プレスリリース

平成20年12月18日
独立行政法人水産総合研究センター
世界初!ヤシガニの産卵場所を特定
~ヤシガニは陸上で産卵・抱卵する~~


 水産総合研究センターは、平成19年6月から沖縄県八重山郡竹富町の鳩間島にて、絶滅が危惧されているヤシガニの繁殖生態を明らかにするための調査に取り組んでいます。

 今年度実施した夜間調査で、世界で初めてヤシガニの産卵場所を特定するとともに、産卵行動の撮影に成功しました。この結果、本種の産卵場所が海中ではなく、陸上であることが確認できました。さらに、世界で初めて野外における本種の交接の瞬間を撮影することにも成功しました。

 この産卵行動の詳細についての論文は英国科学雑誌「JMBA2-Biodiversity Records」に受理され公表されました
http://www.mba.ac.uk/jmba/pdf/6370.pdf)。

 なお、本年7月31日にお知らせした「世界初!飼育条件下でヤシガニの交接から産卵に至る一連の繁殖に成功」の成果は、今回観察した天然の産卵環境を飼育容器内で再現したことによるものです。このことからも、ヤシガニの産卵場所の特定と撮影、野外での交接の観察は、絶滅が危惧されている本種の生息場所の保全などの資源管理方策の実施、並びに飼育条件下で安定的に受精卵を確保する技術の確立に大きく貢献するものと期待されます。


 (参考資料
本件照会先:
独立行政法人 水産総合研究センター
経営企画部 広報室 スポークスマン 本間広巳 TEL:045-227-2624
西海区水産研究所 石垣支所長 與世田兼三 TEL:0980-88-2856
        栽培技術研究室長 奥澤公一 TEL:0980-88-2136
        技術開発員 佐藤 琢 TEL:0980-88-2136