プレスリリース

平成15年5月28日
独立行政法人水産総合研究センター
有明海・八代海・鹿児島湾における赤潮プランクトンのシスト(休眠期細胞)分布調査


【 要 旨 】
 独立行政法人水産総合研究センターは、5月30日から6月10日にかけて、有明海、八代海、鹿児島湾において、赤潮の原因となるプランクトンのシスト(休眠期細胞:植物の種子に相当)の海底泥中の分布実態調査を、瀬戸内海区水産研究所所属調査船「しらふじ丸(138トン)」により実施する。
 有明海では、夏季には魚類・貝類のへい死の原因となる鞭毛(べんもう)藻類の、冬季にはノリ養殖に影響を与える珪藻類の赤潮が発生する。これら赤潮の発生するメカニズムを解明するための調査の結果は「有明海ノリ不作等対策関係調査検討委員会」において既に報告したところであるが、今回の調査は、その結果のフォローアップとして、シストの分布密度の把握等を目的として実施するものである。
 また、閉鎖性の強い海域である八代海、鹿児島湾においては鞭毛藻類による赤潮の発生頻度が高い。これら有害鞭毛藻類の分布実態及びこれと競合する珪藻類のシストの分布実態を調査する。本調査で得られたデータは、別途実施される鞭毛藻類の生理・生態特性に係る室内実験及び各県水産試験場が実施する赤潮生物、漁場環境モニタリングの結果と合わせて総合的に検討され、有害鞭毛藻類による赤潮の発生予察技術の開発に利用される。


本件照会先:
独立行政法人 水産総合研究センター
研究推進部 広報官 梅沢かがり TEL:045-788-7529
瀬戸内海区水産研究所 企画連絡室長 關(せき) 哲夫・企画連絡科長 薄 浩則
 TEL:0829-55-0666

(別 紙)

1.調査課題
  赤潮プランクトン・シスト調査(平成15年度第1回)

2.目的
  有明海等の海底泥中における赤潮プランクトンのシストの分布を明らかにする。

3.調査計画
  調査期間:平成15年6月1日~6月7日
 (航海期間:平成15年5月30日~6月10日)
  調査海域:有明海22点、八代海20点、鹿児島湾23点(図
  調 査 船:独立行政法人 水産総合研究センター
       瀬戸内海区水産研究所「しらふじ丸」(138トン)
  調 査 員:独立行政法人 水産総合研究センター瀬戸内海区水産研究所
       調査員 2名
       京都大学農学部 2名
  調査内容:
   1)気象・海象(気温、風向、風力、気圧、波浪)
   2)水温・塩分
   3)採泥器による採泥を全調査点で行う。採泥した泥は一定温度で保存し持ち帰り、実験室でシストを計数する。