プレスリリース
平成18年9月21日
独立行政法人水産総合研究センター
独立行政法人水産総合研究センター
赤潮プランクトンの球形シャットネラは
ディクチオカ属であることが判明
ディクチオカ属であることが判明
水産総合研究センターでは赤潮の発生機構の解明および発生予察・被害防止技術の開発を実施しています。その中で、これまでラフィド藻綱シャットネラ属の一種とされていた赤潮生物シャットネラ・グロボーサ(球形シャットネラ)が、全く別の分類群に属するプランクトンであることが明らかになりました。この成果は、9月28日から広島市で開催される日本プランクトン学会・日本ベントス学会合同大会で発表する予定です。
シャットネラ・グロボーサとディクチオカ属2種のリボゾームRNA遺伝子の塩基配列を解析した結果、シャットネラ・グロボーサとディクチオカ・フィブラの配列が一致しました。ディクチオカ属藻類は、ケイ酸でできた多角形の骨格を持つプランクトンですが、骨格を持たない遊走細胞のステージを有することが報告されています。本研究の結果から、シャットネラ・グロボーサはディクチオカ・フィブラの骨格を持たない遊走細胞であることが明らかとなりました。
ディクチオカ属藻類はヨーロッパで養殖魚へい死の原因となっています。近年わが国でも本種によるサケのへい死やカンパチなど養殖魚への悪影響が報告され始めていますが、本種の生理・生態に関する知見はほとんどありません。今回の研究でシャットネラ・グロボーサの真の種が明らかになったことにより、モニタリングがより正確に行えるようになり、赤潮生物としての本種の発生機構解明など今後の研究への進展が期待されます。
(参考資料)
本件照会先:
独立行政法人 水産総合研究センター
経営企画部 広報室 スポークスマン 本間広巳 TEL:045-227-2624
瀬戸内海区水産研究所 TEL:0829-55-0666
業務推進部長 内田卓志
赤潮環境部長 渡部康憲
赤潮生物研究室長 山口峰生
主任研究員 坂本節子
研究員 高野義人
独立行政法人 水産総合研究センター
経営企画部 広報室 スポークスマン 本間広巳 TEL:045-227-2624
瀬戸内海区水産研究所 TEL:0829-55-0666
業務推進部長 内田卓志
赤潮環境部長 渡部康憲
赤潮生物研究室長 山口峰生
主任研究員 坂本節子
研究員 高野義人