プレスリリース

平成20年6月27日
独立行政法人水産総合研究センター
長年の成果実る!~世界で初めてズワイガニの種苗量産に成功~


 ズワイガニはふ化してから約2ヵ月かけて、ゾエア期、メガロパ期へと脱皮を繰り返しながら稚ガニになります。 この間の飼育は細菌感染症が発生するなど非常に難しく、1969年に福井県水産試験場が世界で 初めて稚ガニの生産に成功してから2002年までは年間で最高1,500尾のレベルに留まっていました。

 独立行政法人水産総合研究センター(川口恭一理事長)では、小浜栽培漁業センターで1984年からズワイガニの種苗生産技術の開発を進めてきました。 2005年まではゾエア期の飼育条件の解明に取り組み、10万尾規模のメガロパの生産が可能となりました。 2006年からはメガロパ期の飼育条件の解明に取り組み、水槽底の沈殿物による細菌感染防止のためゾエア期の後期に新しい水槽へ移動させることや、適正飼育水温を把握したことにより大型水槽を使用した量産規模での飼育に成功し、本年5月に過去最高の稚ガニ18,366尾を生産することができました。

 今後は、さらに安定的な稚ガニの量産技術の開発を進めるとともに、生産された種苗を活用した飼育試験や放流試験等を実施することで、これまで謎の多かったズワイガニの生態が解明され、増養殖や資源管理の技術が大きく進展することが期待されます。


参考資料
本件照会先:
独立行政法人 水産総合研究センター
経営企画部 広報室 スポークスマン 本間広巳 TEL:045-227-2624
小浜栽培漁業センター 場長 高橋庸一 TEL:0770-52-2660
 技術開発員 山本岳男 TEL:0770-52-2660