FRA:独立行政法人 水産総合研究センター
おさかな通信 第 82 号 (平成23年7月13日発行)

 この度の東日本大震災により、被害にあわれた方々に心よりお見舞い申し上げます。
 震災発生から4ヶ月が過ぎましたが、まだまだ大変な状況が続いています。水研センタ ーでは、水産業復興・再生のための調査研究開発推進本部を立ち上げ、支援活動を開始し ています。
 今月21日、8月2日は「土用の丑の日」です。先週7月9日には関東地方も梅雨が明け、暑 い日が続いています。ウナギを食べて、この夏を乗り切りたいものです。


【目次】
◆プレスリリース報告
・(7/11)小型調査艇「いそなみ」によるカキ浮遊幼生共同調査を開始
・(7/8)瀬戸内海中央部においてトラフグ稚魚10万尾を放流
・(7/6)西表島近海の禁漁区がナミハタの重要な産卵場であることを確認
・(7/6)平成23年度第2回日本海海況予報
・(6/30)平成23年度第2回瀬戸内海東部カタクチイワシ漁況予報
・(6/21)有明海・八代海のシャトネラ等有害赤潮プランクトン分布情報の公開について
・(6/20)被災したサケふ化場復旧のためのパイロット調査
・(6/8)天皇海山海底環境調査の実施について
◆シリーズ
・食卓を彩るさかなたち
◆刊行物のお知らせ
・「おさかな瓦版」を刊行
・「東北水産研究レター」を刊行
◆各地のお知らせ
・第14回技術交流セミナーのお知らせ
・太平洋クロマグロ仔稚魚分布調査の実施について
・クロマグロ当歳魚の標識放流調査について
・カツオ長期来遊資源動向予測について
・ジーンバンク事業の情報について
・一般公開のお知らせ
・東日本大震災関連情報について
・大型クラゲ情報について
◆今月の壁紙
◆契約に関する情報
◆編集後記
・担当者のひとりごと
◆配信手続き
・配信停止・配信先変更等


【プレスリリース報告】
◆小型調査艇「いそなみ」によるカキ浮遊幼生共同調査を開始
 水研センターと宮城県水産技術総合センターは、平成23年度の種ガキの安定的な採苗を 図るため、松島湾におけるカキ浮遊幼生共同調査を実施します。実施にあたって、日本海 区水産研究所から小型調査艇「いそなみ」を塩釜港へ移送しました。


◆瀬戸内海中央部においてトラフグ稚魚10万尾を放流〜種苗放流による資源回復を目指して〜
 瀬戸内海区水産研究所では、平成23年6月下旬から7月上旬にかけて、瀬戸内海中央部の 広島県田尻漁港の周辺海域に、全長約8センチのトラフグ稚魚10万尾に右胸びれカット標 識や耳石への蛍光色素による標識、新たに開発した腹部への有機酸標識を付けて放流し、 追跡調査を行います。


◆西表島近海の禁漁区がナミハタの重要な産卵場であることを確認〜水中カメラで産卵の瞬間の撮影に成功〜
 八重山地方で漁獲されるナミハタは、亜熱帯沿岸域の重要な水産資源です。平成22年か ら西海区水産研究所と沖縄県水産海洋研究センター石垣支所が共同で、ナミハタの産卵場 保護効果の検証を行ってきたところ、産卵が自主禁漁区域内で行われること、1年のうち でも限られた日(産卵日)の数日前から親魚が集結、午後11時過ぎからの数十分以内に産卵 することなどわかりました。


◆平成23年度第2回日本海海況予報
 今後(7〜9月)の見通しは、対馬暖流域の表面水温は"やや低め"〜"平年並み"で、50m深 水温は、西部および北部ともに"平年並み"で経過すると予測されます。


◆平成23年度第2回瀬戸内海東部カタクチイワシ漁況予報
 今後(7月〜8月)の見通しは、シラスは播磨灘東部と北西部を除いて平年を下回り、カタ クチイワシは大阪湾では好漁であった前年を下回ると予測されます。

詳しくはこちらから →  http://abchan.fra.go.jp/gk23/20110630.pdf

◆有明海・八代海のシャトネラ等有害赤潮プランクトン分布情報の公開について
 昨年、一昨年と有明海・八代海で、主にシャトネラを原因プランクトンとする赤潮で、 甚大な漁業被害を受けました。このため、有明海・八代海の海域で関係機関が収集してい る原因プランクトンの分布データを、地図上でわかりやすくリアルタイムで表示するシス テムを開発して、本年5月27日より公表を開始しました。

詳しくはこちらから →  http://www.fra.affrc.go.jp/pressrelease/pr23/230621/index.html
有明海・八代海のシャトネラ等有害赤潮プランクトン分布情報はこちらから  →  http://www.chattonella.jp/

