プレスリリース

平成21年3月19日
(独)水産総合研究センター
カンパチの養殖期間を大幅に短縮!


 ポイント
・出荷可能サイズまでの養殖期間を約1年半から約1年へと大幅に短縮
・養殖期間の短縮で飼育コストを大幅に低減できる


 独立行政法人水産総合研究センターでは、重要な養殖対象種であるカンパチの養成親魚を飼育環境条件の制御によって早期に採卵したことを平成20年3月にお知らせしました。今回は、この早期採卵で得られた人工種苗を用いることによって出荷サイズまでの養殖期間を大幅に短縮できたことをお知らせします。

 平成18年度から実施している「カンパチ21」において、早期採卵で得られた人工種苗の成長を調査しました。その結果、2007年12月下旬に得られた人工種苗が2008年12月末(満1歳)には平均尾叉長44.5cm、平均体重2.4kgに成長しました。これは約1年間で出荷可能サイズにまで成長したことを意味します。従来の採卵(5~6月)の人工種苗は約1年半かけて出荷可能サイズに達しています。 また、養殖用種苗として輸入される中国産種苗の成長と遜色ない結果も得られました。この早期採卵群をカンパチ養殖に用いることで、安全・安心な養殖カンパチの提供はもとより、養殖期間を大幅に短縮でき、飼育コストの大幅な低減が期待できます。

 なお、本研究に関連する詳しい内容は東京海洋大学(品川キャンパス)で開催される平成21年度日本水産学会春季大会で発表される予定です(3月28日(土)、第5会場、講演番号520)。

予算:農林水産省 新たな農林水産政策を推進する実用技術開発事業「カンパチ種苗の国産化及び低コスト・低環境負荷型養殖技術の開発」(カンパチ21)



参考資料

本件照会先:
独立行政法人 水産総合研究センター
経営企画部 広報室 スポークスマン 本間広巳 TEL:045-227-2624
養殖研究所 栽培技術開発センター 栽培技術研究グループ 主任技術開発員 浜田和久 TEL:0880-72-1207