プレスリリース

平成14年11月15日
独立行政法人水産総合研究センター
テクノオーシャン2002国際シンポジウムスペシャルセッション
「藻場環境の変遷、機能評価及び回復技術」の開催について


〔要 旨〕
 独立行政法人水産総合研究センターによるセッション「藻場環境の変遷、機能評価及び回復技術」が、11月21日にテクノオーシャン2002のスペシャルセッションの一環として開催される。
 藻場は、光合成を行う海藻(草)類をベースに多種多様な生物群集と環境で構成された生態系であり、魚介類などの産卵場、生育場、隠れ場、漁場としての機能と共に水質浄化・炭素固定機能を有するため、沿岸域における漁業資源の持続的生産及び漁場環境保全の両面から重要である。
 近年、埋め立て、磯焼け、海況変化(地球温暖化の影響等も含めて)等により藻場の消滅・衰退が深刻な問題となり、藻場の回復に向けた藻場造成技術に期待が集まっているが、藻場造成自体が自然環境を改変する開発行為であるため環境に優しいより高度な工学・生態学的技術が要求される。そのためには、何よりも先ず藻場生態系の現状把握、環境負荷による影響評価、藻場の機能評価を行うことが必要である。
 本セッションでは、自然現象及び人間活動の影響による藻場の変遷の把握、藻場生態系のモニタリング手法、地球温暖化の影響及びリスク評価、安定同位体を用いた食物連鎖構造の解明による藻場の機能評価等を取り上げ藻場生態系の重要性を再認識し、藻場回復技術の今後の方向性を探る。


本件照会先:
独立行政法人 水産総合研究センター
研究推進部 業務企画課 広報官 梅澤かがり TEL:045-788-7529

*当セッションは入場無料です。受付で当セッションに入場の旨をお伝えください。
*その他のセッションにつきましては、登録料が必要なものもありますので、詳しくはテクノオーシャン2002国際シンポジウムの事務局までお問い合わせください。
(テクノオーシャンネットワーク事務局 TEL:078-303-7516)


<スペシャルセッション>
藻場環境の変遷、機能評価及び回復技術
日 時:11月21日(木)午前9時~12時15分(受付 8時30分から)
場 所:神戸国際展示場 3B会議室(神戸ポートアイランド内)
その他:日本語発表、入場無料

座長:井関 和夫 (瀬戸水研)

1.地球温暖化の藻場への影響評価:
  プロ研「地球温暖化が農林水産業に与える影響の評価及び対策技術の開発」水系チームの紹介
○井関和夫・寺脇利信・吉田吾郎・吉川浩二(瀬戸内水研)・坂西芳彦(北水研)・吉村 拓(西水研)・川俣 茂・桑原久実(水工研)・野田幹雄(水産大学校)
09:00-09:20

2.水中ロボットと係留気球を用いた亜熱帯海草藻場モニタリングシステムの構築
○山室真澄・西村 清和・野崎 健・加藤 健・根岸 明・大谷謙仁(産業技術総合研究所)、林原 毅・清水弘文・佐野元彦・玉城泉也(西海水研) 09:20-09:45

3.日本海における藻場と主要出現動物:
  新潟県粟島におけるベースラインデータの紹介
○林 育夫(日水研)
09:45-10:10

4.炭素・窒素安定同位体比を用いた海藻の内湾生態系への有機物源としての評価
○石樋由香(養殖研)・横山寿(養殖研)
10:10-10:35

5.瀬戸内海における藻場の生態と回復技術
○ 寺脇利信・吉川浩二・吉田吾郎(瀬戸水研)・新井章吾(海藻研究所)・森田健二(東京久栄)・新村陽子(科学技術振興事業団)・玉置 仁(広島大学)・村瀬 昇(水産大学校)
 10:45-11:10

6.個体群動態モデルを用いたウニ漁場や藻場を造成するための事前評価手法
○桑原久実(水工研)・明田定満(水工研)・酒向章哲(アルファー水工コンサルタンツ)
11:10-11:35

7.自然調和型漁港づくりの藻場造成事業
○安藤亘(水産土木建設技術センター)・中山哲嚴(水工研)・桑原久実(水工研)・川俣 茂(水工研)・樋本誠一(石川県)・小畠洋一(大分県)・室蘭土木現業所
11:35-12:00