FRA:独立行政法人 水産総合研究センター
おさかな通信 第 94 号 (平成24年 7月11日発行)

 読者の皆さま、 いかがお過ごしでしょうか。
 去年の今頃は梅雨もあけていましたが、 今年はなかなか梅雨明けしませんね。 そのわりには気温だけは高いですね。 こうスッキリしない日が続くと、 気分も乗ってきませんね。
 今月27日は 「土用の丑の日」 です。 ウナギでも食べて夏を乗り切りたいところですが、 ウナギの漁獲もスッキリしないですね。


【目次】
◆ プレスリリース報告
・ (7/ 5) 平成24年度第2回日本海海況予報
・ (7/ 3) 経済性も兼ね備えたタイラギ垂下養殖技術の開発に成功
・ (7/ 2) 水研センターウナギ統合プロジェクトチームの設置について
・ (6/29) 平成24年度第2回瀬戸内海東部カタクチイワシ漁況予報
・ (6/27) 平成24年度第2回東北海区海況予報
・ (6/22) 効率的ながれき集積 ・ 回収のための専用網 「タオル網」 を開発しました
・ (6/18) 養殖業の大敵、 有害赤潮から魚を守れ!! 〜自動観測ブイによる八代海の赤潮対策〜
◆ シリーズ
・ 食卓を彩るさかなたち
◆ 刊行物のお知らせ
・ 水研センター叢書 「うなぎ ・ 謎の生物」
・ 「おさかな瓦版」 を刊行
◆ お知らせ
・ (8/5) 青少年のための科学の祭典神奈川大会に参加
・ (7/31、 8/22) 仙台市科学館特別展のイベントに参加
・ (7/27) 第3回サイエンスステージ開催のお知らせ
・ (7/18-20) シーフードショーで展示とセミナーを開催
・ (7/27、 8/4、 8/7) 研究所一般公開のお知らせ
・ さかなと森の観察園の Webサイトで水中ライブ映像配信を開始しました
・ 味の素 (株) との共同調査によりカツオの遊泳行動の詳細記録に成功
◆ 大型クラゲ情報について
◆ 東日本大震災関連情報について
◆ 今月の壁紙
◆ 契約に関する情報
◆ 編集後記
・担当者のひとりごと
◆ 配信手続き
・配信停止・配信先変更等


【プレスリリース報告】
◆ 平成24年度第2回日本海海況予報
 今後 (7月 〜 9月) の見通しは、 対馬暖流域の表面水温は "やや高め〜かなり高め" で、 50メートル深水温は日本海西部および北部とも "やや高め" で経過すると予測されます。


◆ 経済性も兼ね備えたタイラギ垂下養殖技術の開発に成功
 水研センターは、 タイラギ養殖の時に収容する容器の改良、 ロープ式養殖法の導入など養殖の大規模化と低コスト化を備えた技術開発に成功しました。 既に漁業者が実証試験に取り組んでいて、 2 〜 3ヵ月の養殖で平均生残率が 60%以上、 貝柱の平均重量が 2.1倍になるなど、 実績が上がりつつあります。


◆ 水研センターウナギ統合プロジェクトチームの設置について
 水研センターは、 6月29日に水産庁から発表されたウナギ緊急総合対策の一環として、 分野の横断的なウナギ統合プロジェクトチームを立ち上げ、 シラスウナギ大量生産技術の確立に取り組むとともに、 ニホンウナギの生態や資源に関する調査にも総合的に取り組んでいきます。


◆ 平成24年度第2回瀬戸内海東部カタクチイワシ漁況予報
 今後 (7月 〜 8月) の見通しは、 シラスの来遊量は紀伊水道西部と播磨灘北西部で平均を下回り、 その他の海域では平年並みか上回る、 カタクチイワシ (小羽から大羽) の来遊量は大阪湾では好漁であった前年を下回ると予測されます。

詳しくはこちらから →  http://abchan.fra.go.jp/gk24/20120629.pdf

◆ 平成24年度第2回東北海区海況予報
 今後 (7月 〜 8月) の見通しは、 近海の黒潮続流の北限位置がやや北偏から平年並みで推移、 親潮第 1分枝の張り出しが北偏のまま、 親潮第 2分枝の張り出しがやや北偏で推移して、 下北半島沖の暖水塊が停滞すると予測されます。


