プレスリリース

平成20年3月25日
独立行政法人水産総合研究センター
耳石を用いた太平洋産のクロマグロの年齢査定と成長解析の成果


 水産総合研究センターは、関係道県水産試験研究機関と連携し、水産庁の国際資源調査委託事業の一環として、太平洋産のクロマグロの年齢査定等の精度向上に取り組んでいます。

 これまで太平洋産のクロマグロの年齢を調べるには、体長組成の季節変化や鱗の輪紋を用いていましたが、この方法では、大型で10歳を超える高齢のクロマグロ個体の年齢と成長については明らかにされていませんでした。

 この度、当センターでは、1998年から2007年に日本各地などで収集したクロマグロの耳石薄片を観察し、耳石の不透明帯が1年に1本形成される年輪であることがわかりました。 この年輪を数えることによりクロマグロの年齢がわかり、その成長解析が可能なことを明らかにしました。

 この結果から、クロマグロの成長は10歳程度までが速く、それ以降では遅くなること、クロマグロの寿命が20年近いことが示唆されました。これは、資源評価の精度向上と資源管理上、重要な情報となります。

 なお、クロマグロの耳石を収集するにあたっては、水揚げされる産地から消費地に至る漁業者、研究機関、流通関係者など多くの方々の協力を頂いています。

 本成果に関連する詳しい内容は、東海大学海洋学部で開催される日本水産学会春季大会で発表する予定です(3月28日(金)第4会場、講演番号407)。


 (別紙資料
本件照会先:
独立行政法人 水産総合研究センター
経営企画部 広報室 スポークスマン 本間広巳 TEL:045-227-2624
遠洋水産研究所 生物特性研究室長 田邉智唯 TEL:054-336-6045