FRA:独立行政法人 水産総合研究センター
おさかな通信 第 85 号 (平成23年10月12日発行)

 読者の皆さまいかがお過ごしでしょうか。
 10月に入り、やっと秋らしくなりましたが、ちょっとでも気を抜くと寒暖の差で風邪を ひいてしまいそうです。
 スポーツをするのも良し、食べるのも良し、読書するも良しですが、何ごとも"しすぎ" にはご注意下さい。


【目次】
◆プレスリリース報告
・(10/11) 平成23年度筑前海及び有明海各県海域における秋季海況の見通し
・(10/6) 平成23年度第3回日本海海況予報
・(9/29) 魚類養殖の生産性向上に有効な遺伝子を特定
・(9/29) ノリのゲノム情報解析が進展
・(9/29) クロマグロ稚魚が活発に食べる配合飼料を開発
・(9/22) 平成23年度第2回太平洋スルメイカ長期漁況予報
◆シリーズ
・食卓を彩るさかなたち
◆刊行物のお知らせ
・「増養殖研究レター」を刊行
・「ななつの海から」を刊行
・「東北水産研究レター」を刊行
・「環境報告書2011」を掲載
◆各地のお知らせ
・一般公開開催のお知らせ
・(10/15) 第2回サイエンスステージ開催のお知らせ
・(10/15) 第4回瀬戸内海水産フォーラム開催のお知らせ
・(10/15) 第16回地域水産加工技術セミナーの開催について
・(10/23) 横浜市場まつり2011に出展
・(10/29, 30) 第31回全国豊かな海づくり大会に出展
・(11/4, 5) 第50回農林水産祭「実りのフェスティバル」に出展
・(11/12) マスの採卵体験
・東日本大震災関連情報について
・大型クラゲ情報について
◆今月の壁紙
◆契約に関する情報
◆編集後記
・担当者のひとりごと
◆配信手続き
・配信停止・配信先変更等


【プレスリリース報告】
◆平成23年度筑前海及び有明海各県海域における秋季海況の見通し
 今後(10月〜11月)の見通しは、筑前海の水温は"やや高め"で、塩分は"平年並み〜低め" で推移すると予測されます。また、有明海の水温は福岡県、長崎県、熊本県の海域では "平年並み〜高め"、佐賀県の海域では"平年並み"で、塩分は福岡県の海域で"平年並み〜 低め"、佐賀県、長崎県、熊本県の海域では"平年並み"で推移すると予測されます。


◆平成23年度第3回日本海海況予報
 今後(10月〜12月)の見通しは、対馬暖流域の表面水温は"やや高め"〜"かなり高め"で、 50m深水温は、西部および北部ともに"平年並み"で経過すると予測されます。


◆魚類養殖の生産性向上に有効な遺伝子を特定 〜可食部位が約2倍になる品種開発が可能に〜
 水研センターと慶應大学の研究グループは、突然変異のメダカを人為的に作り出したと ころ、筋肉量の調整に関わる遺伝子を持つメダカを発見しました。このメダカは、通常の メダカに比べて体長あたりの筋肉量(可食できる量)が1.5〜2倍多いことを確認しました。
 この成果から、突然変異育種法を利用して、魚類での高産肉性品種などの優良な品種を 開発できることが示されました。


◆ノリのゲノム情報解析が進展
 水研センターは、日立ソフトウエアエンジニアリング(株)、日本ソフトウエアマネジメ ント(株)と共同で、ノリ養殖業の主要対象種であるスサビノリの全ゲノム塩基配列の概要 を解読しています。このたび、ノリが高水温にさらされた時に生体を守るために働くと考 えられる3つの熱ショックタンパク質遺伝子を発見、単離に成功しました。また、外見か ら見分けがつかないノリ製品を識別する、ゲノム上の目印となるマイクロサテライトDNA マーカー候補も多数取得することができました。


◆クロマグロ稚魚が活発に食べる配合飼料を開発 〜天然資源に依存しない養殖技術へ一歩前進〜
 水研センターは、鹿児島大学、林兼産業(株)と共同で「マグロ稚魚の嗜好性を向上させ る食感」を追求して、全長25〜120ミリのクロマグロ稚魚が活発に食べる配合飼料を開発 しました。


