プレスリリース

平成17年7月21日
水  産  庁
独立行政法人水産総合研究センター
平成17年度における大型クラゲの出現状況について


 本年7月1日以降の大型クラゲの出現状況について、関係都道府県、漁業団体等の協力により得られた情報を取りまとめたのでお知らせします。
【要旨】
(1)7月8日以降連日、長崎県対馬南部の定置網に100~500個体程度(日によってはそれ以上)が入網している。7月10日及び11日の両日には、同県五島列島南西沖合の東シナ海において80個体程度の大型クラゲが確認されている。
(2)7月15日から19日には、同県五島列島西方沖から同県対馬西方沖の水域において多数の大型クラゲが確認されている。
(3)今年度は、昨年度と比較して長崎県対馬沖への出現が1ヶ月ほど早く、また確認された大型クラゲの数も多いことから、漁業関係者においては、今後十分な注意が必要である。

【詳 細】
1.7月1日以降現在までの情報によると、7月8日及び9日の両日に、長崎県対馬南部の定置網に100個体程度の大型クラゲの入網が確認されている。また、7月10日及び11日の両日に、長崎県五島列島南西沖合の東シナ海において、西海区水産研究所の調査船「陽光丸」により80個体程度の大型クラゲが確認されている。

2.7月15日から17日には長崎県対馬西方沖の水域において多数の大型クラゲが確認され、7月19日には同県五島列島西方沖の水域でも多数確認されている。(別紙の図を参照

3.なお、前述の長崎県対馬南部の定置網には、7月11日以降は毎日入網しており、その数も500個体程度(日によってはそれ以上)に達しているとのことである。

4.現在確認されている大型クラゲの大きさは、傘径で概ね20~50cm程度と小型、中型が主体であるが、中には1m近いものも確認されている。現在までのところ目立った漁業被害は報告されていないが、定置網に入網した事例では、網揚げ作業に支障が出始めているとの報告も寄せられている。

5.今年度の出現状況を昨年度と比較すると、東シナ海においては昨年度も同時期に確認されていたが、長崎県対馬においては、昨年度は8月6日に同島北方沖合で1個体が確認されたのみであり、今年度は7月8日以降、同島南部の定置網に連日に亘って数百個体の入網が確認されるなど、時期として1ヶ月以上早く、また出現する個体数も多くなっている。

6.このため、関係都道府県及び関係漁業団体に対しては、これまでの大型クラゲの出現状況について情報提供を行うとともに、注意喚起を行ったところである。なお、今後の大型クラゲの出現動向については十分な注意を要することから、引き続き情報の収集と迅速な提供に努めて参りたい。また、漁具改良など防除技術等の研究開発を実施しているところ、得られた成果については逐次漁業現場に普及していくこととしたい。

7.なお、大型クラゲの出現に係る最新情報については、独立行政法人水産総合研究センター日本海区水産研究所のホームページ(http://jsnfri.fra.affrc.go.jp/)に掲載しているので、そちらを御覧いただきたい。



お問い合わせ:
水産庁
増殖推進部 研究指導課 企画調整班 坂本幸彦、藤原由美 TEL 03-3502-8111(内線7314 or 7315)

独立行政法人 水産総合研究センター
本部 総合企画部 広報課 広報官 皆川 惠 TEL:045-227-2624
日本海区水産研究所 日本海海洋環境部 飯泉 仁 TEL:025-228-0587