プレスリリース

平成21年3月31日
独立行政法人水産総合研究センター
生態系・環境とも調和したバランスのとれた水産業の姿を重視
「我が国における総合的な水産資源・漁業の管理」のあり方について
水産庁に最終報告を提出

 独立行政法人水産総合研究センターは、水産資源の持続的な利用と管理に対する科学的知見と経験を生かし、昨年4月から1年間にわたり「日本型」水産業の特性に適した管理のあり方につい て検討を重ね、最終報告をとりまとめました。

 本報告では、望ましい水産業の姿を実現する「水産政策の基本的な方向性」を示しました。この中で水産資源・漁業管理は、A資源・環境保全の実現、B国民への食料供給の保障、C産業の健全な発展、D地域社会への貢献、E文化の振興という5つの面を伸ばす総合的な政策であるべきだと提案しています。その他、それを効果的に行うための水産資源・漁業管理のグランドデザインの明確化、制度的柔軟性の向上、流通システムの改善、科学的知見・モニタリング精度の向上といった合計8つの改善のポイントを示しています。

 具体的な水産資源・漁業管理施策を導入するには、国民の価値観、何を重視するかを踏まえる必要があります。経済的効率性、地域の役割、食料供給保障等のどれを重視して水産資源・漁業の管理をするかといった3つの政策の選択肢を提示しました。国民の政策ニーズを把握するためのアンケート調査から、地域の役割を重視した選択肢がニーズに合っていると考えられ、特に生態系・環境とも調和したバランスのとれた管理のあり方への強い関心が示されました。

 この検討は、水産庁からの要望に応えたもので、国民の重視する価値観を踏まえた水産資源・漁業管理の施策のため、政策選択肢を提供することを目的としたものです。平成20年7月31日に中間報告を提出した後、さまざまな分野の有識者・専門家にご講演いただくとともに、アンケート調査を行って議論を深め、最終報告として3月30日に水産庁に提出しました。


参考資料

最終報告(本文)(PDFファイル13.8MB)

本件照会先:
独立行政法人水産総合研究センター
経営企画部 広報室 スポークスマン 本間広巳 TEL:045-227-2624
業務企画部 研究開発コーディネーター 檜山義明 TEL:045-227-2680