◆平成23年度第2回太平洋スルメイカ長期漁況予報
 今後(10月〜12月)の見通しは、常磐以北の太平洋海域の来遊量は、おおむね前年並みと 予測されます。

詳しくはこちらから →  http://abchan.fra.go.jp/gk23/20110922.pdf


【シリーズ】
◆食卓を彩るさかなたち − 25  「タチウオ」

 私たち水研センターが調査・研究をしている主な魚介類を紹介していきます。第25回は、 "刺し身"や"塩焼き"などでおいしい「タチウオ」を紹介します。

 タチウオは「スズキ目タチウオ科」に分類され、世界中の亜熱帯、温帯の海域に生息し ています。日本周辺では、北海道以南の日本各地沿岸域から東シナ海、朝鮮半島西岸、黄 海、渤海(ぼっかい)にいます。容姿が刀の「太刀」に似ている、または立ち泳ぎをしてエ サを捕食するなどから「タチウオ(太刀魚、立魚)」と名付けられたと言われています。

 タチウオは4〜8月に産卵します。産卵盛期は春と秋に分かれて、日本海西部海域では秋、 東シナ海および紀伊水道では春に生まれるものが多いです。

 タチウオは、頭胴長(口先から肛門前までの長さ)が25センチまでは主にアミ類などの動 物プランクトンを食べて成長し、それ以降は魚類を主に、エビ・カニ類などを食べるよう になります。また、越冬期と7月には、共食いする現象がみられます。満1年で頭胴長が12 センチ、2年で21センチ、3年で28センチ、4年で34センチ、5年で40センチ、6年で45センチ、 7年で49センチに成長します。

 漁獲量は、2008年で16399トン、2009年で11891トン、2010年で10100トン(概数)となっ ています。東シナ海周辺海域では、韓国や中国でも漁業が行われていて、近年では中国に より100万トンを超える漁獲がなされています。このため、資源の管理を行うためには日 本だけでなく中国や韓国などとの協調が必要です。

 タチウオは、刺し身や塩焼き、ムニエルなどでおいしくいただけます。

 現在、大分県と共同で、タチウオひき縄漁業の一大拠点である臼杵地区を対象として、 利益の最大化(経費の縮減と単価向上など)と経営の安定化(過剰漁獲の回避や代替資源の 開発など)を2大目標とした新たなビジネスモデルの構築に取り組んでいます。このビジ ネスモデルが他の地域や魚種にも応用できる日がくると良いですね。


詳しい情報は、以下のホームページをご覧下さい。
 水生生物情報データベース →  http://aquadb.nrifs.affrc.go.jp/~aquadb/
 最新の国際漁業資源の現況 →  http://kokushi.job.affrc.go.jp/index-2.html
 大分県臼杵地区でタチウオ曳き縄調査を開始 (プレスリリース) →
http://www.fra.affrc.go.jp/pressrelease/pr23/230825/index.html


【刊行物のお知らせ】
◆「増養殖研究レター」 第1号(養殖研究レター第8号)を刊行しました
 増養殖研究所の研究活動やその成果、あるいはトピックスをわかりやすくお知らせする ことを目的として、 「増養殖研究レター(養殖研究レター)」 を発行しています。
 今号では、 「サケ科魚類の包括的資源管理をめざして」 や 「増養殖研究所の東日本大震 災への対応」 などを掲載しています。

詳しくはこちらから →  http://nria.fra.affrc.go.jp/hakko/letter/z1.pdf

◆「ななつの海から」 第1号を刊行しました
 国際水産資源研究所の研究活動やその成果、あるいはトピックスをわかりやすくお知ら せすることを目的として、 「ななつの海から」 を創刊しました。
 今号は、 「特集1:第3期中期における国際水産資源研究所の取り組み」 や 「特集2: IUCN レッドリストワークショップ結果に対する反論」 などを掲載しています。

詳しくはこちらから →  http://fsf.fra.affrc.go.jp/nanatsunoumi/nanaumi1.pdf

◆「東北水産研究レター」 21号を刊行しました
 東北区水産研究所は、研究活動やその成果、あるいはトピックスをわかりやすくお知ら せすることを目的として、 「東北水産研究レター」 を発行しています。
 今号には、 「震災が水産資源に与えた影響を探る」 と 「マガキ養殖再興に重要な宮城県 カキ幼生調査を支援」 を掲載しています。

詳しくはこちらから →  http://tnfri.fra.affrc.go.jp/pub/21/21.pdf

◆「環境報告書2011」 を掲載しました
 環境配慮促進法による記載要求事項及び環境報告ガイドライン (2007年) に準じ、自主的 な記載項目を設定して水研センターの環境報告書を作成して、ウェブサイトへ掲載しまし た。 対象期間は 2010年 4月から 2011年 3月となっていますが、内容によって期間前後のもの もあります。

詳しくはこちらから →  http://www.fra.affrc.go.jp/bulletin/env-report/env-report2011.pdf
その他の刊行物はこちらから →  http://www.fra.affrc.go.jp/bulletin/bull-index.html


