プレスリリース

平成18年7月7日
シロクラベラ(マクブ)の漁獲量増大を目指した研究に着手!
(参考資料)

【要旨】
○ シロクラベラ(図1)は、奄美・沖縄地方ではマクブと呼ばれ、亜熱帯・熱帯地域特産の高級魚(卸売値1,600~2,000円/kg)です。沖縄県八重山海域における最近10数年間のシロクラベラ漁獲量は年間4~5トンと低い水準で推移していますが、漁業者からの聞き取りなどから、1970年代頃の漁獲量は現在の数倍~10数倍であったとみられ、資源が減少していると考えられます。

○ 本州等ではマダイやヒラメで人工種苗放流により漁獲量が増大した例があります。亜熱帯海域でも、これまでに色々な魚介類の種苗放流が行われてきましたが、その効果は認められていません。その原因として、多種の捕食者が存在するなどの亜熱帯海域の特殊性、対象種の生態的知見の不足、放流効果阻害要因の未特定などが上げられます。

○ 西海区水産研究所石垣支所栽培技術研究室では、2001年度からシロクラベラの種苗生産に着手し、種苗生産尾数及び生残率は近年、順調に増大しており、種苗生産技術については量産技術にめどがついてきています(図2)(図3)。一方、種苗放流技術については、2004年から試験的な種苗放流を始めたばかりであり、検討すべきことが多く残されています。


【研究の内容・特徴】
○ 研究内容は、「生態特性の解明」と「種苗放流技術開発」の2つに大別されます(図4)。前者では、シロクラベラの天然での初期生活史、特に成育場である海草藻場での生態特性の解明、並びに全生活史における分布生態の解明と加入過程の定量的把握などを実施します。後者では、前者で得られた知見と連関させながら、様々な方法の種苗放流、すなわち異なる種苗サイズや放流海域、馴致飼育した種苗の放流を実施し、より効果的な放流技術を開発するとともに、放流効果を的確に判定する課題を実施します。

○ 研究参画機関は、独立行政法人水産総合研究センター西海区水産研究所石垣支所の総ての研究室(生態系保全研究室、漁業資源研究室、海洋環境研究室、資源増殖研究室、栽培技術研究室)と沖縄県水産海洋研究センター石垣支所です。

○ 亜熱帯域での種苗放流において、このような生活史全体にわたる生態特性の解明と放流技術開発を結びつけて実施する総合的な研究は初めての試みです。


*:当センター広報誌「FRAニュース」7号(14ページ)にも関連記事を掲載しています。


本件照会先:
独立行政法人 水産総合研究センター
経営企画部 広報室 スポークスマン 本間広巳 TEL:045-227-2624
西海区水産研究所 石垣支所長 中村好和 TEL:0980-88-2856
石垣支所 栽培技術研究室長 與世田兼三 TEL:0980-88-2136