プレスリリース

平成19年5月17日
大型さんま棒受網漁船の経営の安定を図るために-さんま棒受網漁業における北太平洋公海漁場の開発-
(別紙資料)


 我が国水域内におけるさんま資源はTACで管理されており、平成18年度には286,000トン(うち大臣管理分213,000トン)が設定されました。

 近年では20万トン前後の豊漁が続いているため、漁期は短縮される傾向にあります。 大臣管理のさんま棒受網漁業は、平成18年度は申し合わせにより、出漁を本来の8月1日から8月15日以降としましたが、省令で定められた操業期間の終了する12月末より早く11月下旬 に漁獲が213,000トンに達し漁期は終了しています。

 大型さんま棒受網漁船は中型鮭鱒あるいは近海まぐろ延縄漁業との兼業を行ってきましたが、近年は兼業種の不振により、さんま漁期以外は係船を余儀なくされる船が多く、経営が悪化しています。

 一方で、さんま資源は資源評価調査により公海を含む北太平洋において、400~800万トンと推定される資源量があることが明らかとなっています。公海のさんま資源は、韓国、台湾、中国、ロシアも利用しています。

 厳しい状況に追い込まれている大型さんま棒受網漁船が、公海の未利用のさんま資源を利用することにより経営の改善等が図られることを目的とし下記の調査を実施します。

 (1)国内さんま漁船の出漁前の春季~夏季(平成19年5月20日~19年7月20日)において、大型さんま棒受網漁船「第六十三幸漁丸」(199トン)を用船して、北太平洋中・西部の調査海域(別図参照)で未利用漁場の開発を行う。

 (2)当該漁獲物を対象として、①非食料(ミール、養殖魚の飼料)及び加工原料向け、 ②タイ・ベトナム等の海外食料市場向け等、既存の国内市場と競合しない市場開発に取り組む。

 (3)上記による、大型さんま棒受網漁船の経営の改善の寄与の度合いについて検討する。


【用語説明】
・さんま漁業
 さんま漁業は、10トン以上の漁船を用いて棒受網により操業を行う大臣許可漁業(指定漁業)と、10トン未満船による知事許可漁業の2種類からなります。
 操業期間は、大臣許可船は省令により8月1日~12月31日までと定められているのに対し、知事許可船は、例年これより早い7月上~中旬に操業を開始します。

・さんま棒受網漁業
 明かりに集まるサンマの習性を利用し、夜間に灯火でサンマを集め、船の片舷に敷設した網でサンマを漁獲する漁法。

・TAC(漁獲可能量)
 TACとは「Total Allowable Catch」の略で、魚種ごとに1年間の漁獲の上限を定めることにより、資源の保存・管理を図ろうとするものです。