◆ 効率的ながれき集積 ・ 回収のための専用網 「タオル網」 を開発しました
 水研センターは、 東日本大震災の津波により海に流出したがれきを集積 ・ 改修するための専用の網 (タオル網 : 1枚のタオルのような形状の網) を開発しました。 現在、 宮城県の漁業者によるがれき回収が進められています。


◆ 養殖業の大敵、 有害赤潮から魚を守れ!! 〜自動観測ブイによる八代海の赤潮対策〜
 水研センターは、 八代海をモデル海域として自動観測ブイとデータをリアルタイムで公表するシステムの開発に取り組み、 6月 8日から 2基の自動観測ブイによる 「八代海におけるリアルタイム水質情報」 を公表しています。
 海面から水深約40メートルまでの水温、 塩分、 クロロフィル、 流向流速、 風向風速のデータが情報として閲覧できます。

詳しくはこちらから →  http://www.fra.affrc.go.jp/pressrelease/pr24/240618/index.html
八代海におけるリアルタイム水質情報はこちらから →  http://www.yatsushiro-kai.jp/yatsushiro_top.htm


【シリーズ】
◆ 食卓を彩るさかなたち − 34  「カンパチ」

 私たち水研センターが調査・ 研究をしている主な魚介類を紹介していきます。 第34回は、 "刺し身" や "照り焼き" などでおいしい 「カンパチ」 を紹介します。


 カンパチは 「スズキ目アジ科」 に分類され、 東部太平洋を除く全世界の温帯や熱帯の海域に分布しています。 日本の周辺では、 東北より南の太平洋や東シナ海に分布しています。 同じ仲間にブリとヒラマサがいますが、 この中で一番大きくなります。

 カンパチは、 直径 1ミリぐらの卵を、 海水温が22〜25度の水域で産みます。 約40時間でふ化したカンパチの赤ちゃんは、 動物性プランクトンを食べて成長します。 そのうち、 流れ藻 (ちぎれて浮遊している海藻) に隠れて生活しながら成長します。

 カンパチの成長は速くて、 1年で約 3キロ、 2年で 8〜10キロまでになります。

 ブリ類 (ブリ、 カンパチ、 ヒラマサ) の漁獲量は、 2009年は 78,334トン、 2010年は 106,890トン、 2011年は 112,800トンとなっていて、 このうちの 1割程度がカンパチの漁獲量と言われています。 また、 養殖による生産量は、 2009年は 154,943トン、 2010年は 138,936トン、 2011年は 142,600トンとなっています。

 カンパチ養殖は、 1980年代の後半から行われるようになりましたが、 養殖するための稚魚はほぼ 100%を中国から輸入されていました。 しかしながら、 2005年に輸入した稚魚から寄生虫 (アニサキス) が発見されて問題となりました。 そこで、 水研センターは安全な国産の稚魚を安定的に確保する技術開発に取り組みました。

 その結果、 大量の受精卵の確保に成功し、 さらに環境等を調整することによって通常よりも約半年早い時期に採卵できる技術を開発しました。 これらの技術の養殖現場への普及を図っているところです。

 カンパチは、 刺し身や寿司ネタなどの生食や照り焼きなどでもおいしくいただけます。 ブリよりもさっぱりした味わいと言われているようですが、 天然と養殖も含めてそれぞれの良さを感じたいものですね。


詳しい情報は、以下のホームページをご覧下さい。
 水生生物情報データベース →  http://aquadb.fra.affrc.go.jp/~aquadb/
 FRANEWS No.15, 24  →  http://www.fra.affrc.go.jp/bulletin/pr.html#fnews


【刊行物のお知らせ】
◆ 水研センター叢書 「うなぎ ・ 謎の生物」 が出版されました
 平成19年から23年まで実施した農林水産技術会議委託プロジェクト研究 「ウナギの種苗生産技術の開発」 の成果を中心に、 生態や完全養殖など研究者が取り組んできた成果を取りまとめた水研センター叢書 「うなぎ ・ 謎の生物」 が出版されました。

○ 編著者 : 虫明敬一
○ 著 者 : 太田博巳、 香川浩彦、 田中秀樹、 塚本勝巳、 広瀬慶二
○ 価 格 : 2,400円 + 消費税
○ 出版社 : 築地書館

