プレスリリース

日本海海況予測システムJADEの運用開始
(別紙資料)


研究の背景
 ・独立行政法人水産総合研究センター日本海区水産研究所は、日本海に面する道府県等の水産試験研究機関が調査船を用いて実施している海洋観測データをとりまとめ、日本海漁場海況速報図として長年公表してきた。 しかし、沿岸域では濃密な観測網が構築されているが、沖合域ではまばらな観測になり、日本海全域の海況を把握することは難しかった。

 ・近年、観測データを海洋流動モデルに反映させる手法(データ同化)の研究が進み、データ同化手法を用いた海況予測モデルの開発が行われている。 日本海においては、九州大学応用力学研究所が気象衛星による海面水温・海面高度データを同化した海況予測モデルを構築し、継続的な運用に成功している。


成果の内容・特徴
 ・水産総合研究センターは、九州大学応用力学研究所が開発した海況予測モデルを基に、さらに水産試験研究機関の調査船が観測したCTDデータ(表層から水深数百メートルまでの水温・塩分データ)も準リアルタイムに同化させるシステムJADEを構築した図1

 ・これにより、海面水温・海面高度・CTDデータの3種類のデータを有効に活用した海況予測システムが完成し、より高精度な海況(水温および流れの方向と強さ)の再現・短期予測が可能となった図2

 ・JADEの計算結果は週1回更新され、過去5年間の1日毎の再現値と現在から2ヶ月先までの1日毎の予測値を本年5月よりウェブ上で一般に公開している。
URL: http://jade.dc.affrc.go.jp/jade/


今後の課題・展望
 ・今後は、海況予測システムの再現・予測精度のいっそうの向上を図る。

 ・日本海の水産資源の変動要因解析、たとえば、スルメイカの産卵場推定、稚仔の受動的輸送・生残過程に関する数値シミュレーションなどの研究や、大型クラゲの移動予測など水産海洋研究に広く貢献できると期待している。

 ・漁業者や海を利用する一般の方々にも有用な情報を提供できると考えられる。