プレスリリース

平成21年3月25日
独立行政法人水産総合研究センター
まぐろの適正保冷温度によるエネルギー効率化
~地球環境にやさしい凍結まぐろを水揚げ販売します~

 独立行政法人水産総合研究センターでは、開発丸(489トン)を用船し遠洋まぐろ延縄漁業におけるエネルギー効率化などを調査しています。今回、-40℃程度の一定温度で管理し、その温度履歴を明らかにした凍結まぐろ類を通常の超低温保管製品と一緒に販売します。

 遠洋まぐろ延縄船が生産する刺身用凍結まぐろは、刺身用としての鮮度を保つため、漁獲した直後に急速凍結し、超低温で保管しています。この結果、漁船や陸上保管施設等で多大なエネルギーを消費していました。

 当センターでは、昨年「水産業エネルギー技術研究会」を立ち上げ、水産業のエネルギー消費構造の改善等に取り組んできました。その中で、まぐろ類凍結製品の適正保管温度について検討し、①-40℃付近より更に低温で保管することがまぐろ類の長期保存の品質確保に必要との科学的知見はないこと、②日本冷凍学会でメバチマグロの陸上保管における品質(魚肉の変色度)保証期間は、-40℃保管で17ヶ月以上と報告されていることに着目し、-40℃保管の実証試験を実施しました。

 水産業エネルギー技術研究会では、魚倉を超低温から-40℃程度に設定することで約7%の燃油使用量の削減が可能と試算しています。また、従来のフロン系冷媒使用による冷却装置から-45℃以下での温度管理が困難だった自然冷媒(NH3・CO2)への転換も可能となり、相応の窒素酸化物や二酸化炭素の排出量削減効果が期待されています。今回販売する開発丸の凍結まぐろは地球環境にやさしい製品です。


参考資料



本件照会先:
独立行政法人水産総合研究センター
経営企画部 広報室 スポークスマン 本間広巳 TEL:045-227-2624
開発調査センター 資源管理開発調査グループ リーダー 伏島一平 TEL:045-227-2735
                       サブリーダー 大島達樹 TEL:045-227-2737