詳しくはこちらから →  http://www.fra.affrc.go.jp/pressrelease/pr24/240705-1/index.html

◆ 「おさかな瓦版」 47号を刊行しました
 水研センターのニュースレター 「おさかな瓦版」 47号を刊行しました。 シリーズ 「日本海のさかなたち」 では、 「アカモク」 をとりあげています。

詳しくはこちらから →  http://www.fra.affrc.go.jp/bulletin/pr.html#letter
その他の刊行物はこちらから → http://www.fra.affrc.go.jp/bulletin/bull-index.html


【お知らせ】
◆ 青少年のための科学の祭典神奈川大会に参加
 8月5日に、 神奈川県立青少年センター (横浜市西区) で開催される 「青少年のための科学の祭典神奈川大会」 に参加します。 水研センターのブースでは、 「煮干しから耳石をとりだしてみよう」 として、 耳石の説明や煮干し (カタクチイワシ) から耳石を取り出す体験などを行います。
 入場は無料ですので、 ぜひご来場下さい。

○ 日 時 : 平成24年 8月 5日 (日) 10:00 〜 15:30
○ 場 所 : 神奈川県立青少年センター (横浜市西区紅葉ヶ丘)
○ その他 : 小学生や中学生など青少年向けに、 科学の不思議や楽しさを実感できるような実験、 科学工作等が
        できます。

詳しくはこちらから →  http://kanagawa-yc.jp/

◆ 第3回サイエンスステージ開催のお知らせ
 横浜 ・ 八景島シーパラダイスの協力のもと、 第3回サイエンスステージ 「うなぎ ・ 謎の生物」 を開催します。 当日は土用の丑の日ですので、 生きたウナギのレプトセファルス幼生をご覧いただけるほか、 ウナギにちなんだクイズなどで小さなお子さまにも楽しんで学んでいただける内容となっています。

○ 日 時 : 平成24年 7月27日 (金) 11:00 〜 16:00
○ 場 所 : 横浜 ・ 八景島シーパラダイス アクアミュージアム前広場 (横浜市金沢区)
○ テーマ : 「うなぎ ・ 謎の生物」

詳しくはこちらから →  http://nrifs.fra.affrc.go.jp/event/koukai/h24/ScienceStage.html

◆ 仙台市科学館特別展のイベントに参加
 東北区水産研究所は、 7月22日から 8月26日の間、 仙台市科学館で開催される平成24年度夏の特別展 「深海の不思議 海への夢と希望をとりもどそう!!」 で、 実験会を行います。

「植物プランクトンの色素」
 日 時 : 平成24年 7月31日 (火) 10:00 〜 11:30
 講 師 : 奥村 裕
 内 容 : 植物プランクトンが持つ色素を薬品を使って取り出す実験を行います。

「海水の不思議」
 日 時 : 平成24年 8月22日 (水) 10:00 〜 11:30
 講 師 : 伊藤 進一
 内 容 : 海水の塩分量や世界の海の海水の違いをお話しと実験で勉強します。

詳しくはこちらから →  http://tnfri.fra.affrc.go.jp/event/h24/kagakukan/index.html

◆ シーフードショーで展示とセミナーを開催
 水研センターは、 7月18日から20日に東京ビッグサイトで開催される第14回ジャパン ・ インターナショナル ・ シーフードショーに出展します。 参加は無料ですが、 事前に登録する必要があります。

○ 日 時 : 平成24年 7月18日 (水) 〜 7月20日 (金)
○ 場 所 : 東京ビッグサイト (東京都江東区有明)

詳しくはこちらから →  http://www.fra.affrc.go.jp/pressrelease/pr24/240702-2/index.html
ジャパン ・ インターナショナル ・ シーフードショーのHPはこちらから →  http://www.exhibitiontech.com/seafood/

◆ 研究所一般公開のお知らせ
 水研センターでは、 研究の内容や成果を多くの皆さまに知っていただくために、 研究所の一般公開を実施しています。 今月や 8月初旬に行う一般公開は以下のとおりとなっています。 入場は無料ですので、 お近くにお越しの際は是非お立ち寄り下さい。

