プレスリリース

国際獣疫事務局(OIE)からコイヘルペスウイルス病のリファレンスラボラトリーに指定される
(別紙資料)


 国際獣疫事務局(OIE:Office International des Epizooties)は、動物の伝染性疾病及び防疫に関する国際機関として、各国の疾病発生情報の収集・発出、動物検疫 に関する国際基準の策定、新しい診断法の国際標準化などについて活動し、169ヵ国の国々が加盟しています(http://www.oie.int/eng/en_index.htm)。 水生生物に関しては、OIEに水生生物衛生基準委員会(Aquatic Animal Health Standards Commission)が組織され、国際的に監視すべき重要な疾病を指定し、規範や診断マニュアルが定められています。 OIEの重要疾病として、現在のところ、魚類では9、貝類で7、甲殻類で12の疾病が指定されています。

 コイヘルペスウイルス病(KHVD)は、日本ではその危険性を早くから認識し、平成15年6月に水産資源保護法及び持続的養殖生産確保法で蔓延防止措置を必要とする特定疾病に指定されました。 しかし、残念なことに平成15年10月に霞ヶ浦の養殖マゴイで発生が確認されました。 水産総合研究センターでは、平成15年の日本での発生以来、養殖研究所の魚病診断・研修センター及び病害防除部が、持続的養殖生産確保法に基づく本病の確定診断を実施し、現在までに1500以上の事例について診断を実施したほか、その防除のための総合的な研究を国内外の大学・研究機関と連携・協力し行ってきています。

 OIEでは、平成18年に本病を重要疾病として指定し、疾病の診断、防疫技術に関して世界の中心的役割を果たす研究機関となるリファレンスラボラトリーを募集し、当センターでは、科学的な知見や診断等の経験を活かし、国際的な貢献を行うため、OIEのKHVDリファレンス ラボラトリーとして応募しました。 今般、2007年5月20~25日にパリで開催された第75回OIE総会において、今までの活動実績から世界の拠点としての研究機関として認められ、当センター(代表専門家:養殖研究所魚病診断・研修センター 佐野元彦センター長) がコイヘルペスウイルス病のリファレンスラボラトリーに指定されました。 また、同時にもう一ヵ所のリファレンスラボラトリーとして、同じくKHVDについて研究実績のある英国のCEFAS (英国環境・食料・農村地域省傘下の行政法人である環境・漁業・養殖に関する研究機関:http://www.cefas.co.uk/) (代表専門家:Keith Way博士)も指定されました。

 KHVDは、コイ(マゴイやニシキゴイなど)を宿主とするウイルス性の疾病で、ウイルスが感染したコイの国際的な貿易に伴い世界に急速に拡がりました。 現在では、西ヨーロッパ諸国、米国、日本、インドネシア、マレーシア、台湾、中国(香港)などの国々でウイルスが確認されています。 日本はニシキゴイの主要な生産国であり、責任を持って無病の魚を生産し、輸出していかなければなりません。 また、アジアの国々でも近年盛んにマゴイやニシキゴイが生産されています。 当センター養殖研究所では、今後、OIEのリファレンスラボラトリー、特にアジア地域の拠点として、英国CEFASや国内外の研究機関・大学と連携・協力を取りながら、KHVDによる被害防止やウイルスのまん延防止に向けた研究等に取り組んでいくとともに、診断方法に関する助言や診断に必要なウイルスDNAなどの試薬等を国外機関へ分与することなどを通じ、積極的に国際貢献を行っていきます。


・第75回OIE総会
・KHV病の診断技術講習会
・細胞内で増殖するKHV