プレスリリース

平成21年3月25日
独立行政法人水産総合研究センター
中層水温図を用いたカツオ漁場探索技術の開発で漁業者に貢献

 水産総合研究センターではカツオの遊泳層である中層の水温図を利用した魚群探索が有効であることを確認しました。

 遠洋かつお一本釣漁船は燃油高騰や稼働隻数減少に伴い漁場探索が難しくなっています。このため、当センターでは平成18年度から第3協洋丸(499t)を用船し、近年、準リアルタイムに配信されるようになった中層水温図を用いたカツオ漁場探索技術について調査を行ってきました。

 カツオは過去の知見によると水温躍層付近を主に遊泳することから、この水深の中層水温図を利用して魚群探索を行いました。その結果、①平成18年3月下旬の南方海域の調査では75m中層水温図を利用し、1日あたりの漁獲量が他の遠洋かつお一本釣漁船の7.1トンに対し18.8トンと2倍強となりました。②一方、日本東方沖合海域の調査では、水温躍層が浅いことから20m中層水温図を使用し、漁場の形成を確認することが出来ました。この調査結果を受けて、昨年11月から5隻の当業船が中層水温図を導入し、漁場探索に有効活用しています。今後は情報交換等を積極的に行うことで、さらに有効な漁場探索が可能になると考えています。

 なお、本調査に関する詳しい内容は東京海洋大学(品川キャンパス)で開催される平成21年度日本水産学会春季大会で発表される予定です(3月28日(土)、第1会場、講演番号102)。




本件照会先:
独立行政法人水産総合研究センター
経営企画部 広報室 スポークスマン 本間広巳 TEL:045-227-2624
開発調査センター 浮魚類開発調査グループリーダー 伏島一平 TEL:045-227-2735
                       サブリーダー 大島達樹、調査員 木村拓人 TEL:045-227-2737