日に一般公開を開催しています
   →  http://feis.fra.affrc.go.jp/event/h21koukai/h21kaisai/h21index.html

◆中央水産研究所日光庁舎(さかなと森の観察園)を一般公開します

 中央水産研究所日光庁舎(さかなと森の観察園)は、8月6日(木)に研究の内容や成果を多 くの皆様に知っていただくため、一般公開を開催します。

 入場は無料となっていますので、お近くにお越しの際は、是非立ち寄ってみて下さい。

  詳しくはこちらから
  →  http://nrifs.fra.affrc.go.jp/event/koukai/h21nikko/OpenLab.html

◆ジャパン・インターナショナル・シーフードショーに参加します

 センターは、7月22日〜24日に東京ビックサイト(東京都江東区有明)で開催されるジャ パン・インターナショナル・シーフードショーに参加します。

 開催期間中は、センターの技術開発紹介などを行うブースとセミナーを開催します。

   詳しくはこちらから
   →  http://www.fra.affrc.go.jp/plaza/goannai.html
   ジャパン・インターナショナル・シーフードショーのホームページはこちらから
   →  http://www.exhibitiontech.com/seafood/

◆おさかな瓦版29号を発行しました

 このたび、当センターのニューズレター「おさかな瓦版」第29号を刊行しました。シリ ーズ「沖縄のさかなたち」として「シロクラベラ」をとりあげています。

 次号は、平成21年8月刊行予定です。

   第29号はこちらから
   →  http://www.fra.affrc.go.jp/bulletin/letter/no29.pdf

◆FRAニュース19号を発行しました

 このたび、当センターの広報誌「FRAニュース」第19号を刊行しました。今号の特集は 「調査船調査」です。

 センターの大きな特徴である調査船による調査・研究は、魚などの水産資源を適切に 利用するために不可欠となっています。そんな「調査船調査」について、センターでの取 り組みを紹介しています。

   第19号はこちらから
   →  http://www.fra.affrc.go.jp/bulletin/news/fnews19.pdf

   その他の刊行物はこちらから
   →  http://www.fra.affrc.go.jp/bulletin/bull-index.html


【プレスリリース報告】

◆大型クラゲについて

 センターの調査事業により、東シナ海において大型クラゲの出現が確認されました。大 型クラゲの出現動向については、今後とも調査を行うとともに迅速に情報提供を行ってい きます。

   詳しくはこちらから
   →  http://www.fra.affrc.go.jp/pressrelease/pr21/210702/
   →  http://www.fra.affrc.go.jp/pressrelease/pr21/2107012/
   →  http://www.fra.affrc.go.jp/pressrelease/pr21/210629/

◆ウナギの産卵生態調査の結果について

 センターと水産庁は、マリアナ諸島西方の太平洋においてウナギ(ニホンウナギ)の産卵 生態調査を行いました。その結果、卵を持ったメスの成熟ウナギをはじめ、8個体と仔魚 の捕獲に成功しました。

   詳しくはこちらから
   →  http://www.fra.affrc.go.jp/pressrelease/pr21/2106302/

◆クロマグロゲノム解読に王手

 センターは、東京大学及び九州大学と共同で、世界初となるクロマグロの全ゲノムDNA 塩基配列の解読と有用遺伝子の解析に着手し、年内にその概要が明らかとなる見込みとな りました。

   詳しくはこちらから
   →  http://www.fra.affrc.go.jp/pressrelease/pr21/2106301/

◆メバチ混獲回避技術観察調査の実施について

 センターは、水産庁及びまき網漁船と協力し、7月2日から熱帯太平洋西部において、メ バチ混獲回避技術観察調査を実施しています。

   詳しくはこちらから
   →  http://www.fra.affrc.go.jp/pressrelease/pr21/210701/

◆さけの里ふれあい広場の来場者数が10万人を突破しました

 6月23日、さけますセンター千歳事業所に併設している「さけの里ふれあい広場」で、 平成4年5月の展示館オープン以来の通算入場者数が10万人を突破しました。

 10万人目に入場した方(札幌市在住)へ、千歳事業所長より認定書と記念品を贈呈しまし た。

   詳しくはこちらから
   →  http://www.fra.affrc.go.jp/pressrelease/pr21/210625/

◆平成21年度第2回日本海海況予報について

   詳しくはこちらから
   →  http://abchan.fra.go.jp/gk21/20090703.pdf

◆平成21年度第2回瀬戸内海東部カタクチイワシ漁況予報について

   詳しくはこちらから
   →  http://abchan.fra.go.jp/gk21/20090701.pdf

◆平成21年度カツオ長期来遊資源動向予測(6〜11月)について

   詳しくはこちらから
   →  http://fsf.fra.affrc.go.jp/katuo-yohou/21katsuo.htm


【編集後記】

 今日7月8日は、1921年にバスラ(イラク)で世界最高気温となる58.8℃が観測された日 です。

 日本ではというと、2年前の2007年8月16日に埼玉県熊谷市で記録した40.9℃が最高気 温となっています。これは、1933年7月25日に山形県山形市で記録された40.8℃を73年 ぶりに更新しました。

 近年の温暖化の影響で、世界最高気温も約90年ぶりに更新されてしまうのでしょうか?



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 配信停止、配信先変更等は下記URLにて手続き願います。
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  ご意見・ご感想等  →  www@fra.affrc.go.jp
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