◆被災したサケふ化場復旧のためのパイロット調査〜来春の放流をめざして!〜
 東日本大震災により、岩手県や宮城県のサケふ化場(施設)のほとんどが被災し、今秋か ら始まるふ化放流事業までに復旧を図らなければ、4年後のサケ来遊に重大な支障をきた します。このため、両県の要請を受けて井戸能力のパイロット調査を実施して、復旧に重 要なふ化用水の揚水量や水質分析などを行います。


◆天皇海山海底環境調査の実施について
 水産庁は水研センター協力のもと、天皇海山海域における海底環境の調査を6月9日から 7月4日の26日間行いました。この調査結果は、「北太平洋公海漁業資源の保存及び管理に 関する条約」(案)の今後の発行に伴う更なる科学的知見の収集とそれに基づく管理措置の 導入への資料となります。



【シリーズ】
◆食卓を彩るさかなたち − 22  「クルマエビ」

 私たち水研センターが調査・研究をしている主な魚介類を紹介していきます。22回は、 "フライ"や"塩焼き"などでおいしい「クルマエビ」を紹介します。

 クルマエビは「十脚目クルマエビ科」に分類され、世界の温暖な海域に生息しています。 日本では、日本海側の青森県以南、太平洋側では仙台湾以南の主に砂地の浅い海に生息し ています。お腹がシマ模様のため、腰を曲げた姿(丸めた姿)が車輪のように見えることか ら、「車えび」と呼ばれるようになったと言われています。

 6月から9月に産卵期を迎え、1匹で数十万個の卵を産みます。およそ半日ぐらいでふ化し た幼生は、プランクトン生活を送ります。寿命は2〜3年と短いですが、体長は1歳で16セ ンチ、2歳で21センチ、3歳で24センチまで成長します。夜行性で、昼間は砂の中に潜っ ていて、夜になると這い出してゴカイや貝などの小動物を食べます。

 クルマエビの漁獲量は、2007年で863トン、2008年で726トン、2009年で584トンと年々 漁獲量が減っています。沖縄県や熊本県などで養殖されており、2007年で1675トン、2008 年で1586トン、2009年で1657トンと1600トン前後で推移しています。皆さまもご存じのと おり、クルマエビ類や小エビ類を約20万トンぐらい輸入しています。

 クルマエビの資源を増やすために、種苗の生産と放流が行われています。昭和30年代終 わりに技術が確立されて100万尾単位で生産が可能となりました。その後、技術開発が進 んで昭和45年には生産量が1億尾を超えて、現在では2億尾近くを生産でき、1.5億尾ぐら いを全国で放流しています。

 クルマエビは、塩焼き、天ぷら、フライ、唐揚げ、刺身など、いろいろな料理でおいし くいただけます。天然ものと養殖ものの味があまり変わらない、外見でも区別がつきにく いと言われるクルマエビですので、味や外見の違いを確かめてみたいものですね。


詳しい情報は、以下のホームページをご覧下さい。
 水生生物情報データベース →  http://aquadb.nrifs.affrc.go.jp/~aquadb/
 おさかな豆知識 →  http://nrifs.fra.affrc.go.jp/kakou/mame/index.htm#ebi


【刊行物のお知らせ】
◆「おさかな瓦版」41号を刊行しました
 当センターのニュースレター「おさかな瓦版」41号を刊行しました。シリーズ「日本海 のさかなたち」では、「スルメイカ」をとりあげています。

詳しくはこちらから →  http://www.fra.affrc.go.jp/bulletin/letter/no41.pdf
その他の刊行物はこちらから →  http://www.fra.affrc.go.jp/bulletin/bull-index.html

◆「東北水産研究レター」第19号を刊行しました
 東北区水産研究所は、研究活動やその成果、あるいはトピックスをわかりやすくお知ら せすることを目的として、「東北水産研究レター」を発行しています。
 今号には、「海洋酸性化がエゾアワビの発育に及ぼす影響」と「サンマの不漁とその予 報」を掲載しています。

詳しくはこちらから →  http://tnfri.fra.affrc.go.jp/pub/letter/19/19.pdf


【各地のお知らせ】
◆第14回技術交流セミナーのお知らせ
 7月27日から29日の3日間、第13回ジャパンインターナショナルシーフードショーが東京 ビッグサイト(東京都江東区)にて開催されます。水研センター水産技術交流プラザでは、 効率的な漁業生産技術の開発や海藻発酵食品、高栄養価のすり身素材など、水産研究のエ キスパートとしての様々な取り組みを展示し、同時開催セミナーを通じてお伝えします。

詳しくはこちらから →  http://www.fra.affrc.go.jp/plaza/invitation.html

◆太平洋クロマグロ仔稚魚分布調査の実施について
 水研センターは、関係機関と協力して、南西諸島周辺及び日本海において、太平洋クロ マグロの仔稚魚分布調査を、5月23日から10月3日にかけて実施しています。