【各地のお知らせ】
◆一般公開のお知らせ
 水研センターでは、研究の内容や成果を多くの皆さまに知っていただくために、研究所 の一般公開を実施しています。今月や11月初旬に行う一般公開は以下のとおりとなってい ます。入場は無料ですので、お近くにお越しの際は是非お立ち寄り下さい。

西海区水産研究所石垣庁舎一般公開
 ○日 時 : 平成23年10月15日 (土)
 ○場 所 : 沖縄県石垣市字桴海大田
 詳しくはこちらから →  http://snf.fra.affrc.go.jp/event/index.html

中央水産研究所横浜庁舎一般公開
 ○日 時 : 平成23年10月22日 (土) 10:00 〜 16:00
 ○場 所 : 神奈川県横浜市金沢区福浦
 詳しくはこちらから →  http://nrifs.fra.affrc.go.jp/event/koukai/h23yokohama/OpenLab.html

水産工学研究所一般公開
 ○日 時 : 平成23年10月22日 (土) 10:00 〜 15:00
 ○場 所 : 茨城県神栖市波崎
 詳しくはこちらから →  http://nrife.fra.affrc.go.jp/event/ippankoukai_2011/ippankoukai_2011.html

西海区水産研究所長崎庁舎一般公開 (第9回ながさき水産科学フェア)
 ○日 時 : 平成23年10月23日 (日) 9:30 〜 15:00
 ○場 所 : 長崎県長崎市多以良町
 ○その他 : 長崎県総合水産試験場、長崎大学環東シナ海環境資源研究センターも公開されます
 詳しくはこちらから →  http://snf.fra.affrc.go.jp/event/index.html

北海道区水産研究所釧路庁舎一般公開
 ○日 時 : 平成23年10月23日 (日)
 ○場 所 : 北海道釧路市桂恋
 詳しくはこちらから →  http://hnf.fra.affrc.go.jp/event/koukai2011.html

◆第2回サイエンスステージ開催のお知らせ
 中央水産研究所は、 横浜・八景島シーパラダイスの協力のもと、 第2回サイエンスステ ージ 「身近な魚の意外な話」 を開催します。 楽しいクイズとトークで小さなお子様にも楽 しんで学んでいただける内容となっております。
 お近くの方はぜひ、ご家族連れでお越しください。

○日 時 : 10月15日 (土) (1回目) 10:45 〜 11:15 (2回目) 15:15 〜 15:45
○場 所 : 横浜・八景島シーパラダイスふれあいラグーン (横浜市金沢区)
○テーマ : 「身近な魚の意外な話」
○入場料 : ふれあいラグーンに入場可能なチケットが必要です。

詳しくはこちらから →  http://nrifs.fra.affrc.go.jp/event/koukai/h23yokohama/ScienceStage.html

◆第4回瀬戸内海水産フォーラム開催のお知らせ
   瀬戸内海区水産研究所は、 瀬戸内海ブロック水産試験場長会と合同で 「第4回瀬戸内海 水産フォーラム」 を開催します。
 今回は、 「きれいな海は豊かな海か?」 をテーマに、瀬戸内海の海水の栄養塩不足につ いて、問題点の理解、意識の共有化を目指し、今後の働きかけになればと考えています。
 当日参加も可能となっていますが、多数の場合座席を確保できない場合がありますので ご了承下さい。

○日 時 : 10月15日 (土) 13:00 〜 17:00
○場 所 : アステールプラザ大会議室 (広島県広島市中区加古町)
○テーマ : 「きれいな海は豊かな海か?」

詳しくはこちらから →  http://feis.fra.affrc.go.jp/event/4th_forum/4th_forum_h23kaisai/index.html

◆第16回地域水産加工技術セミナーの開催について
 水研センターと(独)水産大学校は、 水産庁、 下関唐戸魚市場仲卸協同組合、 山口県漁業 協同組合、 下関南風泊水産団地協同組合、 (社)下関水産振興協会、 下関ふく連盟及び下関 市豊浦町水産加工業協議会との共催により、 第16回地域水産加工技術セミナー 「食べり〜 ね、馬関の魚はぶちうまい!−下関の売れ筋を磨く−」 を開催します。
 入場は無料ですので、お近くにお越しの際は是非お立ち寄り下さい。

○日 時 : 10月15日 (土) 13:30 〜 17:00
○場 所 : (独) 水産大学校講義棟 (山口県下関市永田本町)
○その他 : 下関フードテクノフェスタ2011も開催 (10時〜15時) されます。

詳しくはこちらから →  http://www.fra.affrc.go.jp/pressrelease/pr23/231003/index.html

◆横浜市場まつり2011に出展
 10月23日に、 横浜市中央卸売市場本場で開催される 「横浜市場まつり2011−がんばれ生 産地! 横浜から元気を届けよう!−」 に出展します。

