プレスリリース

太平洋公海域におけるサンマ資源調査の結果概要
(参考資料)


 1.本調査は、漁期の拡大による大型さんま棒受網漁船の経営の安定を図るため、現行漁期前の 時期において未利用資源である公海上のさんま資源を対象とした操業を確立するとともに、漁獲物 の海外又は非食料向けを含め、既存の国内生鮮市場と競合しない市場開発を目的としています。

  このため、平成20年5月20日~7月31日の間、大型さんま棒受網漁船第六十三幸漁丸(199トン) 及び第一榮久丸(184トン)を用船して、公海漁場の開発、及び、製品の船上生産方式の改善をねら いとした調査を行いました。主たる調査水域は、昨年度調査において魚群を多数確認した160°E以西 の水域とし、暖水張り出し域縁辺の表面水温12~14℃の位置を中心として操業を行いました(図2)。


2.この間、各船6航海を行い、第六十三幸漁丸は32日間318網の操業によりミール向け氷蔵製品500.6トン、 輸出向け凍結製品98.3トン、合計598.9トンを、第一榮久丸は31日間283網の操業により、ミール向け氷蔵 製品408.2トン、輸出向け凍結製品117.3トン、合計525.5トンを、それぞれ生産しました(昨年度の製品 生産量267.2トン)。両船平均の1網当たり漁獲量は1.9トン(昨年度1.4トン)、操業1日当たり網数及び 漁獲量は、それぞれ9.5網及び17.8トン(昨年度8.9網及び12.1トン)で、昨年度に比して1日当たり網数 及び1網当たり漁獲量が増加したことにより1日当たり漁獲量が増加し、結果、調査期間を通じての漁獲量 が向上しました。これは2隻体制としたことにより探索範囲が広がり魚群の発見機会が増加したこと、 及び、相互の漁獲状況を比較して操業位置を選択したことにより濃密な魚群を効率的に捕捉できたこ とに加え、遠洋底びき網調査船第五十八富丸(401トン)とも情報を交換したことにより、より広範囲 の漁海況把握が可能であったことによるものと思われます。今後、企業的操業に移行し、更に多くの 船による船団操業を行った場合には、漁獲量の一層の向上が期待されます。


3.船上での製品生産方式の改善に関しては、サンマの漁獲時間帯によって消化管内容物の充満度合 が異なることから(図3)、海外の解凍生鮮市場を対象とした凍結製品の生産にあたっては、明け方近 くの個体を用いることにより腹割れの原因となる餌喰い個体の混入をある程度回避できることがわかりました。

  漁獲したサンマの主体は体長25cm以上の中~大型魚で、体長モードは5月下旬の28cmから7月下旬の31cmま で旬毎に大きくなりました(図4)。体重モードは、5月下旬の90gから6月中旬の120gまで徐々に増加した のち、6月下旬には肥満度の増加に伴って急激に増加して150gとなり、以後は徐々に増加し7月下旬には160gと なりました(図5)。これらは昨年度調査と同様の傾向を示しており、高価格が期待できる海外の解凍生鮮市 場向けとなる大型魚の凍結製品は6月下旬以降に生産可能であることを確認しました。


4.今後、得られた結果に基づき、漁期の拡大による大型さんま棒受網漁船の経営改善の可能性について調査を進めていきます。