◆クロマグロ当歳魚の標識放流調査について
 遠洋水産研究所では、高知県土佐湾でのひき縄漁業で漁獲されたクロマグロに、標識を 装着して放流、再補する調査を行っています。背中の第2背びれ付近にオレンジ色の標識、 もしくは小さな機械がついたクロマグロを見つけた際は、遠洋水産研究所かお近くの都道 府県の水産試験場などへご連絡下さい。


◆カツオ長期来遊資源動向予測について
 水産庁から委託された国際資源評価等推進委託事業の一環として、第1回カツオサブユ ニット推進検討会を開催して、6月から11月にかけての常磐・三陸沖におけるカツオの来 遊動向を予測しました。

詳しくはこちらから →  http://fsf.fra.affrc.go.jp/enyo_press/23katsuo.htm

◆ジーンバンク事業の情報について
 ジーンバンク事業の情報を更新しました。平成23年4月から、新たにサブバンクの編成 や有償配布に関する規定・要領も変えて取り組んでいます。微細藻類やワムシなど生物餌 料を中心に、有償配布や広報活動も積極的に行いますので、ご利用下さい。

詳しくはこちらから →  http://nria.fra.affrc.go.jp/bank/index.html

◆一般公開のお知らせ
 水研センターでは、研究の内容や成果を多くの皆さまに知っていただくために、研究所 の一般公開を実施しています。今月や8月初旬に行う一般公開は以下のとおりとなってい ます。入場は無料ですので、お近くにお越しの際は是非お立ち寄り下さい。

瀬戸内海区水産研究所一般公開
 ○日 時:平成23年7月16日 10:00 〜 15:00
 ○場 所:広島県廿日市市丸石
 詳しくはこちらから →  http://feis.fra.affrc.go.jp/event/h23koukai/h23kaisai/index.html

中央水産研究所高知庁舎一般公開
 ○日 時:平成23年7月23日(土) 10:00 〜 15:00
 ○場 所:高知県高知市桟橋通
 詳しくはこちらから →  http://nrifs.fra.affrc.go.jp/event/koukai/h23kochi/OpenLab.html

海まるごと体験(日本海区水産研究所宮津庁舎、京都府海洋センターの施設公開)
 ○日 時:平成23年7月29日(金) 10:00 〜 16:00
 ○場 所:京都府宮津市小田宿野
 詳しくはこちらから →  http://www.pref.kyoto.jp/news/press/2011/6/1307493064648.html

増養殖研究所横須賀庁舎一般公開
 ○日 時:平成23年7月30日(土) 10:00 〜 15:00
 ○場 所:神奈川県横須賀市長井
 詳しくはこちらから →  http://nria.fra.affrc.go.jp/event/koukai11/yokosuka_a.html


◆東日本大震災関連情報について
 水研センターで行っている、東日本大震災関連の情報をホームページで公開しています。 その中で、水産庁の要請により調査、測定した水産物等の放射能物質調査結果を公表して います。

詳しくはこちらから →  http://www.fra.affrc.go.jp/tohokueq/index.html
水産物放射能物質調査結果はこちらから →  http://www.fra.affrc.go.jp/eq/result.html

◆大型クラゲ情報について
 大型クラゲの出現動向について、迅速に情報提供を行っていきます。なお、6月初旬に 長江河口東沖の東シナ海北部海域で調査したところ、少数の出現を確認しましたが、出現 量は昨年の同じ時期の約半分程度の状況です。

詳しくはこちらから →  http://www.fra.affrc.go.jp/kurage/


【今月の壁紙】
栽培漁業の対象種や、めったに見られない魚の赤ちゃんなどの壁紙カレンダーを、無料 で配布しています。
2011年7月の写真は、「ネオカラヌス(動物プランクトン)」です。

詳しくはこちらから →  http://www.fra.affrc.go.jp/fun/index.html


【契約に関する情報】
水研センターの入札等に関する情報を、ホームページ上で公表しています。

詳しくはこちらから →  http://www.fra.affrc.go.jp/keiyaku/


【編集後記】
 本日7月13日は、「日本標準時制定記念日」です。

 1886年の本日に勅令「本初子午線経度計算方及標準時ノ件」が公布され、1889年1月1日 から東経135度の時刻(兵庫県明石市をとおる経度)を日本の標準時とすることが定められ ました。
 日本標準時を広く供給するために、1999年6月10日に「おおたかどや山標準電波送信所( 福島県田村市)」を、2001年には「はがね山標準電波送信所(佐賀県佐賀市)」を開局して、 日本国内の広い範囲で標準電波が受信できるようになりました。標準電波は、電波時計の 時刻を自動で合わせることができます。そういえば、パソコンの時計もNTP(ネットワーク タイムプロトコル)サーバを利用して標準時に合わせられますね。 (担当:O)


【配信手続き】
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