○日 時 : 10月23日 (日) 9:00 〜 14:00
○場 所 : 横浜市中央卸売市場本場 (神奈川県横浜市神奈川区山内町)
○内 容 : 研究の紹介、はく製の展示、水研センタークイズなど

詳しくはこちらから →  http://www.yokohama-ichiba.com/matsuri/matsuri.html

◆第31回全国豊かな海づくり大会に出展
 10月29日、 30日の両日、 鳥取県で開催される 「第31回全国豊かな海づくり大会」 に出展 します。

○日 時 : 10月29日 (土)、 10月30日 (日) 10:00 〜 16:00
○場 所 : コカ・コーラウエストスポーツパーク (鳥取県鳥取市布勢)
○内 容 : ズワイガニ、イセエビ、アカアマダイなどの赤ちゃんの展示、タッチプール、 おさかなクイズなど

詳しくはこちらから →  http://www.pref.tottori.lg.jp/dd.aspx?menuid=116100

◆第50回農林水産祭 「実りのフェスティバル」 に出展
 11月4日、 5日に、 東京ビッグサイトで開催される第50回農林水産祭 「実りのフェスティ バル」 へ政府特別展示として水産庁と共同で出展します。 入場は無料ですので、 お近くに お越しの際は是非お立ち寄り下さい。

○日 時 : 11月4日 (金) 10:30 〜 17:00、 11月5日 (土) 10:00 〜 17:00
○場 所 : 東京ビッグサイト西3ホール (東京都江東区)
○内 容 : 東日本大震災の復興への取り組みやウナギ完全養殖についてパネルで紹介。
        昨年のレプトセファルス(ウナギの赤ちゃん)の成長後も展示。
○その他 : 全国各地の特産品の展示即売などもあります。

◆マスの採卵体験
 増養殖研究所日光庁舎は、 全国内水面漁業協同組合連合会日光支所、 自然公園財団日光 支部、 日光自然博物館との共催により、 「マスの採卵体験〜中禅寺湖からの贈り物〜」 を 開催します。

○日 時 : 11月12日 (土) 8:30 〜 15:00 (解散予定)
○場 所 : さかなと森の観察園 (増養殖研究所日光庁舎)
○その他 : 定員を超える申込みがあった場合、抽選となることがあります。

詳しくは日光自然博物館のページをご覧下さい。 →  http://www.nikko-nsm.co.jp/

◆東日本大震災関連情報について
 水研センターで行っている、東日本大震災関連の調査・研究などの情報をホームページで公開しています。 その中で、水産庁の要請により調査、測定した水産物等の放射能物質調査結果も公表して います。

詳しくはこちらから →  http://www.fra.affrc.go.jp/tohokueq/index.html
水産物放射能物質調査結果はこちらから →  http://www.fra.affrc.go.jp/eq/result.html

◆大型クラゲ情報について
 大型クラゲの出現動向について、迅速に情報提供を行っていきます。

詳しくはこちらから →  http://www.fra.affrc.go.jp/kurage/


【今月の壁紙】
水研センターの研究対象種や、めったに見られない魚の赤ちゃんなどの壁紙カレンダーを、無料 で配布しています。
2011年10, 11月の写真は、 「アサヒガニ (ゾエア)」 です。

詳しくはこちらから →  http://www.fra.affrc.go.jp/fun/index.html


【契約に関する情報】
水研センターの入札等に関する情報を、ホームページ上で公表しています。

詳しくはこちらから →  http://www.fra.affrc.go.jp/keiyaku/


【編集後記】
 本日10月12日は、 コロンブスがアメリカ大陸を発見した日です。

 1492年のこの日、クリストファー・コロンブスが率いるスペイン艦隊が、西周りで日本 とインドを目指した航海でしたが、新大陸 (バハマ諸島グァナハニ島) に到着しました。
 西から周れば、黄金の国ジパング (日本) やインドが近いという勘違いからの発見だった ようです。勘違いでもいいから、世紀の大発見をしたいものですね。 (担当:O)


【配信手続き】
配信停止、配信先変更等は下記URLにて手続き願います。
また、ご意見・ご感想等も、どしどしお寄せください。

 ※このメールマガジンが「迷惑メール」に判定され、ゴミ箱や迷惑メールのフォルダへ 振り分けられる場合があります。
  その際には、お手数をおかけしますが、ご利用のメールソフトにおいて、「1.迷惑メールではない」というマークをつけ
  ていただき、「2.差出人をセーフリストに追加」していただきますようお願いいたします。

配信解除、配信先変更等 →  http://www.fra.affrc.go.jp/mail/index.html
ご意見・ご感想等 → www@fra.affrc.go.jp