増養殖研究所日光庁舎一般公開
 ○ 日 時 : 平成24年 8月 7日 (火) 9:00 〜 16:00
 ○ 場 所 : 栃木県日光市中宮祠

 詳しくはこちらから →  http://nria.fra.affrc.go.jp/event/koukai12/nikko_a.html

瀬戸内海区水産研究所一般公開
 ○ 日 時 : 平成24年 8月 4日 (土) 10:00 〜 15:00
 ○ 場 所 : 広島県廿日市市丸石

 詳しくはこちらから →  http://feis.fra.affrc.go.jp/event/h24koukai/h24kaisai/index.html

日本海区水産研究所宮津庁舎施設公開
 ○ 日 時 : 平成24年7月27日(金) 10:00〜16:00
 ○ 場 所 : 京都府宮津市小田宿野
 ○ その他 : 隣接する京都府立海洋センターも施設公開します。

 詳しくはこちらから →  http://jsnfri.fra.affrc.go.jp/event/h24ottp-miyazu/

◆ さかなと森の観察園で水中ライブ映像配信を開始しました
 増養殖研究所日光庁舎にある 「さかなと森の観察園」 内の川 「菖蒲清水」 に設置している水中カメラの映像を、 Web配信しています。 配信時間は、 開園日の 8:30から 16:30頃までです。 四季を通して、 いろいろなさかなを見ることができます。

詳しくはこちらから →  http://www.fra.affrc.go.jp/nikko/live_video.html

◆ 味の素 (株) との共同調査によりカツオの遊泳行動の詳細記録に成功
 国際水産資源研究所は、 味の素 (株) とのカツオ標識放流共同調査を実施して、 アーカイバルタグ (記録型標識) を装着したカツオ 2尾の再捕がありました。 アーカイバルタグには、 およそ 3か月分の移動、 水深、 水温の情報が記録されていました。

詳しくはこちらから →  http://fsf.fra.affrc.go.jp/ajinomoto_katsuo.htm


【大型クラゲ情報について】
 大型クラゲの出現動向について、 迅速に情報提供を行っていきます。 なお、 6月中旬に東シナ海中央部 2地点で、 大型クラゲの出現を確認しました。 現時点での出現量は、 昨年および一昨年よりも多いですが、 大量発生した2009年に比べると少ない状況です。

詳しくはこちらから →  http://www.fra.affrc.go.jp/kurage/


【東日本大震災関連情報について】
 水研センターで行っている、 東日本大震災関連の調査 ・ 研究などの情報をホームページで公開しています。 その中で、 水産庁の要請により調査、 測定した水産物等の放射能物質調査結果等も公表しています。

詳しくはこちらから →  http://www.fra.affrc.go.jp/tohokueq/index.html
水産物放射能物質調査結果はこちらから →  http://www.fra.affrc.go.jp/eq/result.html
放射能影響調査等の測定結果はこちらから →  http://www.fra.affrc.go.jp/eq/effects.html
水生生物における放射性物質の挙動について →  http://www.fra.affrc.go.jp/eq/Nuclear_accident_effects/index.html


【今月の壁紙】
水研センターの研究対象種や、 めったに見られない魚の赤ちゃんなどの壁紙カレンダーを、 無料で配布しています。
2012年 7月, 8月の写真は、 「スズキの幼魚 (セイゴ)」 です。

詳しくはこちらから →  http://www.fra.affrc.go.jp/fun/index.html


【契約に関する情報】
水研センターの入札等に関する情報を、 ホームページ上で公表しています。

詳しくはこちらから →  http://www.fra.affrc.go.jp/keiyaku/


【編集後記】
 本日 7月11日は、 「真珠記念日」 です。

 1893年 7月11日に、 御木本幸吉夫妻が初めて真珠の養殖に成功したことに由来しています。 最初は養殖アコヤガイでの半球の真珠でしたが、 1905年には真球の真珠の生産ができるようになりました。
 アコヤガイ以外の貝からも真珠がとれます。 全部そろえるには、 いくらかかるのでしょうか? 宝くじが当たらないとダメですかね。  (担当:O)


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配信解除、配信先変更等 →  http://www.fra.affrc.go.jp/mail/index.html
ご意見・ご感想等 → www@fra.affrc.go.jp